≪WEB連載第八弾!≫今月の「能町みね子の 雑誌の人格」で取り上げるのは、仕事もプライベートも充実させたい、20代のオシゴト女子のバイブル『with』です!

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『装苑』は2018年3月28日(水)発売の4・5月合併号より、奇数月28日発売の隔月刊となります。ですが、本誌の人気連載「能町みね子の雑誌の人格」は、今まで通り毎月読者の皆様に楽しんでもらえるよう、『装苑』が刊行しない月は「装苑ONLINE」でも連載をスタート!

「装苑ONLINE」連載第八弾は、仕事もプライベートも充実させたい、20代のオシゴト女子のバイブル『with』です!能町さんが描き出したウィズさんってどんな人?


「雑誌の人格」とは?
イラストや文筆の活動に加えTVやラジオ等でも活躍中の、今注目の漫画家、能町みね子さんの連載企画。2010年1月号より連載を開始し、2013年に書籍の第1弾『雑誌の人格』、2017年12月22日に待望の第二弾『雑誌の人格 2冊目』が発売された『装苑』の人気連載です。
能町さんが独自の視点で選んだ、今面白い雑誌と、その雑誌を取り巻く読者や周辺カルチャーを、独断と偏見でプロファイリング。イラストと文章で紹介します。



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今月取り上げる雑誌
『with』

¥620 発行:講談社
WEB:withonline.jp

1981年8月に創刊した女性ファッション総合誌「with」。ファッションやビューティをメインに料理やマネー情報、恋愛や結婚についてなど、20代のオシゴト女子が興味を持つ幅広い情報を、実用的かつファッショナブルに表現するOLのバイブル。注目の女の子、広瀬アリスや池田エライザがレギュラーモデルを務め、乃木坂46のメンバーたちが彩る、華やかすぎずでも一癖あるOLスタイルも人気。3500名もの読者で構成された「with girls」の中から年に一度トップメンバーを選出し、リアルな20代女子の声をダイレクトに誌面に反映している。毎月28日発売。


能町みね子=文 text & illustration : Mineko Nomachi

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 「with」は講談社が発行する女性誌です。表紙にはかなりの文字数が躍っており、ある号では約400字にも及びます。

 その内訳はもちろん中身の記事タイトルが主ですが、目立つのは羅列されている芸能人の名前の多さです。ファンの購買意欲を上げるためとはいえ、キンプリのピンナップについては右上と左上に同じ文字列が2回書いてあるほどで、なかなか強烈です。

 中身にも芸能人のインタビューは目立ちます。若手女優やアイドルらが最新ファッションをまとって語っている内容は、ファッションよりも主にドラマや映画など、お仕事のこと。乃木坂46がOLだったら......という設定で、毎号コーディネートをさせる企画もあります。ウィズさん、単純に男女問わず芸能人が大好きそうです。しかし、なりたい顔は石原さとみ、つきあいたい男性芸能人は竹内涼真、理想の旦那様に至っては藤木直人と、かなりベタな路線です(アンケートによる)。新しもの好きというよりは、ど真ん中の王道好きという感じ。

 雑誌のメインとなるファッション記事については、とにかく懇切丁寧なアドバイスが特徴的です。甘めのアイテムをモテ狙いと思われないためには?とか、防寒しながら細見え服にするには?とか、チェック柄を学生っぽくならないように着こなすには?とか、ポイントがとても細かくて、文字がぎゅうぎゅうです。スキンケアについては案外初歩的なアドバイスも載っています。

 つまり、ウィズさんは社会人になりたてで、ファッションの方向性がまだ決まっていないのかも。「浮くのは絶対NG」という言葉も見え、会社で悪目立ちしたくない意識は強そう。当然お金もないので、ユニクロやGUだけで「高見えコーデ」という特集は必須だし、通販やフリマでの買いものも多いでしょう。学生気分から抜け出すために「甘め」から「大人」に脱皮したい意識は見えますが、メイクや髪にはふわっと甘さを残したいようで、ふだん髪を巻いている率は7割超、服に合わせて巻き方を変えている率も7割超とかなり高いです。学生時代に髪とメイクの技術は先行していたものの、ファッションや日頃のスキンケアについてはまだまだ追求不足、という感じ。そういう大学生、いるよね。

 ところで、withには「OL」という言葉が頻繁に登場します。ウィズさんは自分がOLであるという意識が人一倍強いと思われます。仕事の悩みは多くても、仕事について積極的であることに同時に充実感も覚えていそうです。できるだけ定時で帰り、「華金(花金ではない。『華』の金曜日)」にしっかり遊び、余暇にはジムや習いごと、という典型的なOLを目指していると思われます。

 こんなOLは、一昔前は結婚して退社するのがお決まりのコース。ウィズさんはどうかというと、正直、その線もアリだと思っています。「モテたい」という方向性の記事は少ないですが、たまに出てくる「嫁入り美容」「一生そばにいたい女になる」なんて言葉は保守的。今は若いから仕事も大事だけど、仕事と恋愛(結婚)のどちらを取るかと言われたら後者を取るかも。マッチングアプリにも大いに興味ありです。

 ウィズさんは、いわゆる「恋愛体質」ではないし、「甘めの女の子」として扱われるのは嫌いで、しっかり仕事のできるOLになりたい、と思っているでしょう。しかし、メジャーな芸能人に注目していたり、恋愛や結婚が常に視界に入っていたりと、やや古典的なOLらしさも見逃せません。ファッションは変に目立たず、OLとして「中の上以上」のオシャレでいたいと思っています。

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能町みね子
Mineko Nomachi


文章やイラストの仕事のほうが多い漫画家。雑誌やネット媒体で、コラムなどの連載多数。著書に『私以外みんな不潔』(幻冬舎)、『文字通り激震が走りました』(文春文庫)、『中野の森BAND』(ロフトブックス)など。この連載を書籍化した『雑誌の人格』の第2弾、『雑誌の人格 2冊目』も発売中!
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※次回の「能町みね子の雑誌の人格」は、2019年3月28日(木)発売の『装苑』2019年5月号にて掲載です!お楽しみに!

関連記事:「能町みね子の雑誌の人格」第一弾第二弾第三弾第四弾第五弾第六弾第七弾




書籍も好評発売中!
『装苑』の連載をまとめた『雑誌の人格』シリーズも好評発売中!!書籍だけの特別付録や手の込んだ装丁も魅力です。ぜひお手に取ってご覧ください。

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『雑誌の人格 2冊目』
能町みね子著
¥1500+税 文化出版局刊

2013年6月号~2016年8月号までに『装苑』に掲載された39媒体に加え、2014年5月号の特別編、「渋谷パルコの人格VSラフォーレ原宿の人格」を収録。書籍化にあたり、新たに雑誌ごとのプロフィールやバロメーター、描き下ろし「もし雑誌の人格たちが同じ高校の同じ教室にいたら...」も収録!

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『雑誌の人格』
能町みね子著
¥1500+税 文化出版局刊

2010年1月号~2013年5月号までに掲載された40媒体に加え、特別編として、『装苑』の人格と「女性誌の勢力図」を収録。書籍化にあたり、新たに「プロフィール」や雑誌ごとの「人格マップ」も加筆、収録!

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