吉澤嘉代子とモトーラ世理奈 朝帰りをした女の子が主人公の「残ってる」で表現した歌とMVのお話

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photographs : Jun Tsuchiya (B.P.B.) / hair & makeup : Yurika Ichihashi


日常にあふれる出来事からインスピレーションし、独自のアイディアで、ファンタジックな曲を生み出してきたシンガーソングライターの吉澤嘉代子さん。ドラマティックなメロディーがポップに弾ける「綺麗」から、OLを月曜日と戦う戦士に見立てたコミカルな「月曜日戦争」、エキセントリックなストーリーと表情豊かなサウンドの「地獄タクシー」など幅広い音楽性が魅力的。そして、歌詞の言葉選びの秀逸さは、彼女が高く評価される理由の一つ。

一方、モデルのモトーラ世理奈さんは、現在、多くの雑誌や広告、カタログで活躍。『装苑』2015年1月号でモデルデビューしたご縁もあり、2017年5月号からは装苑モデルとして、本誌でも様々なファッションストーリーやカタログページなどにモデルとして登場している。彼女にしかないイノセントでアンニュイな独特の表情と佇まいで注目度は上昇中。今年8月には『少女邂逅』で映画初出演を果たした。

この2人が出会うきっかけになったのが、本日・10月4日にリリースとなった吉澤さんの2ndシングル「残ってる」。この曲のミュージックビデオ(以下、MV)で主人公の女の子を演じたのが、MV初主演となったモトーラさん。吉澤さんが一番好きな女の子の一人としてモトーラさんにラブコールを送り、出演が決まったそう。出会って間もない2人だけれど、すでに親しい存在として心でつながっている?MV撮影以来、顔を合わせたという2人にそれぞれの魅力と撮影時の裏話、そして最新曲「残ってる」について聞きました。


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―出会った時のお互いの印象は?

吉澤嘉代子さん「今日はMVの撮影以来ですね。まだ暗い時間帯、深夜から完全に明るくなる朝まで撮影していたので、数時間だけって感じがしなくて。2日間くらいずっと一緒にいたような気がします」

モトーラ世理奈さん「お会いするのは実は今日で2回目。MVの撮影の時、初めてお会いしたんですよね」

吉澤「そうなんです。それまでは、モトーラちゃんのインスタグラム(@sereeeenam)をフォローしていて、一方的に写真を眺めて楽しんでいたんです(笑)」

モトーラ「そうだったんですね、嬉しいです(笑)」

吉澤「雑誌とか広告とかいろんなところで見かけていて。RADWIMPSのアルバム『人間開花』のカバーを見て、あ!私が前から気になっていたのはこの子だ!とすべて一致しました」

モトーラ「今年3月に行なわれたヘアサロン『LIM』のヘアショーにも、実はお互い出演していたんですよね。私はヘアショーのモデルをしていました」

吉澤「私はライブの枠で出演していて、歌っていましたね。そのときはそれぞれの持ち場を守っていたのでお話しできなかったんです」

モトーラ「一緒だったことは知っていたんですけどね」

吉澤「モトーラちゃんは、どんな女の子だろう?ってインスタグラムを見ながら想像していたんです。エキセントリックなのかなとか、髪をかきあげて『モトーラです』みたいなクールな感じなのかなとか......いろいろなパターンを想像していました。実際に会ってみたら、私よりも声が小さくて。私も声がかなり小さいって言われるんですけどね(笑)。すごく親しい気持ちになりました」

モトーラ「私は、MVのお仕事をいただいたときに吉澤さんのことを知って。その時にいろいろと曲を聴きました」

吉澤「お互い調べ合っていたんですね(笑)」

モトーラ「バカリズムさんが原作・脚本・主演していたドラマ『架空OL日記』の主題歌が、吉澤さんの曲『月曜日戦争』だったり。無意識のうちに知っていた吉澤さんのことが、どんどんつながっていきました。『地獄タクシー』をはじめ、おもしろいMVが多い印象。かわいくてユニークな感じが好きです。この世界観の中に入ったら楽しいだろうなと思っていました」

吉澤「嬉しいです。実際に会ってみてどうでした?」

モトーラ「吉澤さんはかわいらしいかただと思っていたけど、イメージ通りでした!」


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―MVの女の子をどう演じましたか?

