【From パリ支局】2018年版ミシュラン、フランスで星をつかんだ日本人シェフたち

―文化出版局パリ支局より、イベントや展覧会、ショップなど、パリで日々見つけたものを発信。

2月5日、ミシュランガイド・フランス2018年版のレストラン格付けが発表され、日本人の活躍がますますクローズアップされている。

今年は、日本人がシェフを務めるレストラン5店舗が新たに一つ星を獲得し、2店舗が二つ星に昇格した。クラシックなフランス料理や和のテイストをミックスしたフレンチなど作られる料理は様々だが、シェフに共通しているのは食材へのこだわり、創意工夫、日々の努力の積み重ねである。


michelin2018fev5_011.JPG

シェフの集合写真。


michelin2018fev5_002.jpg

オープニングでは、今年1月20日に死去した巨匠ポール・ボキューズへのオマージュを込めたビデオが流され、
観客が全員立席して拍手をする場面もあった。


【新たに一つ星を獲得した日本人シェフのレストラン】

Ken Kawasaki「ケン・カワサキ」
川崎遼平(かわさき・りょうへい)

父、川崎健(かわさき・けん)と共にシェフを務める彼は18歳からこの道に。「フランス料理というジャンルにとらわれず、日本人らしさを入れながら料理を作っています。パリで星を取るのは父の夢だったので嬉しいです」
住所:15 rue Caulaincourt, 75018 Paris
TEL:09 70 95 98 32
michelin2018fev5_014m.jpg


Étude「エチュード」
山岸啓介(やまぎし・けいすけ)

東京のレストランに勤務したのち渡仏。パリの「アガペ」などを経て、2013年にオープンした「エチュード」は、乳製品を使わないフランス料理を提供する。「何よりも応援してくださるかたのために料理を作りたいです」
住所:14 rue Bouquet-de-Longchamp, 75016 Paris
TEL:01 45 05 11 41
WEB:www.restaurant-etude.fr
michelin2018fev5_013m.jpg


Pertinence「ペルティナンス」
内藤隆乃介(ないとう・りゅうのすけ)

「タイユヴァン」「ル・ムーリス」「アントワーヌ」で経験を積んだ内藤シェフ。マレーシア出身のパートナー、リュウ・クウェン(Liew Kwen)シェフと昨年4月にオープンした店が、早くも星獲得。「16席の小さな店ですが、いいサービスといい食材を使った料理で、お客さまの笑顔を探していきたいです」
住所:29 rue de l'Exposition, 75007 Paris
TEL:01 45 55 20 96
WEB:www.restaurantpertinence.com
michelin2018fev5_016.jpg


Montée「モンテ」
滑浦高行(なめうら・たかゆき)

日本とフランスで修業後、2006年に神戸で「モンテ」を開店。10年後、人気のレストランをパリに移し、フランス人をも魅了した。「半信半疑でまだ実感がわきません。こだわりは素材をいかすこと。食材は生産者をまわって自分の足で探しています。料理は食べてしまったら終わりの一瞬のものですが、毎日の積み重ねが大事なのだと思います」
住所:9 Rue Léopold Robert, 75014 Paris
TEL:01 43 25 57 63
WEB:restaurant-montee.fr
michelin2018fev5_012m.jpg


Château de Courban「シャトー・ド・クルバン」
木下隆志(きのした・たかし)

2002年に渡仏し、数々の賞に輝いている木下シェフは、2015年よりブルゴーニュのホテル「シャトー・ド・クルバン・スパ・ニュクス」で腕をふるう。かぼちゃ、オクラ、万願寺とうがらし、ハーブなどの野菜も自身で育て、納得のいく素材でおいしさを追求。「チームの力に恵まれました。毎日いいものを提供することを大切にしています」
住所:7 rue du Lavoir, 21520 Courban
TEL:03 80 93 78 69
WEB:www.chateaudecourban.com
michelin2018fev5_015m.jpg


michelin2018fev5_006m.jpg

一つ星の発表では、フランス唯一の女性三つ星シェフ、アンソフィー・ピック氏(左)が案内役を務めた。


【二つ星に昇格した日本人シェフのレストラン】

Au 14 Février「オ・キャトルズ・フェヴリエ」
浜野雅文(はまの・まさふみ)

ブルゴーニュ南部、人口500人の小さな村にある「オ・キャトルズ・フェヴリエ」のオーナーシェフ、浜野雅文氏。2014年に一つ星を獲得し、今回二つ星に昇格。浜野シェフは、2007年に「オ・キャトルズ・フェヴリエ」のサンヴァランタン本店のシェフに就任し、2012年に同店でも一つ星を獲得した。
住所:Le Plâtre Durand, 71570 Saint-Amour-Bellevue
TEL:03 85 37 11 45
WEB:www.sa-au14fevrier.com
michelin2018fev5_017m.jpg
一つ星獲得のシェフには2日前に知らせが届いたが、二つ星については発表の瞬間まで知らされることはなかった。
「式に招待されていましたが、何も聞かされていなかったので名前を呼ばれた時は頭の中が真っ白になりました」と浜野氏。フランスの食文化に受け入れられ、ますます勢いを増す日本人シェフについて「僕らだけでどうにかできる世界ではなかった。これまでフランスで修業された多くのシェフが築きあげてくれたものがあったから、今花咲いているのだと感じます。僕たちがこうやってフランス人の中で働けるのもそのお陰だと思う。何に対しても常に感謝の気持ちを持ってやっていきたいですね。自分1人でこの場に立っているのではないのですから」と語った。

michelin2018fev5_007.JPG

舞台上でマイクを向けられた浜野シェフは「スタッフと家族、そしていつもそばにいてくれる人たちに感謝します」
とコメント。


Takao Takano「タカオ・タカノ」
鷹野孝雄(たかの・たかお)

リヨンで店を営む鷹野シェフは式に出席できなかったが、名前が読み上げられと観客から大きな拍手が送られた。
michelin2018fev5_018.jpg


格付け最高位の三つ星を新たに獲得したのは、著名フランス人シェフのマルク・ヴェイラ(Marc Veyrat)氏と、クリストフ・バッキエ(Christophe Bacquié)氏。ミシュランガイド・フランス2018年版の星付きレストランは合計で621店舗となった。

michelin2018fev5_009.JPG

怪我と店の火事を乗り越え三つ星にかえり咲いた「ラ・メゾン・デ・ボワ(La Maison des Bois)」のオーナーシェフ、マルク・ヴェイラ氏(中央右)。発表を受けたシェフは「食の安全を守り、子供や孫たちの未来を考えなければならない」
と熱いスピーチを行った。


michelin2018fev5_010.JPG

妻と共に喜びを噛みしめるクリストフ・バッキエ氏。


michelin2018fev5_001.jpg

会場となったのは、昨年パリ郊外にオープンした音楽複合施設「ラ・セーヌ・ミュージカル」。
世界的に活躍する日本人建築家の坂茂(ばん・しげる)が手掛けたことでも話題になっている。


michelin2018fev5_019.jpg

ミシュランガイド・フランス2018年版。 restaurant.michelin.fr


Text&Photographs : B.P.B. Paris


MAGAZINE

『装苑』2019年1月号、11月28日発売!

calendar

-event -promotion -exhibition

Page Top