≪WEB連載第六弾!≫今月の「能町みね子の 雑誌の人格」で取り上げるのは、「37歳 輝く季節が始まる!」がコンセプトの、ミューズ世代のためのファッション誌『otona MUSE』です!

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『装苑』は2018年3月28日(水)発売の4・5月合併号より、奇数月28日発売の隔月刊となります。ですが、本誌の人気連載「能町みね子の雑誌の人格」は、今まで通り毎月読者の皆様に楽しんでもらえるよう、『装苑』が刊行しない月は「装苑ONLINE」でも連載をスタート!

「装苑ONLINE」連載第六弾は、「37歳 輝く季節が始まる!」がコンセプトの、ミューズ世代のためのファッション誌『otona MUSE』です!能町さんが描き出したオトミュさんとはどんな人?


「雑誌の人格」とは?
イラストや文筆の活動に加えTVやラジオ等でも活躍中の、今注目の漫画家、能町みね子さんの連載企画。2010年1月号より連載を開始し、2013年に書籍の第1弾『雑誌の人格』、2017年12月22日に待望の第二弾『雑誌の人格 2冊目』が発売された『装苑』の人気連載です。
能町さんが独自の視点で選んだ、今面白い雑誌と、その雑誌を取り巻く読者や周辺カルチャーを、独断と偏見でプロファイリング。イラストと文章で紹介します。



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今月取り上げる雑誌
『otona MUSE』

¥852 宝島社
WEB:tkj.jp/otonamuse

「37歳 輝く季節が始まる!」をキャッチコピーに、ガールからミューズへと変貌を遂げるアラフォー世代のためのファッションマガジン。大人の女性たちに思い切りファッションを楽しんでほしいという願いを込め、梨花をはじめとするミューズ世代のモデルたちが見せる熟成したファッションビジュアルや、欲しいものが必ず見つかるアイテム情報、ビューティや料理など、盛りだくさんで構成する。ミューズになるためのマストな一冊。毎月28日頃発売。


能町みね子=文 text & illustration : Mineko Nomachi

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 「otona MUSE」(以下、オトミュ)は、「37歳、輝く季節が始まる!」をキャッチコピーとした女性誌。「sweet」の読者が年齢を重ねた先の受け皿として創刊されました。厚くて重く、読み応えがある雑誌です。

 表紙は白やペールカラーが基調ですっきり、文字は少なめ。毎回の特集が、必ず読点、句点で区切られた二行のコピーで書かれています。内容は「春のお買い物、これが正解。」「秋の服を買いに、街へ出かけよう。」など、シンプル極まりない。背表紙も、ここ最近は付録のことしか書いていないという潔さです。

 カバーガールを務めるのは梨花が圧倒的に多く、本文を含めてほかによく登場するのは吉川ひなの、佐田真由美など。彼女らは連載も持っています。誌面での梨花の語り口調は「洋服もアクセも、着ていて自分が疲れちゃうものはダメなの(笑)」「そういう対象(筆者注:憧れる人)がいるってすごく素敵なことね」などと、まるで桃井かおりのようで、バラエティに出ていた頃の様子とはかなり違います。吉川ひなのは毎回独創的な料理を作っているし、佐田真由美は自分で自分のスタイリングをしています。みんな、さすがにオトナの女です。

 安室奈美恵の登場回数も多い。編集長によれば「『otona MUSE』は安室世代に読んでほしくて創刊した雑誌」「キャッチコピーの『37歳~』も、実は安室さんと同い年の昭和52年生まれの方が37歳になる年につけた」とのことで、特別な存在です。「sweet」に登場する安室奈美恵とオトミュに登場する安室奈美恵の写真を比べれば一目瞭然、前者は淡い光の中でこちらを見つめていますが、後者はモノトーンでシャープな雰囲気が多い。オトミュさんが憧れるのは彼女らのような、甘えず自分を強固に持ち、年齢相応にこなれた大人の女なのでしょう。

 ファッションのテイストはというと、シンプルだけどパリッとしたものが好きそうな傾向はありますが、けっこうごちゃまぜです。しかし、とにかく商品紹介の物量・情報量が多いので実用的。そういえば特集タイトルも「買う」ことに重点を置いたものが多いし、買い物欲を激しくかきたてる雑誌だと言えるでしょう。オトミュさんは、ハイブランドはいくつか持っておきたいし、季節が変われば流行のものはひととおりチェックしておきたい、物欲を抑えるつもりがあまりないタイプだと思われます。つまり、お仕事は忙しく、収入もそれなり。

 誌面からは生活感があまり漂わず、恋愛あるいは家庭の話はまず出てきません。もう大人ですし、仕事は充実しているし、男の話はわざわざ取り上げるほどじゃない、という感じかな。結婚しなきゃ!みたいな焦りもそんなになく、ドライに考えてそうです。

 ところでオトミュさん、ファッション以外の趣味にはさほどディープなものがなさそうです。誌面には定番モデル以外の芸能人があまり出ないし、テレビ的な流行り物にはあまり興味がないのかも。時々料理に凝ってみたり、ふと思い立って海外旅行をしたりはするけど、整った室内からあまり出なさそうです。休日は疲れを癒やすことに専念して家でだらだら、かな。買い物も案外ネット通販が多いかもね。

 日々仕事で忙しく充実していて、お金は物欲を満たす程度にあり、休日はそんなに出かけず家でのんびり、となると、たぶん友達も少数精鋭。オトミュさんはこんな生活にきっと満足していますが、もしかしたら、田舎の実家とちょっと折り合いが悪かったりもするかな?

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能町みね子
Mineko Nomachi


文章やイラストの仕事のほうが多い漫画家。雑誌やネット媒体で、コラムなどの連載多数。「chouchou」(テレビ朝日系)にレギュラー出演。新刊『うっかり鉄道』(幻冬舎文庫)が発売中。『「能町みね子のときめきサッカーうどんサポーター」、略して 能サポ』(講談社文庫)がサッカー本大賞2017の大賞を受賞。この連載を書籍化した『雑誌の人格』の第2弾、『雑誌の人格 2冊目』が発売中!
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※次回の「能町みね子の雑誌の人格」は、2018年11月28日(水)発売の『装苑』2019年1月号にて掲載です!お楽しみに!

関連記事:「能町みね子の雑誌の人格」第一弾第二弾第三弾第四弾第五弾




書籍も好評発売中!
『装苑』の連載をまとめた『雑誌の人格』シリーズも好評発売中!!書籍だけの特別付録や手の込んだ装丁も魅力です。ぜひお手に取ってご覧ください。

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『雑誌の人格 2冊目』
能町みね子著
¥1500+税 文化出版局刊

2013年6月号~2016年8月号までに『装苑』に掲載された39媒体に加え、2014年5月号の特別編、「渋谷パルコの人格VSラフォーレ原宿の人格」を収録。書籍化にあたり、新たに雑誌ごとのプロフィールやバロメーター、描き下ろし「もし雑誌の人格たちが同じ高校の同じ教室にいたら...」も収録!

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『雑誌の人格』
能町みね子著
¥1500+税 文化出版局刊

2010年1月号~2013年5月号までに掲載された40媒体に加え、特別編として、『装苑』の人格と「女性誌の勢力図」を収録。書籍化にあたり、新たに「プロフィール」や雑誌ごとの「人格マップ」も加筆、収録!

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『装苑』2018年11月号、9月28日発売!

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