Blog

矢島沙夜子

KLOKA

Sayoko Yajima 矢島沙夜子

東京生まれ。クリエイティブスタジオKLOKAに所属し、インスタレーションやウィンドウディスプレイ、プロダクトのディレクション、グラフィックデザインを中心に活動中。「7つの大陸と猫の舌」という物語をベースにした作品なども不定期に発表している。錬金術をテーマにしたチョコレート工場のような企画や、架空の浮島のジオラマなどにそのストーリーを展開するなど、ファンタジックな作風が特徴。表参道ヒルズクリスマスツリーの演出/デザインやPARCOポスターのディレクション、KLOKA PRODUCTSとしてアクセサリーブランドもスタートし注目を集めている。

極東から愛をこめて。矢島の真剣トラべローグ〜トルコショックからの回復旅行記〜

tukey0.jpg

実はトルコに行ってきた。実はっていうか普通に行ってきたんですけど、一年ほど前。この地への想いを咀嚼するのに随分時間がかかりまして、今ようやく己の眼を曇らせることなく、一、異邦人としてイスタンブール・トラベローグを記すことができるようになりましたので、筆を取りたいと思います。両世界の愛すべき人々、そして神たち精霊たちよ。これは極東の島国からやってきた矮小イエローモンキーの、ごくごく個人的なモノローグである。

この旅はそもそもが、玉ねぎ屋根が見てみたい、オスマン帝国のお料理食べたい!バザールでお茶買いたい!おしえてトルコ、アラビアンナイト~~ʕ••ʔ ってぐらいの漠然としたエキゾチシズムへの憧憬から始まったものでした。(言い訳はしません、だってまあ旅なんて結構な割合でそういうもんでしょう)思い立ってツアーを最初調べたんですがどうもイスタンブールのみの良いツアーが見つからず、仕方なくポルトガル(リスボン)との周遊パックにしました。特にこれといった理由があるわけじゃなく選んだリスボン。本屋で気づいた。おしゃれ旅ムック本の多さ&面出しの面積よ...!!うーんリスボン、愛され感がすごい。で、反面トルコ関連、が全体的になーんか情報うっすいんですわ~(おしゃれムック本ゼロ&地球の歩き方去年版のみ(入荷予定なし))。ていうかこの辺りでわたし、何かを察するべきでしたね。

ということで先にリスボン(ポルトガル)に入ったんですが、リスボンね...... もうなんつーかきれーいに角の取れた、大変ピースフルな愛されリゾート地でしたよ...。ぼーけーっと蛸の足くわえながら海辺歩いたり(蛸がうまい)イワシ食べたり(イワシもうまい)...の話は、まあただただ良い感じなだけなんで(照)機会があれば今度することにして。とにかくそんなヘブンスリゾートで数日過ごし、なかば産まれたばかりの天使ちゃん、のような無防備な状態でトルコ入りいたしました。

イスタンブール1日目

さてイスタンブール空港には現地のお迎え担当アフメドさん(日本語堪能)という方が来てくれていました。空港-ホテルの送迎だけなんですが、到着夜中(0時過ぎ)でいきなり現地タクシーは結構不安だったんでこのツアーオプションは嬉しかった。んで、実は夕飯を食べ損ねていたんで、お腹が空いており、試しに市内に深夜やってるスーパーはあるかと聞いてみたんです。そしたらアフメドさん、疲れてなかったら行きつけのロカンタ(食堂)に連れてくよ、などと言うのですよ。ちょっと大丈夫かなーとはもちろん思いましたけど、まあこの流れで変な展開はないだろーと(日本の旅行会社の契約ガイドさんですからね)、是非連れてってもらうことにしました。

で、無事ついた食堂。ここ、どうやらタクシードライバーのオアシスみたいな場所のようで、ざっかけない良い感じのローカル食堂でした。かなりわたし浮いてたとは思うんですけど、内装が絶妙にキッチュでひとり静かに興奮していました。

tukey4.jpg

ご存知世界三大料理の一つ、トルコ料理ですよ!!!正直ケバブとヨーグルトぐらいしかわからない。なぜ三大。ほぼ全体が赤茶色の煮込み景色を前にして今!今の所!まだわかりません!

tukey1.jpg

しかしあえてうっすら知識でニュートラルに挑みたい。きたれ、オスマンキュイジ~ヌ~!

