デパート「ラ・リナシェンテ」の100年を、展覧会で振り返る From Milan

イタリアを代表するデパート「ラ・リナシェンテ」。本店はミラノのドゥオモ広場にあり、ミラネーゼにも旅行者にも愛されるランドマーク的存在だ。ミラノ王宮では、今年開店100周年を迎えた同店がテーマの展覧会「LR100-リナシェンテ―革新の歴史」が開催中。
店の前身は、1865年に誕生した服地の販売と仕立ての店「マガジーニ・ボッコーニ」。それを1917年にミラノ出身のボルレッティ上院議員が買収し、翌年、デパート「ラ・リナシェンテ」として新たにスタートさせた。命名はイタリアの大詩人、ガブリエーレ・ダヌンツィオ。開店当時から、ヨーロッパ中の新製品を見せる場として機能し、当時はまだ珍しかった"定価をつけた商品が棚に並ぶ"という、フランスで始まった新システムを取り入れて、イタリアの消費経済に革新をもたらした。
今回の展示では、同店が関わったグラフィック、デザインピース、写真、アートなどを展示し、衣服、デザイン、広告・コミュニケーション、大規模販売網の歴史について考察している。開店当時、一世を風靡していた画家・グラフィックデザイナーのマルチェッロ・ドゥドヴィチが手がけたポスター、1950年代のウィンドーディスプレイ、'60~'70年代のファッション撮影やショーの風景など、今見てもおしゃれなグラフィックや写真が並び、この店がミラノのファッションやデザインを牽引してきたことがわかる。なんとあのジョルジオ・アルマーニも、この店でウィンドーディスプレイやバイヤーの仕事を手がけ、ファッション業界でのキャリアをスタートしたそうだ。
押しも押されもせぬファッションとデザインの街に成長したミラノ。そのミラノの街とともに時を刻んできた店の歴史を振り返り、街が長年にわたり育んできたファッションやデザインの足跡をたどるというアプローチがおもしろい。もし、かなうならばタイムスリップして当時の売り場をのぞいてみたいものだ。


milan170727.jpg

1950年新装開店時の広告ポスター。


milan2170727.jpg

王宮内の展示風景。


milan3170727.jpg

左 デザイン賞「コンパッソドーロ」は、もともとリナシェンテが創設。
初回1954年の受賞作、ブルーノ・ムナーリがデザインしたおもちゃ「ジジ」。
右 ドゥドヴィッチによるポスター。1930年頃。


milan4170727.jpg

1950年代のディスプレイ。


「LR100 - La Rinascente. Stories of Innovation」
期間:開催中〜2017年9月24日(日)
場所:Palazzo Reale
   Piazza del Duomo, 12 Milano
WEB:www.rinascente.it

『装苑』2017年8月号掲載
text : Megumi Takahashi
高橋 恵●ミラノ在住ジャーナリスト。
日本とイタリアの新聞・雑誌にファッションとライフスタイルに関する記事を寄稿。
イタリア国立ジャーナリスト協会会員。繊研新聞ミラノ通信員。

MAGAZINE

『装苑』2017年11月号、9月28日発売

calendar

-event -promotion -exhibition

Page Top