こんにちは。最近の一番奇妙な出来事は家に辿り着いて、気づいたら靴を履いてなかったことです。師走もすぐそこですね。皆さん帰路には気をつけましょう。
あの、自分が陰鬱なのは今に始まったことじゃないんですけど、最近それに拍車がかかっているのは年のせいか、こんな世界が悪いのか、まあ知らんですが、もうとにかく部屋締め切って漫画読みながらコアラのマーチ食べてる時間が一番幸せですね。良い大人が時勢も天気すら知らんで、まるで褒めたもんじゃないのは重々自覚してますけど、もうそのひと時のあまりの完成度の高さに、もはや誰に何言われても微塵も罪悪感うまれないです。
ちなみに最近わたくしが夢中なのは(紹介していいですか!いいですか~!?(照))猫十字社先生の作品たちです。(めくるめくファンタジー!タルホ節(稲垣足穂)に敏感な昭和生まれ or サブカルくそ野郎の諸君、代表作「幻獣の國物語」(素晴らしい中2殺傷能力です)だけ読むんでも恐らく十分昇天可能なんですが、できることならここはまず「小さなお茶会」から入って頂きたい。星の実ミルクティやタンポポはちみつ茶をキュートな2人嗜んでお腹ガボガボにした後、短編「夢売り」や「幻獣の國物語」の妖艶なGペン使いでじっくりゆっくり犯されて頂きたい(バッドランゲージすみません)
特に君やわたくしのような、中2の更なるその上のステージをお目指しの、中高年インハウスクリエイターに至ってはやはり、兎にも角にも、毎時のティータイムという重要なお務めに日々追われておりますので、先生の「小さなお茶会」(本当に終始お茶飲んでばっかの名作です(嬉泣))のお茶飲み作法を是非にもご参考にしていただき、更なるご自身の4畳半サンクチュアリ強化に精進して頂きたい。
てことで、地下(職場)でグズグズお仕事してる時以外は直帰→密室・寝地蔵の春が終わり、胡瓜かじってるだけの夏がきて終わり、(あれ秋も終わった...?)例年通りのウィンターシーズンお地獄絵図始まっております~~~ʕ•ᴥ•ʔ 毎年この時期(なぜか冬は案件重なっちゃうんですねえ)になると、すこぶる要領の悪いわたくしはパニックで顔が平行四辺形に歪んできたり、全身ぬか漬けみたいになってきたりして気持ち悪いんですが、最近明らかに細かい瓦礫みたいのが自分の周りに出現し始めたんで、私いよいよ岩の人(ネバーエンディングストーリーのやつ)になるのかなあ、などと悲観しておりましたら、どうやら職場そのものが岩の人だったようで(まじで)何故か私のデスク上部の壁が定期的に崩れてくるようになったんですよねえ。あと、すごい筑前煮の匂いがする。(多分上に住んでる大家さん)あはははは。大丈夫かなーー
ロックバイターって名前でした
てことで、クリスマスお仕事です。
どんなお仕事もそうなんですが、規模が大きいとやっぱり半年以上前から準備するんですよね。このお話を頂いたのは3月終わり頃でした。お題は「100年後のクリスマス」。楽しそう、でしょ?でもこれ、まともに想像するととっても困難で。100年後ってそもそも何(過ぎ去りし100年前のことも大してよくわかってない私が、大丈夫か)ていうか私たち、まだ居る?
...はい、目を閉じて下さい。想像しましょう100年後です。楽観的な未来です(一回滅亡してません。AIも反乱起こしません。)何が見える?どこに住んでる?どんな服着てる?
...はい。で、今想像された方で、具体的に色形が出てきた方もいると思うんですが、それら、恐らくほとんどはレトロフューチャーという価値観が土台になっている、あるいはそれそのものの可能性が高いです。 特にその暮らしぶりをファンタジックで楽観的に考えれば考えるほど、そのベースには特に60年代周りの先人が考えた楽しい未来の絵姿があったりするものです。(私はデザイン的な意味ではかなりこの価値観に支配されていました。好きってのものあるけれど)便利でテクノロジー!なんだけど、なんとなく物の量とかも多くて、街もパワフルで動的な感じ。
でも本当の本当にはどうなの?近未来。考えれば考えるほど、見た目はソリッドで何もなくなっていき(これもまあ、ある意味古臭いデザインだけど、合理的だしね)無駄やハプニング、ミステイクや矢島などはどんどん削ぎ落とされた安心未来がやってきそうだよね。人生のスパイスやドラッグなんかは全部データで挿入できるようになりそうだしね。
はて、そしてこのぼんやり想像未来に更に「クリスマスの過ごし方」想像を上塗りします。うーん。100年経って...そもそもクリスマスという習慣や宗教は残っているのだろうか?