決してアジアでもヨーロッパでもない、異国の匂いが充満した店内で、説明されてもほぼ想像がつかない料理(これは豆の煮込みとチキンの煮込みと言われたけれど私の知ってる豆の煮込みでもチキンの煮込みでもないしそれ以上は説明してくれない)をカウンターごしに形状でいくつか選び(現物見ながら先オーダー制)席に着いた。パンは無料で出てきます(大量)。

tukey3.jpg

そして頼んだ料理は今思えば「キョフテ」の煮込みでしたね。キョフテはトルコ料理の代表格でミートボールのことです。このスープはたぶんレンズ豆のスープだったんで調べたとこ、クルムズ メルジメッキチョルバス(え、)って名前のスープのようですわ。ガイドさんのご指示で現地の方々の習慣、ルッコラ+黄色い唐辛子レモン汁がけを齧りながらお料理たべる、を実践。なにその文化、よくわかんないけど好み。

tukey2.jpg

スープは酸っぱくてどろっとしている。ほんのりミントのような香りもする。出汁はそこまで感じない。何より暖かくて質量のあるものが胃に落ちる喜び~~ キョフテは羊肉ということはわかりましたがやはり香辛料の配合がまったくわからない味付け。でも美味しかったです。

ただ味付けは全体的に日本料理のそれとは、というかアジアとは根本的に加減乗除の概念が違う感じではありましたね。まだまだオスマンキュイジーヌ計り知れず。というより、異国の深夜ローカル食堂、謎のシチュエーションで正直味よりも楽しさ先行でしたのであしからず。しかもその上トルコ流のウェルカムなのだと言い張ってアフメドさん全部おごってくれましたよ...(合計たぶん500円くらいだけども)ほえ~~親日って聞いていたけど、なになにただの親切じゃない!一瞬疑ってごめんトルコ!ごめんアフメド氏!瞳はきらめき、ボスポラス海峡の星々のようだよ!

その後も何事もなく、ホテルまで無事送り届けてもらいましたよ。別れ際、感謝の気持ちをあらためて伝えると、せっかくだから明朝ホテルでおすすめスポットを地図に記しつけに行ってあげる、などと申し出てくれまして。仕事の行きがけだし、トルコ流のウェルカムだから何も気にすることはないと。えーーなんだか悪いよ!悪いけども!旅は何より出逢いだよね!てことで調子にのった私はすんなりトルコ流にお願いすることにしました。あははは。ありがとうシルクロード!こんにちはイスタンブール!!

イスタンブール2日目

さて翌朝、ホテルのビュッフェは簡素だけれど種類は多くて使い勝手良い感じです。生野菜とチーズとパンがメイン、あとはベーシックな卵料理。ああただ、あれですね。基本的にパンもチーズも卵も全て味がしないですね。テーブルソルト文化かな。あ、訂正します、ハムは顔が曲がるしょっぱさのものもありますね。あとふりかけ的な赤黒いものが野菜の横に数種ありますね。ゆかりみたいな味がする。ドレッシングは塩、酢、ヨーグルト!ふりかけ!意外と素材の国なのかな??あと酸味を結構大切にしていることがわかってきました。コーヒーはかなり濃くて粉っぽいです。トルココーヒーというやつですね。お茶の種類は20種類以上(リプトンティーバッグ)ありますね。とりあえずホテルのモーニングということで諸々の判断は保留にいたします。

さてホテルロビーにアフメド登場。おはようありがとう。今日も瞳きらっきら。地図を拡げると次々とおすすめスポットに記しをつけてくれてます。ほわーん親切!

