ここ数年、9月が来るのが怖い。
ここ数年、9月になると
嫌なことと、やりきれないこととが
いろいろと降ってくる。
20歳になる前までは
苦手な夏が終わることに浮き足立って喜んでいたし
誕生日がくることも、嬉しかった。
でも、ここ数年は
全くダメだ。
1年を通して考えてみると
(日記を読み返すと)
どうやら自分の中のいろいろなことが変化する時期みたいで
まあ、そうならば仕方がない。
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誕生日がくる前に
またこの本を開いた。
数ヶ月に一度
私はこの本を開く。
毎日を大切にできないときって
ときどきやってくる。
わかっていても
大切にできないときがある。
大切にしようとおもっても
忘れてしまうことだってある。
多かれ少なかれ
毎日を私は忘れてしまう。
気付かぬうちに、いろいろなことはすり抜けていく。
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大切にできなくなると
私は日記がおろそかになる。
毎日は確実に減っていく。
でも、日記を残すことで
来年の今日が増えることを、私は知っている。
もらった風景も
もらった言葉も。
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この本を手にしたとき
私は本の内容を
これっぽっちも知らなくて
裏表紙の写真が
とても気に入って
それだけの理由でレジに持って行った。
ピンクの壁紙と、ピンクのブラウス。
枝毛を触る女の子。
安部公房とわたし・山口果林