《WEB連載第四弾!》今月の「能町みね子の雑誌の人格」で取り上げるのは、2018年4月に創刊したばかりの新雑誌『LOVEggg』です!

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『装苑』は2018年3月28日(水)発売の4・5月合併号より、奇数月28日発売の隔月刊となります。ですが、本誌の人気連載「能町みね子の雑誌の人格」は、今まで通り毎月読者の皆様に楽しんでもらえるよう、『装苑』が刊行しない月は「装苑ONLINE」でも連載をスタート!

「装苑ONLINE」連載第四弾は、伝説のGAL雑誌の魂を受け継いだ、現代のGALの新バイブル『LOVEggg』。能町さんが作り上げた2018年のGAL像とは!?


「雑誌の人格」とは?
イラストや文筆の活動に加えTVやラジオ等でも活躍中の、今注目の漫画家、能町みね子さんの連載企画。2010年1月号より連載を開始し、2013年に書籍の第1弾『雑誌の人格』、2017年12月22日に待望の第二弾『雑誌の人格 2冊目』が発売された『装苑』の人気連載です。
能町さんが独自の視点で選んだ、今面白い雑誌と、その雑誌を取り巻く読者や周辺カルチャーを、独断と偏見でプロファイリング。イラストと文章で紹介します。



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今月取り上げる雑誌
『LOVEggg』

¥630 ダナリーデラックス

『LOVEggg』は、「リア充したいGALのための"映え"マガジン!」をキャッチコピーに、伝説のギャル雑誌『ageha』と『egg』がコラボし、2018年4月に誕生。GAL文化を盛り上げたいという思いで、GALの頭文字からとったgをタイトルに込めた、次世代GALのためのニューバイブル。創刊号の表紙を飾ったYouTuberの岩本紗也加やDJとしても活躍するせりかまちょをはじめとするラブジーモデルと、GAL文化を愛するレギュラーモデルたちが、何よりも貪欲に「可愛い」を追求する一冊。毎月17日発売。


能町みね子=文 text & illustration : Mineko Nomachi

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 「Loveggg」(以下、ラブジー)は、「ageha」と「egg」のコラボによって生まれた雑誌です。公式コンセプトは「リア充したいGALのための"映え"マガジン!」。対象年齢は10代後半から20代中盤といったところ。「映え」を強調するだけあって、インスタをはじめとして積極的に「盛り」、ガンガン自己主張していくスタンスです。表紙はagehaと違って夜の街の電飾のようなきらびやかさではなく、色鮮やかでポップ。表紙も中身も、写真のうえに大量の文字がドサドサと乗っかっています。文章も「〜してみたよ!」とか「〜してね!」という感じで、いい意味で馴れ馴れしい。テンションが高くて底抜けに元気な印象です。

 専属モデルたちは、若さのわりにはそれぞれがけっこうなキャリアを積んでいるのが特徴です。メインモデルの岩本紗也加は黒肌やピンク頭にしていた時代もあり、そこからメイク動画などのYouTuberになり、同時に「Ranzuki」や前身雑誌の「ageha」の専属もやり、今は23歳にしてなんと「若いコのギャル離れ」を憂う立場。

 ほかのモデルも個性が強く、「フェロモンキャラ」の28歳がいたり、DJがいたり、子持ちの21歳がいたりと、年齢もキャラクターもかなり幅があり、果たしてギャルとはなんなのかよく分からなくなってきます。

 ファッションも同様で、アメカジ風やスポーティー風でカジュアル系かと思いきや、モデルによってはシックなものを主に着ていたり、ものすごく対象が広い。ふつうの雑誌なら明記してあるブランドや値段すら書かれていないこともあります。インスタを見るのと同じように、分かんないことは自分で調べるってことでいいんだね。

 創刊号には渋谷のタウンガイドがあるのですが、ファッションについてはほぼ109の中だけで話が終わっていて、あとはほぼ飲食店の紹介なのでびっくりしました。つまりラブジーさんにとって、ファッションの追究はさほど重要じゃなく、みんなでわいわい服買いにいって、おいしくて「映える」ものをみんなで撮って楽しむほうが大事なのです。渋谷はそれに適した、わざわざ来る価値のある街。

 若い世代の雑誌ではよくあることですが、ラブジーさんもファッションよりはメイクを重視してそうです。それも「なりきりメイク」として芸能人に寄せてみたり、時にはなんと男装してみたりと、かなり遊び心がある。「映え」を重視するだけあって、パリピ精神で仮装のように変身し、その姿を見せるのも趣味の一つなんでしょう。

 趣味については、誌上で紹介される音楽がLDH系や韓流、映画はメジャーなもの、というのは予想範囲内だけど、アニメやゲーム・ネットにも親和性が高いのは意外。ファッションもそうだけど、ギャルという人種はあまり先入観なく何でも受け入れる懐の広さが特徴なのかも。

 ラブジーさんは、どうやら自分を彩るものならなんでも受け入れるし、なんでも大好き。自分の過去も全肯定、故郷もお父さんもお母さんも大好き、男の子も大好き、芸能人も大好き。ネガティブなところの少ない前向きな子です。ただ、ちょっと地に足着いてないようにも見える。ラブジーさんは良くも悪くもあまり内省的ではなさそうだし、少し危うい感じもあります。勢いで生きるタイプだと思うので、多少は慎重に......。

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能町みね子
Mineko Nomachi


文章やイラストの仕事のほうが多い漫画家。雑誌やネット媒体で、コラムなどの連載多数。「chouchou」(テレビ朝日系)にレギュラー出演。新刊『うっかり鉄道』(幻冬舎文庫)が発売中。『「能町みね子のときめきサッカーうどんサポーター」、略して 能サポ』(講談社文庫)がサッカー本大賞2017の大賞を受賞。この連載を書籍化した『雑誌の人格』の第2弾、『雑誌の人格 2冊目』が発売中!
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※次回の「能町みね子の雑誌の人格」は、2018年7月27日(金)発売の『装苑』9月号にて掲載です!お楽しみに!




書籍も好評発売中!
『装苑』の連載をまとめた『雑誌の人格』シリーズも好評発売中!!書籍だけの特別付録や手の込んだ装丁も魅力です。ぜひお手に取ってご覧ください。

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『雑誌の人格 2冊目』
能町みね子著
¥1500+税 文化出版局刊

2013年6月号~2016年8月号までに『装苑』に掲載された39媒体に加え、2014年5月号の特別編、「渋谷パルコの人格VSラフォーレ原宿の人格」を収録。書籍化にあたり、新たに雑誌ごとのプロフィールやバロメーター、描き下ろし「もし雑誌の人格たちが同じ高校の同じ教室にいたら...」も収録!

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『雑誌の人格』
能町みね子著
¥1500+税 文化出版局刊

2010年1月号~2013年5月号までに掲載された40媒体に加え、特別編として、『装苑』の人格と「女性誌の勢力図」を収録。書籍化にあたり、新たに「プロフィール」や雑誌ごとの「人格マップ」も加筆、収録!

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『装苑』2018年7月号、5月28日発売!

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