ニューヨークを舞台に活躍、新進ガラスアーティストの小粥美穂 From New York

イースト・リバーを挟んだマンハッタンの対岸の街、ロング・アイランド・シティ。近隣にはMoMA PS1、イサム・ノグチ庭園美術館などの芸術施設があり、ニューヨークの中でも新進アートの発信地として注目されている。
今回紹介する小粥美穂さんは、このエリアにあるアーティストビルディングのスタジオを拠点に創作活動を行なっているガラスアーティスト。最新作の「Collective Momentum」はテネシー州のナッシュビル国際空港のパブリックアートの公募に入賞し、同空港のコンコースに展示されている。
創作過程ではガラスの透明感と色、光、展示空間の呼応を意識しているという小粥さん。エナメルでモチーフが描かれた150枚のガラス板と、天窓から降り注ぐ光の反射の中に、彼女のそんなメッセージが見え隠れする。
ガラスとの出会いは、オハイオ州立大学の選択授業で吹きガラスを経験したのがきっかけ。以来、言語を超えて自己表現できるガラス制作に夢中になっていく。卒業後、ロードアイランド・スクール・オブ・デザインの大学院に進みガラスを専攻。コンセプチュアルアートとしてのガラス制作を本格的に学んだ。
「クリーブランドで個展を開いた時、卒業制作の作品『Hana-bi』を見た鑑賞者の一人が涙を流して感動してくれたこと。それが今でも創作活動の原点になっています」と小粥さん。今後もたくさんのバックグラウンドの異なる人たちの目に触れるパブリックアートの場で作品を発表したいと抱負を語る。彼女の「ガラスの言葉」がこれからさらに拡散し、たくさんの人の心に響いていくのが楽しみだ。


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New Museumが開催したアートフェスティバルに出展した「Extension of the Self」(2011年)は、約400個のガラスを使用。ガラスに直接触って反射の変化を体験できる作品。ガラス、ハーフミラー、鉄、木。 撮影:Seong Kwon


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左 ナッシュビル国際空港のコンコースAに展示されている作品「Collective Momentum」(2017年)。ガラス、エナメル、鉄、ワイヤー。 撮影:Bruce Cain
右 鑑賞者が直接作品に触ってインタラクティブなアートを体験できる「One Becoming Two Becoming One」(2010年)。ガラス、ハーフミラー、鉄。撮影:Seong Kwon


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左 クリーブランド(オハイオ州)の個展に出展された作品の最初のシリーズの「Hana-bi」(2003年)。吹きガラス、鉄、布、ワイヤー。撮影:Richard Harned
右 ロングアイランドシティのアトリエで作品制作に取り組む小粥美穂さん。


www.mihoogai.com

『装苑』2017年7月号掲載

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『装苑』2017年10月号、8月28日発売

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