ジョシュア・ヴォーゲルのアートなウッドワーク From New York

ニューヨークに住んでいて近年感じること──それはファッションや食、ライフスタイルなどの人々の趣向にちょっとした変化が起きていることだ。かつてのきらびやかな大量消費の文化から、作り手のぬくもりを感じるクラフツマンシップへのリスペクト、また、環境への配慮を欠かさないローカルメイドの選択や質の重視など、より地に足のついたスタイルへと回帰しているのを実感する。今回紹介するウッドワークアーティスト、ジョシュア・ヴォーゲル(Joshua Vogel)もそんな時代の牽引者の一人だろう。1990年代半ば、ニューヨークのソーホーでアメリカンメイドの家具デザイン製作会社「BDDW」を共同で立ち上げ、一躍ビジネスを成功させた。だが、その後、彼が選んだのは、マンハッタンから車で2時間ほど、ニューヨーク郊外のハドソンバレーでのカントリーライフだ。そして現在は、近隣の森林で廃棄された木材を利用したハンドクラフトのスプーン、カッティングボード、ボールなどのキッチン用品や家具、また木の彫刻のアートワークにいそしむ日々。シンプルで機能的、一つ一つ手で丁寧に削られ、仕上げられた美しい作品は、大きさに関係なく、まさに一点物のオブジェのような趣だ。台所にふと置かれたスプーンやボール。毎日使うものだからこそ、丁寧に手入れをしながらこだわりを持ちたいという人が少しずつ増えてきたような今のニューヨーク。ジョシュアさんの木のスプーン、まずは一つゲットしてじっくりと使い込んでみたい。

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製品はブラッククリークのオンラインショップで購入可能。
www.blackcreekmt.com


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スプーンの展覧会「Made for You: New Directions in Contemporary Design」が、
2月6日~7月10日、ニューヨーク州立大学のサミュエル・ドースキー美術館にて開催。
「Samuel Dorsky Museum」
1 Hawk Drive,New Paltz, NY 12561
TEL845 257 3844


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2015年秋に出版された『The Artful Wooden Spoon』(Chronicle Books刊 23.95USドル)。
彼のハンドクラフトの木製のスプーンの魅力が満載。製作時の道具はすべて日本製だそう。


『装苑』2016年3月号掲載

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