≪WEB連載第五弾!≫今月の「能町みね子の 雑誌の人格」で取り上げるのは、世界の謎と不思議に挑戦し続けるスーパーミステリーマガジン『ムー』です!

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『装苑』は2018年3月28日(水)発売の4・5月合併号より、奇数月28日発売の隔月刊となります。ですが、本誌の人気連載「能町みね子の雑誌の人格」は、今まで通り毎月読者の皆様に楽しんでもらえるよう、『装苑』が刊行しない月は「装苑ONLINE」でも連載をスタート!

「装苑ONLINE」連載第五弾は、雑誌の枠を超えて一つのジャンルとして確立している、老舗ミステリーマガジン『ムー』です!能町さんが描き出したムーさんとはどんな人?


「雑誌の人格」とは?
イラストや文筆の活動に加えTVやラジオ等でも活躍中の、今注目の漫画家、能町みね子さんの連載企画。2010年1月号より連載を開始し、2013年に書籍の第1弾『雑誌の人格』、2017年12月22日に待望の第二弾『雑誌の人格 2冊目』が発売された『装苑』の人気連載です。
能町さんが独自の視点で選んだ、今面白い雑誌と、その雑誌を取り巻く読者や周辺カルチャーを、独断と偏見でプロファイリング。イラストと文章で紹介します。



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今月取り上げる雑誌
『ムー』

¥759 学研プラス
WEB:gakkenmu.jp

一目見たら忘れることのできない秀逸なロゴと生賴範義(おおらいのりよし)によるカバーアートを表紙に、1979年に創刊したスーパーミステリーマガジン「ムー」。約40年の長きにわたり、世界の謎と不思議に挑戦し続けている。毎号、世界各地からの情報を集め、多種多様な事象を掲載。思わず「本当に?」と声を上げてしまいそうなトピックスから、深くうなずいてしまう最新科学にひもづけられたミステリーまで幅広い。ご利益がありそうな特別付録も人気。毎月9日発売。


能町みね子=文 text & illustration : Mineko Nomachi

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 「ムー」という雑誌の知名度はきっと高い。読んだことがなくても、みんな存在は知っている。「世界の謎と不思議に挑戦する」をテーマとした、あの長寿雑誌です。

 表紙に「UFO|超能力|UMA|奇現象|古代文明|神秘|スピリチュアル|都市伝説」とあるとおり、こういったテーマを創刊以来一貫して取り上げ続けている希有な雑誌。今でも特集には「ロシアUFO極秘ファイル」とか「誌上超能力実験」とか「タコは地球外生命体だった!!」というような記事タイトルばかりが並びます。

 小中学生ならともかく、大人になったらこういうものは子供だましに感じるのでは、という懸念は読めば簡単に覆ります。もちろん読む人や記事によって興味の度合いは異なりますし、信じるかどうかはさておくとしても、読み物としての充実度はすばらしい。言葉のチョイスはもちろん大人向けですし、「○○は△だ!!」「~というのだ」といった断定の語尾が多いので、訴えかけてくる力が強い。説得力も疑問も両方湧きやすい文体です。

 個人的には、「幹の割れ目から大量の水が湧き出す不思議な桑の木」とか「目からアリが湧き出てくる少女」とか、科学で証明できるかどうかギリギリくらいの記事がかなり興味深く、読みふけってしまいました。今のテレビで言えば「クレイジージャーニー」の方向性に近いような記事もあり、世代を超えて楽しめる内容です。

 また、「ムー公式 実践・超日常英会話」(オカルトチックな状況に限定した用例の英会話本)という本を出版するなど、「ムー」自体が自分自身をネタ化しているような部分もあります。さほど「ムー」的でない芸能人に「ムー」的アプローチでインタビューする連載もあります。オカルトをどっぷり信じ切って浸かっているわけではなく、対象との距離が適度にあるので読みやすいんでしょう。

 さて、こんな雑誌を愛読するムーさんはどういう人か。オカルトや超常現象などのネタが好きな人だというのは当然ですが、少なくともいま若年層がメインということはあるまい。

 なぜなら、まず身も蓋もない理由ですが、読者投稿の年齢層がかなり上(10代は稀、40、50代が多く、60代もザラ)なのです。また、広告に載っている運気とかエネルギーとかを呼ぶという石やら機械やらの目的が、ほぼ「金運」です。「恋愛運」についてはほとんど見られません。通販の手段も郵便振替や代引きが多く、ネットを介したものは少ない。

 ムーさんは、昔のテレビや子供雑誌で見た超能力者・心霊写真・古代文明などが大好きなまま大人になった、無邪気な人ではあると思います。でも、立派な大人ですから、今はややオタク的に雑学の一環として楽しんでいる感じ。おそらくほかにも硬派なノンフィクションやドキュメンタリーを好んでいるでしょう。陰謀説はやっぱり大好きで、最近は情報を求めてネットもよく見るようになったので、政治や国際社会に関する未知の情報にも触れ、「ネットにこそ真実が!」という罠に少々ハマりそうな危険も。しかし、あくまでもネットは閲覧専門。取引などのややこしいことは苦手です。

 きっと実生活は不自由なく充実していて、場合によっては超常現象が大好きな子供や孫と一緒に「ムー」を楽しんでいるかもしれません。そして、何か月かに1回、宝くじを買うことにささやかな夢を託しています。意外と高齢、わりと小市民。

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能町みね子
Mineko Nomachi


文章やイラストの仕事のほうが多い漫画家。雑誌やネット媒体で、コラムなどの連載多数。「chouchou」(テレビ朝日系)にレギュラー出演。新刊『うっかり鉄道』(幻冬舎文庫)が発売中。『「能町みね子のときめきサッカーうどんサポーター」、略して 能サポ』(講談社文庫)がサッカー本大賞2017の大賞を受賞。この連載を書籍化した『雑誌の人格』の第2弾、『雑誌の人格 2冊目』が発売中!
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※次回の「能町みね子の雑誌の人格」は、2018年9月28日(金)発売の『装苑』11月号にて掲載です!お楽しみに!

関連記事:「能町みね子の雑誌の人格」第一弾第二弾第三弾第四弾




書籍も好評発売中!
『装苑』の連載をまとめた『雑誌の人格』シリーズも好評発売中!!書籍だけの特別付録や手の込んだ装丁も魅力です。ぜひお手に取ってご覧ください。

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『雑誌の人格 2冊目』
能町みね子著
¥1500+税 文化出版局刊

2013年6月号~2016年8月号までに『装苑』に掲載された39媒体に加え、2014年5月号の特別編、「渋谷パルコの人格VSラフォーレ原宿の人格」を収録。書籍化にあたり、新たに雑誌ごとのプロフィールやバロメーター、描き下ろし「もし雑誌の人格たちが同じ高校の同じ教室にいたら...」も収録!

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『雑誌の人格』
能町みね子著
¥1500+税 文化出版局刊

2010年1月号~2013年5月号までに掲載された40媒体に加え、特別編として、『装苑』の人格と「女性誌の勢力図」を収録。書籍化にあたり、新たに「プロフィール」や雑誌ごとの「人格マップ」も加筆、収録!

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『装苑』2018年11月号、9月28日発売!

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