装苑1月号連動:「今と未来につながる、ニューウェーヴとロマンティックの'80s」ミニ用語辞典

発売中の装苑2019年1月号「GIRLS VINTAGE LIFE」では、1980年代のカルチャーを「ニューウェーヴ」と「ロマンティック」というキーワードから伝える「今と未来につながるニューウェーヴとロマンティックの'80s」を掲載中(P56~61)。そのテキストに登場するカルチャーのキーワード、人名の基本的な内容がわかる用語辞典をここでご紹介!

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『装苑』2019年1月号「今と未来につながるニューウェーヴとロマンティックの'80s」より。
ACROSS編集長の高野公三子さん、テイ・トウワさん、VIDEOTAPEMUSICさん、ステレオテニスさん、大井夏代さん、ゆかしなもんさんが各分野の'80年代を象徴するカルチャーを解説する。tofubeatsさん、ケンモチヒデフミさんによる'80年代プレイリストも掲載。


【竹の子族】 p.56
1979~'81年に、東京・原宿の歩行者天国(ホコテン)に出現した、奇抜で派手なファッションの一群。原色を用いたハッピ風のガウンとハーレムパンツという出で立ちにたくさんの小物をつけ、足元はカンフーシューズや学校の上履き。こうした装いでホコテンに輪を作り、ラジカセをその中心に置いてディスコ音楽で踊っていた。マスコミに取り上げられ全国的にその存在が広がり、ここから人気タレントも生まれた。


【ハードロック】【グラムロック】 p.56
ハードロックは、'60年代後半に発生した音楽スタイル。大音量、絶叫するようなボーカル、歪んだギターサウンドなどを特徴とする。代表的なのは、クリーム、ジミ・ヘンドリックス、ザ・フーなど。
グラムロックのグラムとは、「グラマラス」(魅惑的)の略。1970~'71年にイギリスで発生した官能的なロックのことで、派手なメークや中性的なファッションなど、ビジュアル面でもアプローチした。代表的な存在は、T・レックスやデヴィッド・ボウイ、ロキシー・ミュージック。ファッションデザイナーのアントニー・プライス(Antony Price)がボウイやロキシー・ミュージックの衣装を手がけ、そのビジュアル面の構築に尽力した。


【大中】 p.56
ダイエーグループが1972年、大阪に「大中 京橋店」をオープンし、以降、全国に展開されたアジアン・中国雑貨専門店。パンダのキャラクターがアイコンで、手が届きやすくキュートなラインナップで人気を博した。2018年、最後の実店舗となる原宿店が閉店し、現在はオンラインショップにその屋号が残っている。


【文化屋雑貨店】 p.56
1974年、東京・渋谷のファイヤー通りに一号店がオープン。その後、原宿へと移転。オーナーは長谷川義太郎で、まだ世に雑貨という名前も概念も浸透していなかった頃に、質実剛健な業務用製品やキッチュなアジアン雑貨を紹介し、手作業のオリジナル商品も展開。その類まれなショップの編集センスと審美眼に多くのクリエーターやファッション好きが通ったが、2015年、惜しまれつつ日本の実店舗は閉店。しかし、「文化屋雑貨店」の名前でイベントに参加するなど現在もその精神は息づいており、香港の店舗は健在。著書に『キッチュなモノからすてがたきモノまで 文化屋雑貨店』(文化出版局)。


【Olive(オリーブ)】 p.56
1982~2003年に、マガジンハウスから刊行されていた女性ファッション誌。フランスの女学生、リセエンヌをイメージしたファッションやライフスタイルを打ち出し、その質の高いビジュアルと詩的な文章が少女の心をつかんだ。「オリーブ少女」という言葉が生まれるほど一世を風靡し、今なお雑誌から受けた影響を語るクリエーターは多い。


【ピンクハウス(PINKHOUSE)】 p.56
金子 功(かねこ・いさお、1939年生まれ、山口県出身)が、1972年に小さなブティックからスタートしたブランド。1981年春夏コレクションで単独ショーを開催し、熱狂的な人気を博す。ヨーロッパのアンティークドレスをルーツとし、精緻なピンタックやフリル、手捺染の愛らしいプリント柄などが特徴。木綿の服を重ねたレイヤードスタイルや、ピンクハウスをまとう女性のふわふわのパーマヘアも象徴的だ。

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『装苑』1988年1月号「金子功のファッション絵本 一月『お正月を着る』振り袖気分のワンピース」より


【アツキオオニシ(ATSUKI ONISHI)】 p.56
大西厚樹(おおにし・あつき、1950年生まれ、兵庫県出身)が、1985年春夏の東京コレクションから、ビギ傘下で発表をスタートしたブランド。ニットデザイナー出身だったこともあり、あたたかみのあるニットやレース、手芸のテクニックを得意とした。装飾的で、夢と気品の漂う服作りが特徴。花柄やチェックプリント、「不思議の国のアリス」柄などメルヘンなテキスタイルも人気を博した。

