【From パリ支局】フランスで初のエル・グレコ大回顧展開催!

--文化出版局パリ支局より、イベントや展覧会、ショップなど、パリで日々見つけたものを発信。

16世紀の終わりから17世紀はじめにかけて、スペインで活躍した画家エル・グレコ (EL Greco - 1541年~1614年)。本名はドメニコ・テオトコプロス(Δομήνικος Θεοτοκόπουλος)で、クレタ島生まれのギリシャ人。実は"グレコ"はあだ名なのです。

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「ろうそくに火を灯す少年 」1569-1570年頃、イタリアで描かれたと推測されている作品

スペイン人にとってはギリシャの名前が難しかったのか?
「ほらほら、あのギリシャ人」、「名前は何だっけ?あの画家のギリシャ人」と、彼をグレコ(ギリシャ人の意)と呼んでいたのです。
しかし彼の自己主張は絵の中に。サインは常にギリシャ語で本名を入れていました。

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絵の中のサイン

スペインへ向かう前にイタリアで学んだ絵の様式はマニエリスム(maniérisme)。
特徴は見たままを描かず、ねじれて、引き伸ばされたような人体と、蛍光色のような現実離れした色彩です。

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「キリストの磔刑と2人の寄進者」1595年


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「聖マルティヌスと乞食」1597-1599年頃

宮廷画家になることを望んだのですが、一度見たら忘れられない強烈な画風が独特過ぎるために、時のスペインの絶対権力者フェリッペ二世の好みには合わず、それは叶いませんでした。
ですが、スペインが「太陽が沈まない国」(世界中に領土を持ち、地球が自転すると太陽は常に領土のどこかを照らしていた)と言われ、急激に力を増していた時代、独特だった故に宗教関係者やインテリ層からは支持を集めました。

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展示の様子


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「聖母被昇天」1577-1579年頃

ルネッサンス最後でバロック最初の巨匠と評価をされましたが没後に現実感のある自然主義的な絵が好まれはじめ、グレコは忘れられていきました。
その名が再び日の目をみたのは350年後の20世紀初め、印象派の画家やピカソらによる再評価からでした。

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「第5の封印」1610-1614年頃

 

ピカソは「僕は何と言ってもグレコだ、彼こそが本物の画家さ」と言って、最大の賛辞を贈ると同時にグレコの絵から影響を受けたといいます。

スペイン絵画黄金期の巨匠と称された画家の生涯を作品で巡る「エル・グレコ」大回顧展です。

GRECO「グレコ 」展
2020年2月10日まで
場所:グラン・パレ
(Grand Palais Galeries Nationales, Entrée galerie sud est)
住所:3, avenue du Général Eisenhower 75008 Paris
開館時間:10:00〜20:00(水、金、土は22:00まで)
休館日:火曜
入館料:13 ユーロ
TEL:+33 (0)1 44 13 17 17
オフィシャルサイト:https://www.grandpalais.fr/fr/evenement/greco

Text&Photographs : 濱 千恵子(Chieko HAMA - B.P.B. Paris)


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