《WEB連載開始》「能町みね子の雑誌の人格」が装苑ONLINEに初登場!第一弾は『nina's』の人格を分析します!

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『装苑』は2018年3月28日(水)発売の4・5月合併号より、奇数月28日発売の隔月刊となります。ですが、本誌の人気連載「能町みね子の雑誌の人格」は、今まで通り毎月読者の皆様に楽しんでもらえるよう、『装苑』が刊行しない月は「装苑ONLINE」でも連載をスタートすることになりました!

「装苑ONLINE」での連載第一弾は、祥伝社から刊行中のママと子供のファッション&ライフスタイル誌『nina's』をフィーチャー。はたして能町みね子さんが描き出すニナーズさんの人格やいかに!


「雑誌の人格」とは?
イラストや文筆の活動に加えTVやラジオ等でも活躍中の、今注目の漫画家、能町みね子さんの連載企画。2010年1月号より連載を開始し、2013年に書籍の第1弾『雑誌の人格』、2017年12月22日に待望の第二弾『雑誌の人格 2冊目』が発売された『装苑』の人気連載です。
能町さんが独自の視点で選んだ、今面白い雑誌と、その雑誌を取り巻く読者や周辺カルチャーを、独断と偏見でプロファイリング。イラストと文章で紹介します。



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今月取り上げる雑誌
『nina's』

¥639 祥伝社
WEB:www.ninas-web.jp

2005年に『Zipper』の増刊として誕生した、育児中も自分らしいおしゃれや暮しを楽しみたいというママたちに向けて発信される、隔月刊のファッション&ライフスタイル誌。表紙にはママタレントを起用。「ママライフにHAPPYを!」をキャッチフレーズに、ひねりのきいたファッションからコスメやレジャー、フード、インテリアに至るまで、家族の生活をハッピーに彩る多様な情報が満載。自分らしく生きたいと願う、ママ必読の雑誌。偶数月7日発売。


能町みね子=文 text & illustration : Mineko Nomachi

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 『nina's』のテーマは「ママライフにHAPPYを!」です。かつては「私らしく、親子ライフ」だったのですが、ママ中心になったようです。公式には「子どものいる生活を楽しむママのためのファッション&ライフスタイル誌」となっています。ニナーズでは、夫婦が登場する場合、妻側に名字がついていて、夫が名字なしで書いてある。慣習的には夫側に名字が付くものですが、しっかり女性主役にするところに好感。

 子供はまだ小学校入学前くらいのよう。誌面で見る限りブランドもので着飾らせたいという意識はあまりなさそうで、かなり安価なものも多く取り上げられています。もちろんオシャレなほうがいいけど、安さはかなり重要なので、通販でもいいと思っていそう。「おそろいコーデ」という楽しみ方もたまに取りあげられますが、子供は着せ替え人形じゃないし、わりと実用性重視。

 それよりも、ニナーズさんは自分のファッションがダメになっていくことを恐れていると思われます。子育て中はどうしても子供のことで精一杯になりますもんね。「カジュアルになりすぎない」とか「油断しない」というフレーズが目に入るのも当然。突然子供の意思で公園に寄ることになって汚れたり、雨風の中を外に出なきゃいけなかったり、予期しないトラブルの中でも自分のファッションを楽しもうという根性が見えます。

 だから載っているスナップ写真ははっきり言って子供より自分が大事。だって子供自身は自分のファッションにさほど興味ないはずだもん、それでいいよね。キャプションは「これが私の古着道」とか「多国籍アイテムで決める」とか、けっこう個性的でセンスはいわゆる青文字系。服が大好きなZipperさんあたりがそのまま年を経て子供を持ったのかな。子育てばかりにしばられず自分の楽しみを謳歌している感じで、元気が出ます。

 ちなみにニナーズでは子供を「子ども」と表記する。この気の遣い方、ナチュラル・ロハス志向と親和性が高いように思います。モデルとして登場する人にはクリエイターが多く、彼女らは田舎に移って古民家に住むなど、「丁寧な暮らし」を完璧に実践する先進的な人たちです。記事に登場する焼き物やちょっと高価な木のおもちゃなどからも、ニナーズさんはファッションより家具や道具にお金をかけがちに見えます。一方で、編み物で子供の帽子を作ったりお弁当をしっかり作ったりという面もあり、「昔のお母さん」的なものも好きそう。「今のいいもの」と「昔のいいふるまい」、両方合わせた「丁寧な暮らし」がニナーズさんの目標でしょう。

 いわゆるママタレも多く登場しますが、松嶋尚美、保田圭、SHIHO、SHELLYなど、セレブ感は弱い。ほのぼの庶民派か、浮き世離れした自然派という感じです。

 読モで登場する子供の名前は、やや変わっているけどキラキラ感は薄く、花・柚・木・湖など、自然や植物に関する漢字が少し多い傾向。ここにもナチュラル感が顔を出します。

 ということでニナーズさんは、元青文字系でファッション大好きっ子だったけど、結婚・出産でややナチュラル系に移行しつつあるお母さん。子供は大好きだけど自分の所有物かのように愛でるわけではなく、いっしょにキャンプや野外フェスに連れていくのが好きそうです。きっと夫婦仲もよくて友達も多く、子供は人見知りしない子に育つはず。服飾費が若い頃より減ったぶん、質のいいモノやオーガニック系食材にこだわりがちかもしれないけど、たぶん夫も同じ方向性なので大丈夫。

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能町みね子
Mineko Nomachi


文章やイラストの仕事のほうが多い漫画家。雑誌やネット媒体で、コラムなどの連載多数。「chouchou」(テレビ朝日系)にレギュラー出演。新刊『お話はよく伺っております』(文春文庫)が発売中。『「能町みね子のときめきサッカーうどんサポーター」、略して 能サポ』(講談社文庫)がサッカー本大賞2017の大賞を受賞。この連載を書籍化した『雑誌の人格』の第2弾、『雑誌の人格 2冊目』が発売中!
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※次回の「能町みね子の雑誌の人格」は、2018年2月28日(水)に「装苑ONLINE」にて公開です!お楽しみに!




書籍も好評発売中!
『装苑』の連載をまとめた『雑誌の人格』シリーズも好評発売中!!書籍だけの特別付録や手の込んだ装丁も魅力です。ぜひお手に取ってご覧ください。

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『雑誌の人格 2冊目』
能町みね子著
¥1500+税 文化出版局刊

2013年6月号~2016年8月号までに『装苑』に掲載された39媒体に加え、2014年5月号の特別編、「渋谷パルコの人格VSラフォーレ原宿の人格」を収録。書籍化にあたり、新たに雑誌ごとのプロフィールやバロメーター、描き下ろし「もし雑誌の人格たちが同じ高校の同じ教室にいたら...」も収録!

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『雑誌の人格』
能町みね子著
¥1500+税 文化出版局刊

2010年1月号~2013年5月号までに掲載された40媒体に加え、特別編として、『装苑』の人格と「女性誌の勢力図」を収録。書籍化にあたり、新たに「プロフィール」や雑誌ごとの「人格マップ」も加筆、収録!

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『装苑』2018年4・5月合併号、3月28日発売!

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