現代でさえ特に日本では十分形骸化しているクリスマス。宗教や文化も超えた、無駄やご馳走や愛に溢れて浮き足立つこのホリデイシーズン......が、なかなかどうして私は大好きなんですけれど...ってところで気づいたのですが、これはすでに「クリスマス(=ホリデイシーズン)」はそのしかるべき姿、100年後辿り着く姿にもはや近いのではと。だって呪いのブードゥー人形みたいな自分でも、ビングクロスビーのきな臭いクリスマスソング(大好き)でそこそこ恵比寿顔になれるんですもの... これがハピネス&マジック?これが後世に受け継ぐハピネス&マジックなのね?)
100年後。ソリッドで無駄がない、完成度の高い暮らしの中でも、一年に一度は無駄に溢れて、あたたかでとびきりハッピーなイベント、欲しくなるでしょ?大切な人と過ごすひととき、かけがえないでしょ?サンタもエルフもロマンスも、もみの木とヤドリギがないと何だか降りて来なそうでしょ?
てことで、住む場所が変わっても、隣にいるのが人間じゃなくても、とにかく大切な誰かと過ごすひととき、心が温まるクリスマス(そしてそれは懐古趣味的だったりするのだ/クラシックの良さ!)、を今回描くことにしました。
おいおい我ながらなんてハートウォーミングな着地点だよ!
個人的にはディストピアと称される未来の方がよっぽどナチュラルだし、もっと個人的には未来はインナーユニヴァースへと続いてくのだ(0と1の間を刻んでいくと拡がる無限のミクロ世界)と信じているので、どうしても地続き(近未来)のオプティミスティックな未来は超想像しにくかったっす(根暗)
閑話休題、晴れやかに紐解くフューチャー。
ということで、上記あれこれの考察は土台にしながらも、造形はレトロフューチャーへのオマージュを多分に盛り込み、そしてスペースオペラ要素(スターウォーズ系)も含んだ、童話的でファンタジックな世界観を目指しました。(クリスマスは魔法の季節ですもん。未来といえどファンタジーは感じたいよね)100年後とは言いません。パラレルワールドかも。時代が変わってもどんな場所でも、ハートウォーミングクリスマス、フォーエバー!であります
阪急百貨店うめだ本店のクリスマスをプロデュースさせて頂きました。キービジュアル、7面のウィンドウ、ショップバッグ、プロダクト、そして9階のクリスマスマーケットのディレクションと、そのマーケットにおかしな宇宙屋台を作るなど...色々やらせて頂いてます。
関西方面にお住まいの方、お仕事、行楽などでお出かけの際にちらっとご覧いただけるととっても嬉しいです~~
「未来のハートウォーミングクリスマス」
会期 2018年11月20日(火)~12月25日(火)
場所 阪急百貨店うめだ本店 9F祝祭広場
〒530-8350 大阪府大阪市北区角田町8-7 TEL 06-6361-1381
詳細 http://www.hankyu-dept.co.jp/honten/h/c_market2018/index.html
9階のマーケットは前述のレトロフューチャーの愉快な部分を取り出したよーな楽しい空間です。異性のあの子もその子も、君もロボットも。宇宙ステーションで開かれるクリスマスマーケットがあったら...をテーマに作りました。
おでんおやじロボもいるよ うふふふ
次回現地ご案内ツアーいたしますね〜
プロダクトも色々作りました。100年後の人々もきっと今の我々と同じように昔のものを愛おしく思ったりするだろー、そしてそれらにほんの少し現代のエッセンスを加えてみたりするだろーなと思い作ったものたちです。
「ニューブロカントオーナメント」1940年代〜1990年代の各国のヴィンテージ雑貨に一手間加えたプロダクト
昔の印刷物などを木板にプリントしてタッセルなどを組み合わせた「コラージュオーナメント」
そしてKLOKAセレクトで1940年代〜1990年代の各国から買い付けたヴィンテージアイテム。ロシアやウクライナのヴィンテージガラスオーナメントは、やっぱり美しいです。
クリスマス始まったばっかですけど、現在はバレンタイン佳境です。
こちらはどっちかっていうと人類滅亡系未来を描こうとおもっております
それではみなさん良いホリデイシーズンを〜
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