モトーラ「MVの舞台は、代々木八幡駅近辺でしたね」

吉澤「いくつか候補があった中で、閑静なイメージだったり、工事でちょっとごちゃっとしていたり、開けた画が撮れる場所もあったのでこの場所に決めました。『残ってる』は朝帰りをした女の子が主人公の曲で、歌詞が『改札』から始まるんですよね。駅から帰ってくる様子を映したいという希望がありました」

モトーラ「たしかに、いろんな面がある場所ですね」

吉澤「モトーラちゃんに出演を依頼したのは、すごく好きだから会いたい!って気持ちが強くて。それが一番ではあるんですけど(笑)。今、いくつ?」

モトーラ「18歳です」

吉澤「モトーラちゃんって、年齢不詳な感じがする。表情の一つ一つが、少女にも大人にも見えて、そこに魅力を感じています。この曲の女の子も、少女から大人の女性に移り変わっていく時期だったので」

モトーラ「イメージにしっくりきたんですね」

吉澤「感情を爆発させるっていうよりは、心に閉じこめて、秘めているような。そんな表情が見られたらいいなと思って。MVの前に、こういう女の子を演じて欲しいとか、特に希望を伝えたり、打合せをしていないんです。朝帰りの女の子はどう演じようと思いましたか?」

モトーラ「朝帰りをしょっちゅうする子じゃないんだろうなと思って。季節も移り変わっているし、慣れないことをやっているようなイメージ。後ろめたさだったり、寂しさだったり、ちょっと孤独を感じさせるような。自分の景色に同化させて、想像して演じていました」

吉澤「モトーラちゃんは、その場所にいるだけで、その場所が特別になるような、そんな女の子だと思って撮影を見ていました。駅前をぐるぐるしていただけなんですけどね(笑)。日常の環境にとけ込みつつも、存在感を放っているのが不思議でしたね」

モトーラ「すごく嬉しいですね」

吉澤「絶対的な存在でした。撮影中は、どんな風に映っているかほとんど見れませんでしたが、MVができ上がって見た時に、その時の空気がそのまま映像に落とし込まれていて」

モトーラ「素のままの自分のように、自然と演じていました。カメラを見つめたり、空をふと見上げたり、切なさを表現できたらいいなと。失恋をして何だか心が取り残されたような感覚があるときに、でも私は私だよっていう力強いメッセージを込めたりもしました」

吉澤「最後のサビの部分の撮影は目の前で見学することができたんですけど、吸い寄せるような演技に私もついこみ上げて、一緒に、歌っちゃいました。実は撮影中はずっと曲を流していたんですよ」

モトーラ「監督と、3人で歌いながら撮っていましたね」


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―最新曲「残ってる」はどのように生まれましたか?

吉澤「『残ってる』を作ったきっかけは、友人から聞いた話でした。『この前、いかにも朝帰りっぽい女の子がいたんだよ』って。その日は、急に気温が下がった日だったんですけど、その子は薄着のままで。それで朝帰りかなって。街の様子が変わる中で、一人、取り残されたように夏の中にいる女の子の姿が浮かんで。夏の名残とか、秋の始まりとか、季節の変わり目を軸にして書こうと思いました」

モトーラ「最初、この曲を聴いた時に、女の子の心が繊細に描かれていて、切なさが伝わってきました。吉澤さんの歌声と合わさって、自分の中にとけ込んできました。やっぱり、歌詞が力強くて印象的でした。特に『私の火は のろしをあげて燃えつづく』のところ。吉澤さんのかわいらしさだけではなく、繊細さと力強さが伝わってきて」

吉澤「たしかにその部分は心をぐっとこめました。お喋りして伝えるっていうことがすごく苦手な子どもだったんです。その分、言葉への執着が強くて。自分にとっては言葉が一番大事なもの」

