フルラ芸術賞15年の軌跡「グロウィング・ルーツ」展 From Milan

2000年にイタリアのバッグブランド"フルラ"によって設けられた、若手イタリア人のコンテンポラリーアーティストを対象とした「フルラ芸術賞」。その創設15周年を記念する展覧会「グロウィング・ルーツ(Growing Roots)」がミラノの王宮で4月12日まで開催中だ。会場には15年の間に受賞したアーティスト10ユニットの24作品が展示されている。
第1回受賞者シスリィ・クサファの「宇宙船(Rocket Ship)」は、さびた手押し車にこぼれ落ちそうに光る赤いライトを配した作品。それは楽しい子供の頃の記憶に関連しながらも「孤独で朽ち果て、宇宙旅行の後の寂寥を残すのみ。手押し車を動かすこと、それはすなわち電源を必要とするこの"宇宙船"を壊してしまうことにほかならない」という。同アーティストの「移転と世界経済の複雑さ」という創作テーマに沿った作品だ。
'13年の第9回受賞者、キアラ・フマイのビデオパフォーマンス「キアラ・フマイ、ヴァレリー・ソラナスを読む」は、アーティスト自身が、アンディ・ウォーホル暗殺を試みた米国の急進的フェミニスト、ヴァレリー・ソラナスによって書かれた「男性根絶宣言」の抜粋を読み上げる。かなり美人なキアラがナイフを振りかざして読み上げるその姿はかなり怖い。
そのほかにもコンセプチュアルな彫刻やビデオインスタレーションなど現代的な作品が、王宮のネオクラシック様式のスペースに不思議とマッチ。こんな贅沢な展示ができるのはイタリアならではといえる。

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上左)シスリィ・クサファ 「Rocket Ship」(2011年) photo : Rémi Lavalle 上右)マリア・イオリオ&ラファエル・クオモ 「From thousands of possibilities」(2013年) 中央)マテオ・ルッビ 「Carte du Ciel」(2014年) 下)キアラ・フマイ「Chiara Fumai legge Valerie Solanas」(2012‐'13年)



www.growingrootsmilano.it

『装苑』2015年5月号掲載
text : Megumi Takahashi
高橋 恵●ミラノ在住ジャーナリスト。
日本とイタリアの新聞・雑誌にファッションとライフスタイルに関する記事を寄稿。
イタリア国立ジャーナリスト協会会員。繊研新聞ミラノ通信員。


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