バザールに行きたいと伝えたら何が買いたいのか聞かれ(バザールは広大、エリアに寄ってジャンルに分かれているらしい)、売り場のすみで埃をかぶった、小粒だけれどぴりりとウィットの効いた最高にキュートでファニーなファンシー雑貨(お手頃値段)が欲しい、といったニュアンスの想いは全く伝えられる自信も度胸もなく、ごにょごにょ「ちいさな雑貨など...」とつぶやくと、ああそれならおすすめのお店を教えようと!え、何、今のでなんか伝わった...?とりあえずバザールを案内するねと。

えっ連れてってくれるの?えーと、ていうかガイドしてくれるの...?大丈夫だよ?ていうかお仕事大丈夫ですか...... と思ったけどまあバザール本当に迷路っぽいので、こうなったらそれもありかなと。トルコ式ウェルカムにあやかろうぞ。

バザールに行くまでの道中はかなーり帽子かぶったしゃべる猿とかが出てきそうな雰囲気ですよ~!町中が出どころ不明の香辛料と羊の匂い。高ぶる。

tukey6.jpg

向かったバザールは近場の一番有名どころ、グランドバザールという市場。数少ないガイドブックの情報からは熱狂と喧騒のエキゾチック市場のようなニュアンス伝わってきましたが、印象としては、お声がけ&キャッチ、モラル的にぎりぎりアウト寄りのアウトな地方商店街・お土産物売り場(ただしすごい繁盛してる)という感じでしたね。何せ、日本語飛び交う飛び交う。無視すると中国語になってその後韓国語になる。最終的には私も片言の中国語で叫び返すという混迷っぷりに、肝心の商品は、実はかわいい、これ単体で普通に売ってたら絶対買うレベルのものが、最悪のバイアスがかかって絶対に騙されてやるものかこのジャファーの末裔が...に陥ってしまった。お値段的にもかなり安かった気がするけれど、あの中で気力が削がれてしまった。己の愚かさよ。くやしい。目覚めよ商人の血...呼び覚まされしソロモン王......!!(適当)

tukey7.jpg

tukey5.jpgなどと己を呪っていたら、アフメドさん(わすれてた)が雑貨屋に案内するよと。すぐ近くだよと。ああそうそう、それがあったよ!え、案内するよてバザール内じゃないの?え、徒歩20分(小雨)て結構だね??(ていうかお仕事は...?)と半ば躊躇し始めた時、わたしアフメドの瞳の中の星に鉛色の小さな点が生まれたのを見逃さなかったよ。実は15分くらいだし本当にせっかくだから親戚に是非紹介したいと。 あー知り合い!ご親族なのね? でもね、この後、市内ぶらぶらしたいからとりあえず場所だけ聞いとくよ、どういうお店か教えてくださいと言いますと、メインは大変上質な織物だと。

あ、織物、織物ってあれかな?絨毯...だね?(日本で買うとトルコ絨毯、畳一畳で100万くらいするものもありますね。まあ安くても数万の世界。)ええとね、絨毯は買わないの。小さな雑貨...は売ってるかな?と質問すると、先ほどと一転、もごもごしながら「小さいといえば小さい、買いやすい中ぐらいの織物もあると思う」。それは... それは小さい絨毯てことかな?中ぐらいのもある... 小さい絨毯と中ぐらいの絨毯てことだね!!!!

案内させてくれ、見るだけでいいと頑とゆずらぬアフメドの瞳のきらめきは、このあたりで深く強い鉛色に、限りなく灰色に近い灰色に淀み始めとりました。小雨と不必要な異国語セールス交流で若干疲労がたまっていた私は、ここぞとばかりに日本人流・丁寧に笑顔で受動攻撃的に、ここまでの感謝を伝え、そして強めのお別れをいたしました。ありがとうイスタンブールさようならボスポラス海峡の星...

道端におかしなお声がけ人種がたくさんいるのは知っていましたよ、異国を旅する身として。ただこの人旅行会社の契約業務中の立ち位置でしたからね。まさかとは思ったのですよね。ていうかいつから始まった?怒れる日本人やじま!調べられる日本人やじま~!震える指先で迷った挙句検索。 絨毯 詐欺 トルコ で出る出る体験談。「親切」「お茶をご馳走してくれる」「楽しい時間を過ごす」「何日間か観光に付き合ってくれる」「絨毯の話は最後まで出てこない」 あれ...これ私の話...?(泣)1.5日で終わって、そして強面の人など出てこなくてよかったです。絨毯ね。別にね、普通に生きていたらいつか、っていうかこの旅で買っていたかもしれないよ。素敵なじゅうたんトルコじゅうたん...ランプの神様...