モトーラ「実体験はこめられていますか?」

吉澤「この曲自体に実体験は無いのですが、朝帰りをテーマに曲を書こうと思ってからは、朝帰りした気分になって街中を歩いたりしていましたね。ちょうど今ぐらいの時期に書いた曲で、その時に渋谷の銀行のディスプレイで見つけた造花のひまわりが、夏の間は輝いていたはずが、季節が変わって見ると急に寒々しく感じて。その様子を女の子に重ねて詩を綴りました。好きな人と夜を越えて、そのあとに帰ってくる時の思いとか、気持ちの面では自分を投影しています」

モトーラ「歌詞の『いかないで いかないで』の部分とか、分かるな〜って。私は朝帰りをしたことが無いし、この主人公に直接はハマらないけど、自分の中で感情がリンクすることはありました。失恋したり、落ち込んだりしたときって、電車に乗っている、自転車をこいでいる、日常のふとした瞬間に突然切ない気持ちになるときがある」

吉澤「いつかモトーラちゃんが朝帰りをしたら、この曲を思い出すんでしょうね(笑)」

モトーラ「BGMとして心の中に流れそうですね(笑)」


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―ファッションにこだわる2人の「残ってる」のイメージ

吉澤「普段はどんな服装をしていますか?」

モトーラ「最近はチェック柄に目がいきますね。吉澤さんは?」

吉澤「クラシカルなものが好きですね。ブラウスとか。女の子らしいものを着ることが多いかもしれませんね」

モトーラ「MVによってもファッションの印象が変わりますよね」

吉澤「MVでは、吉澤嘉代子だったら何を着るかと、主人公に自分を当てはめながら衣装を選んでいますね。リリースするシングルやアルバムによって、自分のモードが変わるんです。テーマカラーや髪型も変えるんですよ。今回の『残ってる』は、ちょっとドキっとするようなテーマの曲なので、これまでより一肌脱いでいます。というかジャケットでは完全に背中出してますけど(笑)。大人になった感じが出せたらいいな」

モトーラ「テーマカラーもあるんですね」

吉澤「衣装の色がそれを表していることが多いんですけど。『残ってる』はジャケットで着ている服の色、マスタードカラーですね」

モトーラ「大人っぽい色ですね。MVで着たワンピースもシックな感じ」

吉澤「MVの衣装選びで、モトーラちゃんにはいろいろな服を着てもらいましたよね。街の人とは違う、ちょっと浮いちゃってる感じ。シンプルでカジュアルすぎない、そして肩が出ている。透け感があって夏らしさを感じるものに」

モトーラ「気合いを入れて頑張っている感じの女の子ですよね」


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吉澤「『装苑』の読者のみなさんはきっと、お洋服が好きなかたが多いですよね。自分のお気に入りの服を着て、好きな人に会いにいく、という経験があるかたは、楽しんでもらえる曲になっていると思います。自分を主人公にして聞いていただけたら嬉しいです!」

モトーラ「初めてMVで主演を務めさせていただきましたが、自分の素の部分で表現できる役をいただけて光栄でした。いつもは誌面ですが、動いている姿を見ていただきたいです。この曲の女の子と近いかた、正反対のかたもいらっしゃると思いますが、MVと合わせて曲の思いを感じてもらえたら嬉しいです」







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吉澤嘉代子 2ndシングル「残ってる」
音源化を待望されていた人気楽曲をシングルリリース。夏から秋にかけて季節に取り残されてしまった女性を主人公にした世界観に、誰もが心の中に一人はいるであろう忘れられない誰かを思い出させるラブソング。サウンドプロデュースはMETAFIVEのゴンドウトモヒコが担当。カップリングの「残ってる -ピアノと歌-」は、吉澤嘉代子の歌と伊澤一葉のピアノにフォーカスを当てたアナザーバージョン。そして、SHISEIDO「インクストローク アイライナー」Web CMソング「怪盗メタモルフォーゼ -CM Version-」を収録。

通常版(CD)¥926 e-stretch RECORDS
CD収録曲
1.残ってる/2.残ってる -ピアノと歌-/3.怪盗メタモルフォーゼ -CM Version-

