幼い頃から
祖母と出かけるのが好きだった。
小学生の頃は クリスマスになると
いつも二人でディズニーランドへ行って
ダンボに乗って パレードを観て
ご飯を食べて 帰った。
お出かけするときは 決まって横浜の高島屋で
ラーメン、ステーキ、寿司などの食品サンプルが
ごちゃっと ずらーっと並んだ レストランでご飯を食べた。
資生堂パーラーにも よく行った。
・
・
・
・
祖母は なにかと いろいろなものを買ってくれた。
二人で買い物へ行くこともあるし
祖母が 見繕って 買ってきてくれることもあった。
祖母は ギャルが服を買うようなお店にも ひとりふらっと入って
ピンクのTシャツなんかも 買ってきた
(これは さすがに着られなかったけど)。
祖母は 買い物が好きな人なんだろうとおもう。
・
・
・
・
私は普段 買い物をするためだけには 出かけない。
必要なものを 買いそろえる為には 出かけるけれど
服とか靴とか そういったものを買うためだけに 外へ出たりは しない。
でも 本当に時々
嫌なことや モヤモヤすることとかがあると
「服を買うぞ」と覚悟して 買い物へ行ったりする。
でも そういうときに限って 欲しいものと出会えない。
増大した もやーっとした気持ちを引きずって 帰宅したりもする。
・
・
・
・
何年か前に そんなことを祖母に話したら
祖母は こう言った。
「そういう時は 一本でもいいから 花を買って帰るといいの」
それから 私は
何かと 花を買うようになった。
うきうきした時も どんよりした時も
感謝したい時も 何かを失った時も。
・
・
・
・
そんな祖母が 先日80歳になった。
横浜のホテルで 傘寿のお祝いをした。
私は 今まで自分では買ったことのないくらい
大きな花束を買った。
・
・
・
・
一本の花を 家に連れて帰る その嬉しさを
教えてくれて ありがとう。