どっぷり疲れたわたくしはとりあえず何を考えるでもなく、近場のロカンタ(食堂)にふらふら入り、一番近くで煮込まれていた、赤茶色い煮込みとらくだ色の煮込み、象牙色の煮込みを注文いたしました。よもやどれが何の肉かもわからん。気がつけばどこもここもあいつもこいつも羊の匂いだ...。

tukey8.jpg

たくさんの羊たちの亡霊よ、おぬしらの魂我と共に今ここに煮込まれり浄化せり...(混乱) いただきます。(羊の肉は入ってませんでした)

2日目後半戦につづくʕ••ʔ

SAYOKOYAJIMA instagram

www.kloka.com

KLOKA ONLINE SHOP

チョコレートにまつわるお知らせ:これからの画策エトセトラ

pylamid1.jpg

皆様ご無沙汰しております。今日は毎年行っているバレンタインのイベントについてのお知らせです。

お問い合わせを実は沢山頂いていて...嬉しいやらほの悲しいやらで、ああ何かお知らせをしなくては、とぐずぐず悩んでいるうちに2月に入ってしまいました。なんという不甲斐なさの平常運転よ。すみません。

ということであらためまして

今年は、KLOKAはバレンタインの時期にイベントという形で発表は行わない、という決断をさせて頂くことにいたしました。(楽しみにしてくださっていた皆様、ご連絡も遅くなってしまって大変申し訳ございません...

遅ればせながら、これに至った経緯と、今後のささやかな画策も含め是非みなさまにお話を聞いていただきたいなと思い...筆を取らせて頂きました。乱筆お許し下さい。

かれこれ6年ほど前から、KLOKAはこのバレンタインの時期にチョコレートにまつわるイベントを企画してまいりました。そもそもこれを始めたきっかけは、綺麗で美味しいチョコレートを買うだけじゃない、なんていうかもっと回りくどくて愉しいチョコレートの体験、「物語を食べているような食べ物(なんだよそれ?)」を作ってみたい!という想いが沸き起こったのが始まりでした。

6年前に、チョコレートで出来た小さな大陸(ジオラマ)を作り、その大陸の端っこにある泉の蛇口をひねるとホットチョコレートが出てきて飲める!というような、半ばふざけた作品をわりと真面目に作ったのが最初の企画です。

そこは世にも見つけにくい表参道の裏小路にある小さなギャラリーで、にも関わらずたくさんの方が来てくださり、とても感動したのを覚えています。(正直、誰も来なくても...と思っていたので紙コップが足らずに何度も買いに走っていたなあ)

それ以来、毎回テーマやストーリーを考え架空のチョコレート世界を作り、その世界に登場させる食べ物や飲み物を考え、(素敵と信じるものを生み出すために、それはもう全く素敵じゃない風貌と言葉使いで血を流しながら(実際に怪我もけっこうする)正味1年弱、死に物狂いでこれに取り込み)、毎年イベントという形で発表してきたという次第です。

そうして比較的純粋でバカな動機から始まったこのプロジェクトが、次第に沢山の人や物を巻き込むようになり、半ばなし崩し的に、とにかく大量に売るものを生産しさばかなくてはならない、ということに持てる力の大部分を割かなくてはならなくなってしまいました。

この「大量生産」は想像以上に、年々重い足かせとなってきてしまい(特にイベントという限られた時間、場所で何かをやるのは、有り体の言葉で言えばあまりクリエイティブではない要素が多いと言いますか)

何かをバランス良く継続させるということは、独りよがりでやりたいことだけやるわけにはいかない、と十二分に理解しながらも、もう少しだけバランスを欠いたものを、それは無骨で稚拙かもしれないけれど、当初から思い描いていたピュアで偏屈な妄想を、非加熱で世に出してみたい... という想いに辿り着くこととなりました。

ということで勝手ながら今年は整え直す機会にさせて頂こう、と。バレンタインにイベントという形で何か発表するのは控えさせて頂くことにいたしました。今次に思い描いていることは、短期間で終わるようなイベントではなく、「メゾン」のような形で長い期間構えていく方がより合うのでは?と考えています。お店だけれどお店では無い、都会の小穴のようなものを。とびきり変でロマンティックな場を!