初回限定盤(CD+LIVE DVD)¥2,778 e-stretch RECORDS
LIVE DVD「獣ツアー 2017」2017年5月7日
1.ユートピア/2.ラブラブ/3.ねえ中学生/4.らりるれりん/5.えらばれし子供たちの密話/6.屋根裏/7.人魚/8.綺麗/9.地獄タクシー/10.麻婆/11.カフェテリア/12.ぶらんこ乗り/13.一角獣/-ENCORE- 月曜日戦争 フレフレフラレ


●Information

《インストア情報》
吉澤嘉代子 2ndシングル「残ってる」発売記念インストアイベント

日時:10月4日(水)19:00
会場:タワーレコード梅田NU茶屋町店 6F イベントスペース
内容:サイン&チェキお渡し会

日時:10月5日(木)19:00
会場:タワーレコード渋谷店 B1F「CUTUP STUDIO」
内容:ミニライブ&サイン会

日時:10月7日(土)20:15
会場:ヴィレッジヴァンガード下北沢店 店内イベントスペース
内容:サイン&チェキお渡し会

*イベント詳細はこちら

《ツアー情報》
吉澤嘉代子「お茶会ツアー2017」

10月23日(月) 浜松 窓枠 18:30開場 19:00開演

10月28日(土) 札幌 Fiesta 17:30開場 18:00開演

10月29日(日) 仙台 retro Backpage 17:30開場 18:00開演

10月31日(火) 青森 1/3 18:30開場 19:00開演

11月2日(木) 京都 紫明会館 18:30開場 19:00開演

11月5日(日) 福岡 住吉能楽殿 18:30開場 19:00開演

11月6日(月) 熊本 早川倉庫 18:30開場 19:00開演

11月8日(水) 長崎 香港上海銀行 18:00開場 18:30開演

11月12日(日) 名古屋 三楽座 17:30開場 18:00開演

11月13日(月) 横浜O-SITE 18:30開場 19:00開演

11月17日(金) 岡山 MO;GLA 18:30開場 19:00開演

11月18日(土) 神戸 月世界 17:30開場 18:00開演

11月20日(月) 東京 SHIBUYA PLEASURE PLEASURE 18:30開場 19:00開演

11月21日(火) 東京 SHIBUYA PLEASURE PLEASURE 18:30開場 19:00開演




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吉澤嘉代子 Kayoko Yoshizawa
シンガーソングライター。1990年生まれ、埼玉県出身。ヤマハ主催「Music Revolution」でのグランプリ、オーディエンス賞のダブル受賞をきっかけに2014年にメジャーデビュー。2017年5月、バカリズム原作・脚本・主演ドラマ「架空OL日記」の主題歌として「月曜日戦争」を書き下ろす。2017年10月4日、2ndシングル「残ってる」をリリース。私立恵比寿中学や松本隆との共作により楽曲提供も行なう。
WEB:yoshizawakayoko.com

モトーラ世理奈 Sarena Motola
モデル。1998年生まれ、東京都出身。アメリカと日本のハーフで、15歳の頃に現在の事務所、ボックスコーポレーションからスカウトを受けて、モデルデビュー。身長167cmと、モデルとしては小柄ながら、彼女にしかない独特の表情や雰囲気を武器に多くのメディアで活躍中。
WEB:www.box-corporation.com


吉澤嘉代子 レース袖のワンピース¥49,000 レキサミ(エルバグース)/三日月モチーフのイヤリング¥13,000 プティローブノアー/チュールバレッタ¥11,000 ドレスアップエブリデイ(イー・エム ピクチャレスク)

モトーラ世理奈 ニットビスチェ¥19,000、Vネックニットトップ¥22,000 タン(シック)/プリーツスカート¥39,000 アグリス(アラウンズ)/クリスタルバレッタ¥15,000、パールイヤリング¥14,000 ドレスアップエブリデイ(イー・エム ピクチャレスク)/右手薬指に付けたリング¥28,000、左手人差し指に付けたリング¥24,000 イー・エム(イー・エム表参道店) *すべて税抜表記

ショップリスト アラウンズ TEL03-6447-2007/イー・エム表参道店 TEL03-5785-0760/イー・エム ピクチャレスク TEL03-6264-5185/エルバグース TEL03-3373-7493/シック TEL03-5464-9321/プティローブノアー TEL03-6662-5436

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『装苑』2017年11月号、9月28日発売

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