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『装苑』1985年9月号より。左ページのニットはアツキオオニシ。


【ボディコン】 p.56
1986~'89年、日本のバブル経済とともにディスコで隆盛を極めたスタイル。その源流は、'80年代前半にアズディン・アライアがパリ・コレで切り拓いた、身体に意識を向ける革命的なスタイルにあるが、日本におけるボディコンはアライアのそれとは異なる精神性を持ち、強気な遊び着としての側面が強い。ウエストを絞り込んだひざ上丈のタイトスカート、バストとヒップを強調したワンピースもしくはスーツ姿で、暖色系の原色一色使いに、足元はハイヒールが象徴的なスタイル。


【テクノポップ】 p.57
シンセサイザー、リズムマシンなど電子楽器の音色を意図的に多用し、同じフレーズを反復する、独特の質感を持ったポップスのこと。YMOがその先駆的存在。


【インベーダーゲーム】 p.57
'70年代後半に登場したコンピューターゲームで、画面上で攻撃してくるインベーダーをかわしながら撃ち落とす。発表当時に大ブームを巻き起こした。


【ネオアコースティック】 p.57
'80年代前半に生まれた音楽スタイル。電子楽器中心のエレクトロ・サウンドに対して、生楽器中心で演奏され、電子楽器との融合も見られる。


【桑原茂一(くわはら・もいち)】 p.57
1973年、「ローリング・ストーン」誌の日本創刊メンバー。小林克也、伊武雅刀との「スネークマンショー」をプロデュースし、この3名でYMOのアルバム「増殖」に参加したことなどからブームを巻き起こす。1977年より'90年代まで、コム デ ギャルソンのパリ・コレクションを中心としたコレクションの音楽を手がけ、1982~'84年には東京・原宿に日本で初めてのクラブ「ピテカントロプス・エレクトス」をオープン・運営、1989年にはフリーペーパー「dictionary」を刊行するなど、文化的に多方面で活躍する。


【MELON(メロン)】 p.57
中西俊夫、佐藤チカを中心に1981年に結成され、のちに屋敷豪太、プリンス工藤が参加したバンド。ヤン富田が加わり、WATER MELON GROUPとしても活動した。ピテカントロプス・エレクトスやスネークマンショーから火が付き、ヨーロッパでもライブ活動を行なっていた。


【クラウス・ノミ(Klaus Nomi)】 p.57
1944~'83年。ドイツ出身のミュージシャン。顔を真っ白に塗った厚化粧、逆三角形のフォルムの奇抜な服装などインパクト充分のビジュアルで、ニューヨークのアンダーグラウンド・シーンで頭角を現す。1981年にフランスのRCAと契約し、ファースト・アルバム『オペラ・ロック(Klaus Nomi)』を発表。翌年にリリースしたセカンド・アルバム『シンプル・マン』が最後のアルバムになった。日本においては、イシバシ楽器などの広告に出演したり、「スネークマンショー」に楽曲が使用されたりしていた。


【キース・へリング(Keith Haring)】 p.57
1958~'90年。1980年代のアメリカ美術を代表するアーティスト。ニューヨークの地下鉄構内の使われていない広告板にチョークで記号的な絵を描く「サブウェイドローイング」を行ない、そのファニーで誰もが楽しめる作風が評判を呼ぶ。1980年代に次々に展覧会が開催され、一流アーティストの仲間入りをする。


【三上晴子(みかみ・せいこ)】 p.58
1961~2015年。1984年より活動を開始し、1985年に開催した初個展「滅ビノ新造型」で一躍脚光を浴びる。以降、情報社会と身体をテーマにした大規模なインスタレーション作品を展開する。1992年から2000年まで、ニューヨークを拠点に日本および欧米で作品を発表し、1995年より「知覚によるインターフェイス」をテーマとしたインタラクティヴ作品を手がけるようになる。2010年の作品「欲望のコード」で、第16回文化庁メディア芸術祭のアート部門優秀賞を受賞。


【メディアアーティスト】 p.58
映画、漫画、アニメーション及びコンピューターその他の電子機器等を利用した芸術。


【ジョン・ヒューズ(John Hughes)】 p.58
1950~2009年。アメリカの映画監督、脚本家、プロデューサー。1980年代に数々の青春映画を手がけた。本誌で紹介している1984年の『すてきな片想い』が監督デビュー作。


【鈴木英人(すずき・えいじん)】 p.58
1948年生まれ、福岡県出身。'70年代前半より広告のデザインを手がけ、デザイナー、アートディレクターを経て、1980年にイラストレーターとしてデビューする。1985年の展覧会より版画制作に精力的に取り組み、現代アート作家としても地位を確立。