実はすでにたくさんの試作を重ねていまして、なんだか面白くなりそうな予感がしています。おそらく発表は今年の秋口になりそうです。

ということで、近々あらためて良いお知らせをさせて頂けるかと思いますので、もうしばしお待ち下されば幸いです。プロジェクトのお知らせはKLOKASNSなどで随時発信していきますので、チェックしていて下さいませ。それまでにもその他の企画や商品の発表などはしてまいります。(3月には昨年登場した桃源郷のOMOTENASHI人形が登場するイベントも控えておりますよー)

それではみなさん、しばしの間お元気で。

またすぐにお会いできることを楽しみにしております。

20202

矢島沙夜子

P.S

私たちがやっていることは、ダイナミックな音と光のスペクタクルでもなければ、カカオ農園との熱いつながりを持つエモーショナルなチョコレートでもありません。時にわかりにくくて私的でひどく内向的なテーマやものづくりだったりもします。それでも、そういったものに企画に足を運んでくれるみなさんがいて、地味で無益と思いながらも半ば強引に渡していたストーリブックを読んで感想までくれるような好事家の方と出会う度、友達がほぼいない私が、生涯の友人と出会えたような気持ちに(勘違い)なって、それはそれは甘美な人生のモーメントを獲得することが出来るのです。勝手ながらありがとうすみません。

なんというか、大げさでなく企画に足を運んでくれるみなさんの、ほんのその一欠片の感想とかが生きる糧になってここまで続けてきています。末筆ながらあらためてお礼を。ありがとう&沢山の愛を!

tumblr_nqjd2qQi4o1uywd45o1_540.jpg

tumblr_nqjd2qQi4o1uywd45o3_1280.jpg

20150304_00.jpg

IMG_5499.JPG

mine0.jpg

isetanyama2.jpg

c2.jpg

gem1.jpg

A1poster.jpg

採掘様子.jpg

star77up.jpg

チョコ蛇口アップ.jpg

00keyvisual.jpg

dragon1.jpg

cocktailA.jpg

keyvisual_script.jpg

owatashi.jpg

IMG_2418.jpg

TAMATEBAKO_insidelow.jpg

SAYOKOYAJIMA instagram

www.kloka.com
KLOKA facebook

シャイニング続編... 続編?(怒)&All work and no play makes 矢島 a dull boy

冷たい風が頬をなで、落ち葉の絨毯を踏みしめれば金木犀が鼻腔をくすぐる秋も終わり、雪の気配さえ感じる冬の朝。季節が巡るごとにこの星が奏でる、四季折々の喜びのしらべラブ&ジョイ、は残念ながら今年も一年、微塵も私と私の地下室(職場)には降りてきませんでしたが、地上の皆さんに至ってはすてきな季節をお過ごしでしたでしょうか。

知ってますか。長年陽の当たらない生活を送っていると目ん玉がミートボール積み上げたようになり、手がパワーショベルみたいな形状にでかく無骨になってくるそうです。本当です。ナショナルジオグラフィックに書いてありました。こわい。

mogurahand.jpg

春夏秋冬安定の不安定感、寝ても覚めても寝てるに限りなく近いやじまです。惰眠の沼よりこんにちは。

ああ急に寒いですねえ。寒いといつも以上に判断がにぶるねえ。体が鉛のようだ...というか顔が鉛色だな。

誰にも聞かれませんけど、お答えするならばわたくしの最近のささやかな楽しみはさけるチーズをさかないで食べることと猫の毛でコヨリを作ることです。(知ってましたか、猫の毛こよると繊維にちゃんとなる)来年の冬までに沢山こよって小さなお帽子がつくりたいで~す

さて、私突然ですが映画シャイニングの大ファンなんですよ。

shiningmovie.jpg

キューブリック監督の大傑作&まごうことなきホラー映画の金字塔なので、別に世界中にファンはたくさんいらっしゃるとは思うんですけども。私の好きは結構もう憑依レベル(ジャックに)で好き、好きの熱量はかなり高いのではと自負しております。そんな中シャイニング続編... 続編てええええ!!!

