パリの老舗百貨店ボン・マルシェが、塩田千春さんの巨大インスタレーションを展示 From Paris

ベルリン在住のアーティスト、塩田千春さんの作品が、パリの老舗高級百貨店「ボン・マルシェ」内で1月14日から2月18日まで展示された。これは、2015年開催のヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展において日本館で展示された彼女の作品「掌の鍵」が、ボン・マルシェの関係者の目にとまって実現した企画。
エスカレーターを挟んだ1階から3階までの吹抜け2か所と、1階奥の展示スペース、そしてウィンドーのすべてが彼女の作品で埋め尽くされ、壮観の一言だった。特に吹抜けに飾られた巨大なインスタレーション2点は、1階から眺めても、3階から眺めても、その迫力に圧倒される。そして白い糸でランダムに編まれたディテールを見るにつけ、その繊細さに驚き、感動を覚えてしまう。これらの作品は「Where are we going?」と名づけられ、150隻の船をかたどったオブジェが、未来へと向かう人間の姿を象徴しているよう。
これまで塩田さんの作品は、赤や黒などの色糸が使用されてダークな側面が感じられたが、今回は白い糸のみで構成しているため、オプティミスティックな雰囲気にあふれていた。
この展覧会以降はオペラのステージデザインや個展などが決定しており、塩田さんのクリエイションへの注目度の高まりを感じる。世界的に活躍する彼女の動向から目を離せそうにない。

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地図を使用したウィンドー用のインスタレーション。


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上左 幾重にもめぐらされた糸はまるで血管のよう。上右 店内奥のスペースに設置されたアーチ形のインスタレーション。下左 天に向かって上昇するかのように船を配置した、吹抜け部分のインスタレーション。下右 オープニング当日に姿を見せた塩田千春さん。


『装苑』2017年4月号掲載
text&photpgraphs : Tomoaki Shimizu
清水友顕●パリ在住。ステューディオ・ベルソー卒業後、
いくつかのブランドでの研修を経て、主にファッションを扱うジャーナリストに。
ライフワークは週末の蚤の市・古物市めぐり。レコードと古いぬいぐるみ集めが趣味。

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『装苑』2017年11月号、9月28日発売

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