【大島弓子(おおしま・ゆみこ)】 p.59
栃木県出身。短大在学中に「ポーラの涙」でデビュー。「綿の国星」「ミモザ館でつかまえて」「いちご物語」「パスカルの群」など、数多くの少女漫画の傑作を描いている。


【ポーの一族】 p.59
萩尾望都(はぎお・もと)作の少女漫画。1972~'76年に「別冊少女コミック」で連載された。美しい少年の姿のまま永遠の時を生きる吸血鬼、エドガー・ポーツネルを主人公とし、18世紀から1976年までを描いた物語。後世の漫画家、作家に多大なる影響を与えた。


【セーラームーン】 p.59
武内直子(たけうち・なおこ)作の少女漫画で、正式タイトルは『美少女戦士セーラームーン』。1992~'97年に「なかよし」で連載された。ひょんなことから正義の戦士となった、ドジで泣き虫だけど元気いっぱいの中学2年生、月野うさぎが主人公の魔法少女もの。少女達の友情、恋愛、戦いを描き、現在も世界中に作品のファンが存在する。


【花より男子】 p.59
神尾葉子(かみお・ようこ)作の少女漫画。1992~2004年に「マーガレット」で連載された。一般庶民でありながら、良家の子供が通う名門校「英徳学園高校」に入学した牧野つくしが主人公。財閥の御曹司、道明寺司と出会い、互いに想いを寄せていく。マンガ同様、ドラマもヒットし「花男(はなだん)」の略称で親しまれている。


【池野 恋(いけの・こい)】 p.59
1979年「HAPPY END ものがたり」でデビュー。1982年、「りぼん」で「ときめきトゥナイト」の連載を開始し(~1994年)、人気作家となる。「ときめきトゥナイト」シリーズのほか、「ナースエンジェル りりかSOS」「おしえて菜花」「うそつきなシーズン」などを描く。


【ノエビアの広告】 p.59
1987年より11年間続いたイラストレーションでの広告展開「コスメティック ルネッサンス」シリーズや、女性パイロットを主人公にした「働く女性は美しい」シリーズなど、'80年代、化粧品メーカーのノエビアはメッセージ性の強い女性美を礼賛するCMを制作していた。


【鶴田一郎(つるた・いちろう)】 p.59
1976年、多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業。1987年にノエビアの広告展開「コスメティック ルネッサンス」に起用される。2001年、フランス・パリで展覧会を開催。気品と妖しさ、モダンさを湛えた美人画が高く評価されており、近年では琳派や仏画をテーマにした作品も手がける。


【青山みるく(あおやま・みるく)】 p.59
サンリオが刊行する「いちご新聞」でイラストレーターとしてデビューし、同誌で連載していたイラストエッセイ「みるく・びすけっと・たいむ」で一躍人気に。柔らかなタッチと色彩のイラストで多くの少女に夢を与える。


【原田 治(はらだ・おさむ)】 p.60
1946~2016年。幼少期より、画家の川端 実(かわばた・みのる)に師事。1970年、雑誌「an・an」の創刊号でイラストレーターとして活動を開始する。1976年から手がけ始めたオリジナルのキャラクターグッズ「OSAMU GOODS」が多くの支持を得る。1997年には、イラストレーター、編集者、絵本作家、アーティストを養成する「パレットクラブ・スクール」を設立。著書に『ぼくの美術ノート』(亜紀書房)など。


【森本美由紀(もりもと・みゆき)】 p.60
1959~2013年。1979年にセツ・モードセミナーに入学。在学中にイラストレーターとしてデビューし、高いデッサン力に裏打ちされたハイセンスなイラストレーションで数々のモード誌を始めとする雑誌、広告やCDジャケットなどの仕事で活躍。


【仲世朝子(なかせ・あさこ)】 p.60
雑誌「Olive」にイラストエッセイ「のんちゃんジャーナル」を連載し、外国の絵本のようなおしゃれな絵と軽妙洒脱な語り口で人気に。その後、同誌で「仲世朝子のおしゃれ絵本」も執筆した。


【上田三根子(うえだ・みねこ)】 p.60
セツ・モードセミナー在学中よりイラストレーターとして活動を開始する。明るくポップな作風とおしゃれな洋服の描き込みで多くの支持を得、広告、雑誌、装丁、CDジャケットなどの仕事を行なう。LION「キレイキレイ」のキャラクターや、プレイステーション用ゲームソフト「ぼくのなつやすみ」キャラクターを手がけ、その作品は老若男女に愛されている。


【ウィークエンズ(WEEKENDS)】 p.60
'80年代、少女たちの間で大人気だったロマンティック系の雑貨店。原宿や渋谷に店舗を構え、たくさんのテディベアのコレクションや、オリジナルの雑貨、アクセサリーが有名だった。

MAGAZINE

『装苑』2019年7月号、5月28日発売!

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