え、まじでまじで、もしかしてオーバールックホテル、1921年のゴールドルーム(ホテルのバンケット)とか掘り下げてくれたりする??(ジャック(ジャックニコルソン演じる)は物語の最後1921年のパーティに囚われていますよね、オーバールックホテルの一部になってしまったほのめかしエンディング)このあたりもっと見たいよね!!そしてダニー?というかトニー(ダニーの空想上の友達です)はでてくるの?ハァハァ...  などとファン根性むき出しで鼻息荒げて見に行きましたよね。

はい。ここでまず疑問に思ったのが全世界のシャイニングファンはわたくしの好きとは違う「好き」なの...?ということですね。先に弁解しておきますが、わたくし、キューブリックのシャイニングが好きすぎて、その旨を熱く人に語る度、ああ原作は読まない方が良いねとその違いを語られてきました。なので原作のスティーブンキングによるシャイニングは読んでおりません。テレビドラマも見ておりません。にわかと言われようが読みません。なぜならばキューブリック版シャイニングに描かれるコンセプトと絵画的表現、音楽、その活字以外で初めて表せたそれらこそが、たまらなく好きだからです。

以下ネタバレ含みまっす

正直言ってシャイニングの続編、と告知されていた「ドクター・スリープ」はただのタチの悪い同人誌みたいなもんでした。ところどころに当時の映像まではさんできてね。音楽だってね、オープニングなんて目頭熱くなってつい胸をおさえましたよ。カーペット模様をフューチャーした効果も期待高なっちゃいましたよ。でも当時のそっくりさん起用してきたあたりでおやおやあ、なーんか変だなあと思い始めまして。作中、悪霊集団がでてくるんですけど、そもそもこれ、あのホテルとはなんら関係ないんですよね。ただのタチ悪い悪霊集団。(ちなみにこの集団の女頭は19世紀末から生き続けてる設定なんですが、どうみてもジェニファーロペス崩れみたいな20世紀末菜食ヨガ女。21世紀サスティナおばば。しかも眼が光る。眼が光る(爆死)。あと夜空も飛んじゃう(放心))そいつらがまたこれもホテルと全く関係ない人間をむさぼる。そんでまたこれも全くホテルと関係ない超絶能力をもった少女が立ち向かっていく。え、ちょ、ホテル...ホテルは...

んであれあれあれよっていう間に悪霊サイキック合戦は佳境、とってつけたみたいに最後ホテルへと向かうんですが、これもただダークマターが眠ってるからここにくれば悪霊もやっつけられるだろ!っていう謎の思考回路なんですわ。え、もしかしてあんたら...ホテル、当て馬にしてる...?唯一ポテンシャル感じた15歳の超能力少女もあっという間に口から生気吐き出してミイラ死するし。死霊クライシス方向だったらサム・ライミが撮った方がまだカタルシスもユーモアもあったよね?(「スペル」最高)とか思ってる最中に急に挟み込まれる当時映像。おいおいおいおいそりゃないぜ、そりゃ控えめにもレイプだぜえ、とか硬直してエンディング迎えた時はっきりと気づきました。シャイニングファンの映画監督がロケ地のオーバールックホテルに行って、オマージュ的に悪霊退散ムービーを作っちゃった、みたいなことなのねと。とにかく静まれわたし...の気持ちでエンドロールで「ドクタースリープ 感想」検索して発見しました。

あれ...?この想い、もしかして...わたしだけ...?(汗笑)

https://filmarks.com/movies/80052

意外と受け入れられているなあ、あははははは

そして更に発見しました。わたくしが無知で阿呆でした。これはスティーブンキングとキューブリックの間で、バランス取った映画なんですね。スティーブンキングがキューブリック監督のシャイニングに当時全く違うと腹を立てまくったのは有名な話ですが、(どうやら原作はスティーブンキングの半自伝的な、彼の思い入れが深い作品だったらしいです、それが大切なコンセプト部分をかなり暴力的にカットされて怒り狂ったと... はあ、私は知ったこっちゃないですキューブリックのファンですすみません)これはキングの続編の映像化なんですね。キューブリックは死んでしまいましたがキングはご存命、ということに尽きるのかな?ただただ。誤解しないでいただきたいがキングは大好きですよ。ペットセメタリーなんか名作。

