【From パリ支局】フランス人を魅了する日本の美しいもの

--文化出版局パリ支局より、イベントや展覧会、ショップなど、パリで日々見つけたものを発信。

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ジャポニスムの展覧会が開催されているMAD(装飾芸術美術館)の入り口。


日仏交流160周年にあたる今年、パリでは日本文化を紹介する数々のイベントが開催されている。

フランスを代表するモード美術館、MAD(装飾芸術美術館)でスタートした「ジャポニスムの150年(JAPON-JAPONISMES. OBJETS INSPIRÉS, 1867-2018)」展もその一つ。

展示されるのは、伝統工芸、グラフィック、インダストリーデザインと、ジャンルを超えた様々な作品で、19世紀後半から現在までに焦点を当て、「発見者」「自然」「時間」「動き」「革新」の5つのテーマに沿って展開される。

ファッションの分野では、シャルル・フレデリック・ウォルト、キャロ姉妹、ポール・ポワレといった偉大なクチュリエが手がけたジャポニスムの作品に加え、日本の「ISSEY MIYAKE(イッセイ ミヤケ)」「COMME des GARÇONS(コム デ ギャルソン)」「Yohji Yamamoto(ヨウジヤマモト)」「YUIMA NAKAZATO(ユイマナカザト)」などのコレクションピースの展示も。

日本の伝統美を堪能させると同時に、互いに影響し合ってきた両国の装飾芸術の歴史を深く知ることができる展覧会である。

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展示されるのは約1400点の作品。MADが誇る美術館所蔵のコレクションに加え、150点以上が日本から出品された。


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左:美しい装飾が施された刀のつば。17世紀から19世紀のもの。右:1883年から1900年までのパリにおける日本関連のエキジビションを紹介するコーナー。200年以上に及ぶ鎖国に終止符を打った日本は、1867年にパリで開催された万国博覧会に初参加。明治時代の幕開けと共に西洋との交流が盛んになり、日本の技術や美術が広く知られるようになった。


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日本にとって重要なインスピレーション源である「自然」をテーマにした展示。フランス人と日本人のクリエイションが並んで紹介される。
左:竹と藤から着想された工芸品のコーナー。プリントのアンサンブルは高田賢三の「KENZO JAP」1974年春夏の作品。右:アール・ヌーボー様式の工芸品が集められた睡蓮のコーナー。ジャポニスムの流れを汲んだ自然の有機的な曲線が特徴。テーブルはルイ・マジョレルの代表作、1902年頃。


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ジャポニスムはモードにも波及。自然のモチーフや着物のような直線的なカットにその影響を見ることができる。
上:ポール・ポワレのドレス1922年(右)とキャロ姉妹のコート1925年。下:ジョン・ガリアーノの夜のアンサンブル1998年春夏(右)とシャルル・フレデリック・ウォルトのジャケット1880年頃。


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山崎覚太郎の『猿蒔絵風爐前屏風』1932年(東京藝術大学所蔵)。


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左は19世紀の陣羽織。孔雀の羽根の精緻な装飾は目を見張るものがある。右は昭和の刺繍作家、岸本景春の『両面刺繍四季花鳥屏風』1934年(京都市美術館所蔵)。


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「時間」のセクション。四季折々の祝祭が日本人の日常生活にリズムを与えてきたことを解説し、季節ごとの展示や宗教、茶道のコーナーも設けられている。
上:江戸時代の女性の暮しを紹介するコーナー。下:NORITAKA TATEHANA(舘鼻則孝)のヒールレスシューズ。右のシューズは花魁の高下駄からイメージされた(2014年)。


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「動き」のセクションに展示される徳川将軍家のかご。黒漆塗りの外装には三つ葉葵の家紋、内側には美しい装飾画が施されている。


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「革新」のセクションでは、柳宗理、倉俣史朗、深澤直人などのプロダクトデザイナーの作品も紹介される。


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グラフィックデザイナーの田中一光の絵をモチーフにした「イッセイ ミヤケ」のコレクション「IKKO TANAKA ISSEY MIYAKE」の2016年春夏と2017年春夏の作品。


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「コム デ ギャルソン」「ジュンヤ ワタナベ・コム デ ギャルソン」「ヨウジヤマモト」のコレクションピースの展示。


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左:「コム デ ギャルソン」2012年春夏のアンサンブル。右:「コム デ ギャルソン」2017年秋冬のドレス(左)と「タオ コム デ ギャルソン」2007年春夏のアンサンブル。


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「ユイマナカザト」の展示。コレクションの制作ビデオも観ることができる。


JAPON-JAPONISMES. OBJETS INSPIRÉS, 1867-2018
「ジャポニスムの150年」

期間:開催中〜2019年3月3日(日)
場所:装飾芸術美術館(Musée des Arts Décoratifs)
   107 rue de Rivoli, 75001 Paris
時間:11:00~18:00(木曜〜21:00) 月曜休
入館料:11ユーロ
TEL:+33 (0)1 44 55 57 50
WEB:madparis.fr

Text&Photographs: B.P.B. Paris


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