2017年 第91回装苑賞受賞 アピチャート・ナランシャーさんのポートフォリオ全ページ公開!
今年も第92回装苑賞、第1期のポートフォリオ募集が始まりました!審査員の先生は、コシノジュンコ先生、髙島一精先生、田山淳朗先生、三原康裕先生の4名です。締切りは2017年8月28日(月)18時まで。
そこで、『装苑』9月号でも特集した第91回装苑賞より、装苑賞を受賞したアピチャート・ナランシャーさんのポートフォリオを、ポイント解説つきで公開します。 皆さんも、夏休みのこの機会にポートフォリオを制作して、ぜひ装苑賞に応募してみてください!

審査員がいちばん最初に目にするのは、ポートフォリオの表紙。もちろん中身を充実させることが重要ですが、余裕があれば表紙にもこだわりたい。アピチャートさんはシルバーの大きなリングでポートフォリオを装飾。

希望する審査員名、テーマ、氏名、年齢、職業(学生の場合は学校名)、住所、電話番号を必ず明記してください。1次審査通過のお知らせは、電話連絡となります。
※画像は個人情報保護のため、情報の一部を消去しています。

装苑賞の作品を作るうえでテーマ・コンセプトを設定します。インスピレーション源や思いついた経緯、テーマをどのように洋服に落とし込むのか、などを簡潔に表現。

テーマやコンセプトに思い至ったインスピレーション源をリサーチ。対象を深く知ることで、具体的なデザインの助けにも。ポートフォリオでは考察やコラージュなどを用いてビジュアル面でもアピール。

「MODERNITY」からインスピレーションを得たアピチャートさんは、その言葉から近代建築を想起。そのフォルムを洋服に落とし込む過程をデザイン画と写真で表現している。

アピチャートさんが得意とするニットの技法を使用し、建築のMODARNITYを表現するため、ウールの他に普段使用することのないゴムやビーズを使用。サンプルを制作し建築の写真と対比させた。オリジナルテキスタイルでなくても、使用する生地のスワッチを貼るだけでも具体性は生まれる。

装苑賞は公開審査会に進んだ場合、3体のミニコレクション形式で審査されます。最初に制作する1体だけでなく、3体のバリエーションを考えてデザイン画を描くことが大切。デザイン画は作品の設計図でもあるので、立体で表現が可能かどうかも考慮したい。

過去にどのような作品を制作していたか、または、いま打ち込んでいる趣味や個人的に研究していることなど、何でもいいので自分自身を審査員にアピールすることも大切です。自らを客観的に振り返ることで、新しい発想のヒントへと繋がることも。


アピチャート・ナランシャー
1987年生まれ、タイ出身。タイで美術大学を卒業後、日本へ留学し、文化ファッション大学院大学に入学。同校を修了し、現在同校の教授助手を務める。
第91回装苑賞受賞作品「MODERNKNITTY」
※第91回装苑賞公開審査会の様子はこちら(soen.tokyo/fashion/news/soen170613.html)
装苑賞のオフィシャルサイトはこちら(www.bunka.ac.jp/soen/)をご覧ください。