フランスの人気アーティスト、ナタリー・レテの世界 Nathalie Lété, mes (petites) histoires...

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photographs:Chieko Hama, text:Mariko Mito (B.P.B. Paris)

スパイスの効いたメルヘンチックな作風が日本でも人気のアーティスト、ナタリー・レテ。彼女の展覧会がフランス北部の都市ルーベの美術館「ラ・ピシーヌ」で開催されている。2001年にオープンしたこの美術館は、アールデコ様式の市民プールを改築して造られ、当時の面影を残した美しい建築でも知られる。
「ナタリー・レテ、私の(小さな)物語...」と題された展覧会は、"おばあちゃんの小屋"、"赤頭巾ちゃん"、"魔法の庭"、"肉屋"など、約10のテーマからなる部屋で構成され、独創的なナタリーの世界にたっぷりと浸れる演出となっている。展示されるのは、20年以上前から制作してきた作品の数々で、今回のために特別に作られたものも含まれている。「これまで作ったアートピースは、ずっと売らずに取ってあります。本を作ったり、展覧会をしたりするときのために。それらのピースを各テーマに沿って分けて、部屋ごとに一つのストーリーを語るような演出を考えました。」とナタリー。屈託のない笑顔で語る彼女は、少女のような一面を持つ女性。作品には、幼少期の体験やパーソナルな思い出が大きく反映している。「小さい頃、赤頭巾ちゃんのような服を着ていました。白雪姫や親指姫など、ほかにもたくさん好きなおとぎ話はありますが、特に赤頭巾ちゃんは、私にとって重要ですね。パリ郊外にあるアトリエは、物で溢れています。展示のために、たくさんのピースを運び出しましたが、まだまだアトリエは満杯!いつか日本でも展覧会を開きたいですね。日本には、セラミック、生地、木細工など、さまざまな分野で素晴らしい工芸職人さんがいますから、彼らと一緒に何かを作ったら、きっと面白いものができると思います。」
そんな好奇心旺盛な彼女の展覧会は、観る者をわくわくした気持ちにさせ、空想の世界へと誘ってくれる。
展覧会は2015年6月21日まで。

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01,02 "おばあちゃんの小屋"がテーマの展示。アットホームでノスタルジックな雰囲気。壁紙やお皿などのイラストはすべてナタリーによるもの。03〜05 テーマ"赤頭巾ちゃん"より。少し毒気のある赤頭巾の世界を展開。06〜08 "空き地"と題された展示。子供の落書きのようなタペストリーや昔懐かしいおもちゃを使ったコラージュなどを楽しめる。09,10 "オオカミを殺したのは誰?"より。解体されたオオカミの模型や牙など、グロテスクだがどこかユーモラス。セラミックの作品はナタリーを代表するものの一つ。11〜15 ナタリーが長年研究してきたテーマ"肉屋"の展示。リアルに表現された肉が並ぶが、ポップな印象でもある。16 アーティストのナタリー・レテ。
※写真をクリックすると拡大します。

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●LA PISCINE
Musée d'Art et d'Industrie André Diligent
「ラ・ピシーヌ」は、フランス語で"プール"の意味。1932年に建てられ、かつては市民プールとして使われていた。日常的に風呂が使えなかった時代、この地方で栄えた毛織物産業の工員の衛生面にも一役かっていたそう。アールデコ様式の美術館は、建築的にも見応えがあり、ピカソ、ロダン、デュフィなど、絵画から応用芸術に至るまでの幅広いコレクションに加え、毛織物にまつわる展示も充実。常設展のほか、企画展を随時開催している。

23, rue de l'Espérance 59100 Roubaix
Tel. +33 (0)3 20 69 23 60
www.roubaix-lapiscine.com


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