【From パリ支局】二次元の彫刻から生まれる会話、森田恭通の写真の世界

―文化出版局パリ支局より、イベントや展覧会、ショップなど、パリで日々見つけたものを発信。

インテリアデザイナーでありアーティストの森田恭通氏の写真展「Yasumichi Morita Photo Art Works 2017」が、パレ・ロワイヤルの回廊にあるギャラリー・コラッツァ1787で開催されている。展示されるのは、女性の体のラインをクローズアップで切り撮った写真シリーズ「Porcelain Nude」の最新作。そのタイトルが表すようにヌードを写したものだが、深い陰影のなかに陶器のようなつややかな肌が浮かびあがるモノクロームの写真は、一見、被写体となっているものが何かわからず、無機質な印象さえ与える。

「自分が手がけた内装空間に、ぱっと見て何であるかがはっきりわからない写真が欲しい時があるんですよね。それで写真家の方にお願いしたのですがイメージに合わなくて、それなら自分でと始めたのが本格的に撮影をするきっかけになりました。」と森田氏。空間に置くことを前提に写真を撮っているという彼の作品は、こうした独自の視点から生まれた。

「抽象的かつエレガントなものでなければいけないんです。暴力的だったり、アバンギャルドだったり、セクシーを追い求めたりすると違うものになってしまいます。僕の作品は"空間に置けるフラットな彫刻"のようなもの。何かわからないと、見る人は何だろうと考えますよね。アートのよさはそこにあって、見る人の判断に委ねていいと思っています。そこに自然にコミュニケーションが生まれているんですよね。何だろうと考えてから答えに辿り着くまで、僕とは会話していませんが、写真と会話してくれている。それが面白いですね」

曲線が重なり合うモノクロームの写真。そこから発せられるイマジネーションの世界に何度も浸りたくなる。

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©Yasumichi Morita


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オープニング・レセプションの様子。


森田恭通(もりた・やすみち)
デザイナー/アーティスト
1967年大阪生まれ。GLAMOROUS co.,ltd.代表。学生時代から現場での経験を積みながら、インテリアデザインの基礎を学ぶ。2000年にGLAMOROUS co.,ltdを設立。日本、香港、ニューヨーク、ロンドン、カタールなど、世界各地のプロジェクトに携わり、インテリアに限らず、幅広い創作活動を行う。アーティストとしても積極的に活動し、パリでは2015年に初の写真展Yasumichi Morita Photo Art Works「Porcelain Nude」を開催し、好評を博した。

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これまでのシリーズは、写真の中に女性1人の体が収められていたが、今回の作品では2つの体を組み合わせるという新たな試みが行われた。「人間の体にはきれいなアール(曲線)がたくさんあるので、そのアールをもっと増やしたらどうなるのか、という発想です。2人でしかできないアールがあることで、印象がもっと多様になり、困惑するんですよね。白から黒への階調にもより深みが出ましたので、やってよかったと思いました。」と森田氏。


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今回の写真展に合わせ、作品集「Porcelain Nude」がスーパーラボ(SUPER LABO)より出版され、パリで先行販売されている。日本では11月末に発売予定。


Yasumichi Morita Photo Art Works「Porcelain Nude」
期間:開催中〜2017年11月12日(日)
場所:Galerie Corrazza 1787(ギャラリー・コラッツァ1787)
   11-21 Galerie de Montpensier 75001 Paris
時間:12:00〜19:00(最終日のみ〜17:00)
WEB:yasumichimorita.com

text : B.P.B. Paris


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『装苑』2017年12月号、10月28日発売

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