うーんでもね、だったら映画シャイニングの場面を微塵もリフレインして欲しくなかったですよ。全編通して映画シャイニングの良さは、狂っていく人間そのものの恐ろしさが何よりの怖さで魅力じゃないのかな?その怖さが幻想的で美しかったんだよ。悪霊的なものはただの添え物でね。(もちろん絵画的な美しさは別ベクトルで最高なんだけれど)ドクタースリープは言えばなんの因果もなく悪を悪と定めて、なんの説明もなく「正しい」人間がそれと戦ってるだけの映画です。その上ホテルが悪霊退散の当て馬だなんて、恐ろしさも色気もエレガントさも、かけらもないじゃないかああああああ!

ジャックニコルソンの眉毛も不穏な音楽もボールルームでの1921年独立記念日の饗宴も犬男もトニーも、ダニーが銀食器で食べたチョコレートアイスクリームも、本当に愛していたのは私だけなのか...?本当に恐ろしいモーメントてのはカミソリみたいに美しい、なんつーかぎりぎりの間合いじゃないかね。どろどろの悪霊ばばあばっか出しやがってよう。40年前に放棄され朽ちたホテルなんか見たくなかったよ。

ああ...何ならわたしが続編撮るよ?と言ってて気づきましたがこれがただの阿呆なファンの同人根性なんですね。換骨奪胎・私だけの君、レイプ根性。要は自分と趣味が合わない同人誌を観覧してぶうぶう言ってるだけのことだったんですね。タチの悪さでは自分が上ですわ。戯れ言すみません...でした...。

ということで、みなさんぜひにも映画館でお楽しみくださいませ。今ならもれなくアナ雪2とどっち見ようか悩める選択肢もついてきます。

shiningbar.jpg

b19b7194d3071651758eb547c771ec47.jpg

inuotoko.jpg

shiningtwin.jpg

jackadullboy.jpg

jack2.jpg

さて話題は変わりますが

わたくしには今年の春から大変優秀な軍師がついてくれておりましてね。(や、私のお手伝いをしてくれてた方はみなさんほとんどが様々に優れていたんですけどね)このニュー軍師がとにかく戦闘能力高いんですわ。 わたくも元来大変矮小というか喜怒哀楽だったら確実に怒りのパワーが生命力に直結するタイプなんですけれど、この怒りというところにおいて、ニュー軍師が大変長けてましてね。というか私の原動力を見透かして焚きつけてくれんのか、とにかく私より先に怒ってくれんですよね万物に対して(笑)。ちょーっとしたことで、四千年くらいうじうじうじうじやっちゃうん私なんかは、からっとすかっといろんなものに怒ってくれると救われるんだなあああ。で、なんか己までもすんごい清く強く正しく戦ってるような気分になってくんですわ。

かつては頰に精神的馬糞と生卵の張り手を感じながら歩いていた贖罪の六本木通りの金曜日も、今や何一つ功績をあげてなくともまるで勇者凱旋の気持ちで西麻布の往来を闊歩できるようになりました。(実際わたくしが常日頃落としまくってた納期(すみませんすみませんすみません)は被害が約半分にまで軽減されてますからね!!あははは!)

いやあしかし、身体というものはあっというまに拡張するものですな。

自分は怠慢ずぼら優柔不断な上、眼を閉じると半世紀は惰眠をむさぼる人間、と思っていたのですが、ここにきて、実は怠慢ずぼら優柔不断眠ると半世紀起きられない上、すぐに怒れて踊れる同調お調子人間なのだということを理解しました。あはははは

all work and no play makes jack a dull boy

ちなみに働いてまっっっすʕ•ᴥ•ʔ お仕事報告しそびれた

お仕事関連はインスタなどからどうぞ

さようならハッピーホリデイ

SAYOKOYAJIMA instagram

www.kloka.com
KLOKA facebook

1/17 1 2 3 4 5 17

MAGAZINE

『装苑』2020年5月号、3月28日発売!

calendar

-event -promotion -exhibition

Page Top