【From パリ支局】フォンダシオン ルイ・ヴィトンの展覧会「世界との調和」開催中!

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フォンダシオン ルイ・ヴィトン(ルイ・ヴィトン財団)で「世界との調和」展がスタートした。

2006年に創設されたフォンダシオン ルイ・ヴィトンは、現代芸術の推進を使命に掲げ、建築界の巨匠フランク・ゲーリーが手がけた美術館を2014年に設立。これまで、瞑想的、表現派、ポップ、音楽&サウンドと、4つのカテゴリーに分けた展覧会などを開催してきた。

今回展示されるのは、財団のコレクションから新たに選ばれたモダンアートとコンテンポラリーアートの作品。絵画、彫刻、映像など、表現方法は様々だが、そのほとんどがここで公開されたことのないもの。

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フォンダシオン ルイ・ヴィトンを象徴するフランク・ゲーリーの建築。


館内は、人間、動物、植物、鉱物が共存する今日の世界から想起されたテーマを基に、二つのシークエンス(経路)に分けられている。一つ目は日本を代表する現代アーティストの村上隆に焦点を当てたもの、二つ目は「息づく世界の人間」と題されたものである。

村上隆は日本のサブカルチャーとリンクするポップな作風で知られるが、多くの作品には原爆や社会問題などを背景に混沌とした世界が反映されている。昨年は3.11の津波のトラウマが表れた彫刻も制作。日本や中国の伝統的な文化や宗教、神話などもインスピレーション源となり、今回展示されるフレスコの大作には、琳派(りんぱ)や若冲(じゃくちゅう)といった日本画のスタイルが見られる。

「息づく世界の人間(Man in the Living Universe)」は、3つの補足的なテーマ「光輝(Irradiances)」「ここ、そして永遠に...(Here, infinitely)」「転覆した男(Man Who Capsizes)」で構成。国籍も作風も異なる幅広い世代のアーティスト28人を集めた展示となっている。

変化する世界や生態系の中で、人と環境の新たな関係を考えさせる展覧会である。


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村上隆が考案した最初のキャラクター「DOB君」に捧げられたギャラリー。


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「DOB君」がモンスター化したようなゲロを吐くキャラクター「ゲロタン」。両者は村上自身の分身とされている。


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村上作品の代表的なキャラクター「Jellyfish Eyes」の屏風と、四天王の多聞天と増長天からインスパイアされたフィギュア「タモン君」と「ゾウチョウ君」。


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「Kawaii」をフューチャーした部屋は、カラフルな花の壁紙で覆われ、人気キャラクターの「カイカイ」と「キキ」のフィギュアが鎮座。ポップな村上ワールドに浸れる。


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迫力あるフレスコ画を展示するギャラリー。絵のタイトルは「The Octopus Eats Its Own Leg(自分の足を食べるタコ)」(2017年)。18世紀の伝統的な日本画のスタイルを取り入れつつ、道教「八仙」の現代版を見事に作り上げている。


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3.11の津波のトラウマから生まれた彫刻(左)。「Chakras open and I Drown Under the Waterfall of Life(チャクラが開いて私は人生の滝の下で溺れる)」(2017年)と題されている。


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「転覆した男」のギャラリー。同タイトルのアルベルト・ジャコメッティ(Alberto Giacometti)のブロンズ彫刻から始まり、イヴ・クライン(Yves Klein)、アンリ・マティス(Henri Matisse)、イアン・チェン(Ian Cheng)、バニー・ロジャース(Bunny Rogers)などの作品が展示される。


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アンリ・マティスが晩年に制作した切り絵。グワッシュ絵の具を塗った紙を、思うままにダイレクトにハサミでカットする手法をとっていた。フラットな色が重なるシンプルなモチーフだが、躍動感やトロピカルな印象を与えている。


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インターネット世代のアーティスト、バニー・ロジャースのポートレート作品。題材は映画「羊たちの沈黙」の主人公クラリス。ロジャースは記憶やストーリーテーラリングから多くのインスピレーションを得ている。


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「ここ、そして永遠に...」のギャラリー。このテーマでは3人のアーティストが紹介され、芸術史のアイコニックな作品を再編成することによって、歴史の中での人間の支配と潜在的な崩壊を表している。写真は、ミケランジェロのダビデ像にインスパイアされたアドリアン・ヴィジャール・ロハス(Adrián Villar Rojas)の彫刻。


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「光輝」のギャラリー。タイトルはダン・フレイヴィン(Dan Flavin)の蛍光灯(右)の光を指している。この他、マシュー・バーニー(Matthew Barney)、ピエール・ユイグ(Pierre Huyghe)、フランソワ・モルレ(François Morellet)などの作品を収集。光、水、石、風、生物など、生態系に組み込まれる地球上の様々なエレメントを使ったアートワークが配置される。


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手前の流木のようなオブジェはマシュー・バーニーの作品。オーガニックな形だが、ブロンズで作られている。奥はイヴ・クラインの彫刻と絵画。


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5億4千年前のカンブリア爆発を題材にしたピエール・ユイグの作品。水槽の中には大きな火山岩が浮き、生きる化石と呼ばれるカブトガニが泳いでいる。自然環境はユイグの芸術世界の中心であり、彼の作品は生命の無期限をとらえると同時に、自律的に進化する生態系が表現されている。


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36本のネオン管で構成されるフランソワ・モルレの作品。幾何学的な構図の中に、秩序とカオスが混在する。


「世界との調和」
In tune with the World
フォンダシオン ルイ•ヴィトンの新たな作品集

期間:2018年4月11日(水)〜8月27日(月)
場所:フォンダシオン ルイ・ヴィトン(FONDATION LOUIS VUITTON)
   8 avenue du Mahatma Gandhi, Bois de Boulogne, 75116 Paris
時間:12:00〜19:00(金曜〜21:00、毎月第1金曜〜23:00) 火曜休
料金:14ユーロ
TEL:+33 (0)1 40 69 96 00


Text&Photographs: B.P.B. Paris

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