2016 S/S PARIS COLLECTION パリ・コレクションのニューカマーたち vol.1

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text : Mariko Mito (B.P.B. Paris)

9月29日から9日間に渡り開催された2016年春夏パリ・コレクション。期間中には、ビッグネームのブランドや人気デザイナーが国内外から集まり、公式スケジュールだけでも約100のコレクションが発表された。そんな中、最高にパワフルなショーを見せてくれたのが、ニューカマーたちだ。新アーティスティック・ディレクターの就任でリニューアルしたメゾンや海外から初参加した人気ブランドもあり、ファッションウィークを大いに盛り上げた。豊かなクリエーションと個性が際立っていた今シーズン、装苑が注目する若手デザイナーと話題を集めたフレッシュなブランドを紹介する。

KOCHÉ コシェ


Christelle Kocher クリステル・コシェ

昨年、満を持して自身のブランドを立ち上げたクリステル・コシェは「念願の自分のブランドを始めることができて、今すごくエキサイティングしているんです!」と熱く語った。2002年にセント・マーティンズ美術大学を卒業後、クロエ、ドリス ヴァン ノッテン、ボッテガ・ヴェネタなどの人気メゾンを経て、2010年にはシャネル傘下の工房「ルマリエ」のアーティスティック・ディレクターに就任した彼女は、今、最も期待されるデザイナーの1人である。学生の時から手仕事が大好きだったという彼女のコレクションは、華やかな刺繍で装飾され、同時に日常着の要素を取り入れることで、軽快に仕上げられている。「コシェを立ち上げた時、フランスの素晴らしい工芸技術をオートクチュールだけでなく、毎日のワードローブに取り入れたいと考えました。ストリートのエネルギーとラグジュアリーのミックスがおもしろいと思うんです」ショーの舞台となったのは、さまざまな人種が集まるレ・アール駅のショッピングセンター。観客の間をストリートキャスティングで選ばれたモデルが歩く演出で、ゲリラ的ショーを通行人も足を止め観賞した。国籍やジャンルを超えた人との交流から多くの刺激を受けるというコシェは、多種多様な民族が混在するパリの下町にアトリエを構える。今回の初ショーは、彼女らしさ全開のパワーに満ちあふれるものだった。

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NEHERA ネヘラ(初参加)


Samuel Drira サミュエル・ドリラ

「ネヘラ」は1930年代にヨーロッパで栄えたファッションハウス。2015年春夏から再スタートを切り、今シーズン、公式スケジュールに初参加した。スロバキアの首都ブラチスラヴァとパリを拠点にクリエーション活動を行なうクリエイティブ・ディレクターのサミュエル・ドリアは、もともとスタイリストとして活躍していた人物。エルメス、ダミール・ドマ、クリストフ ルメールなどでコンサルティングをした経験もあり、雑誌「Encens」の創立者としても知られる。ブランドコンセプトは実験的なシェイプとタイムレスなクラフトマンシップの融合。上質なナチュラル素材、リラックス感があるゆったりしたシルエットが特徴で、どこか牧歌的でありながら、洗練されたスタイルである。今回の初ショーでは、異素材によるレイヤードの遊びを見せつつ、"柔道ジャケット"や人民服風のシャツなど、アジアンテイストを加味。スタイリングやアクセサリーのコーディネートにも抜群のセンスが感じられ、登場した男女のモデルたちは知的なムードを漂わせていた。

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photograph:Sybille Walter


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