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●ヴィンテージ感覚の復活(焼き加工、クラッキング)
●異素材風加工のレザー(ファブリック風、木目革)
●使い方提案(インテリア&ライフスタイル)
●サスティナビリティの強化
●関税撤廃による環境変化への対応
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新たなマテリアルの提案及びトレンド情報を発信する日本最大のレザーのトレードショー「東京レザーフェア」では「百人百様百レザー」をテーマに設定。多様性、個性を尊重する時代にフィットする方向性ですね。
復活の「ヴィンテージ感覚」は、経年変化が楽しめる革ならではの特長のひとつ。一方、異素材風レザーは「革らしくない」テクスチャー。
状況の変化によって、ユーザーのライフスタイル(仕事、暮らし)のシーン、コミュニティの属性に合わせた購買傾向、「革が好きだけれど、革らしくない素材(テクスチャー)を選ぶ必要性」が生じることも考えられます。多様性のあるバリエーションから、それぞれのニーズに最適化したレザーを選べるような提案も求められているようです。
富田興業
常に新しいレザーを創造し続ける、レザーライフクリエイター、富田興業では多彩なプレゼンテーションで「レザーのある生活」を提案しました。なかでも「蓼藍絞り染め」が話題です。
<オフ- ホワイト c/o ヴァージル アブロー>をはじめ、<ルイ・ヴィトン>メンズ アーティスティック・ディレクターとしても知られるヴァージル アブローが雑誌「デイズド(DAZED)」が近年のトッププレーヤーを特集するシリーズのインタビューで、「(今後は)消費者がファッションの知識や個人のスタイルをヴィンテージで表現する、とても素晴らしい状態になっていくだろう」と語り(出典:「WWDジャパン」2019年12月26日更新分)、注目される「ヴィンテージ」感覚をいち早くとらえています。
強力な撥水機能とソフト感をハイブリッドさせた進化版をはじめとした防水加工のバリエーションも拡充。伝統文化、古き良きものが現代の生活に溶け込む我が国ならではの新しい「日本らしさ」、近年の天候不順を鑑みた防水機能など、ニーズにしっかりと応えた価値ある革づくりに信頼が寄せられます。
吉比産業
創業以来、130年以上の歴史を有する吉比産業。ファッション性・機能性に優れた各種皮革素材を提示する革の卸売専門商社です。
国内の原皮、クラストにこだわりすぎず、国内タンナーの技術力、豊かな感性による仕上げを最大限に生かした「ベストチョイス」×「ハイブリッド」で、時代に即したものづくりを切り拓きます。
新作、レザー×マグネットのハイブリットが好評です。建築(内装)資材メーカーとの共同開発が結実。インテリアコーディネートや模様替えがしやすい壁材としてはもちろん、暮らしが楽しくなる使い方を打ち出しています。
ファッション雑貨では、ジャケットへのダメージが少ないブローチ、コサージュやシート状のコインホルダー・・・といったアイテムへの活用もできそう。
「ビジネスとして産業として継続すべく、ファッション以外のジャンルへの訴求が欠かせません。レザーの価値を認知していただき、次世代の顧客を育成するための素材開発を進めています」(代表取締役社長 吉比 浩さん)。さらなる広がりに期待したいですね。
アドバンス、モードテイストのシューズ向けレザーを中心にトレンドを意識したカラー、質感をバリエーション豊富に展開するタテマツ。今回は「ナチュラル」と「エレガント」、相反するテイストが共存、調和するようなコレクションを展開。
ノームコア ブーム後、「脱シンプル」傾向が続きますが、振り切ったアバンギャルドではなく、程よい個性、価値が求められているようです。
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オーソドックスな素材からエキゾチックレザー、その他希少性の高いものまで、
多種多様な皮革がそろう老舗企業。若いスタッフが生き生きと働く溌剌颯爽な社風が特長です。
このほか、ユニークな革がそろい、目利きの業界関係者が絶え間なく訪れていました。
丸喜
トレンドはもちろん、時代性をいち早く提示する皮革卸、丸喜。日・EU EPA(経済連携協定)発行によるヨーロッパ向け輸出(日本製革製品)関税撤廃を受け、海外市場で販売したい企業へのサポートを開始。支持を広げています。
「環境配慮型のタンナーを支援していきたい」と藤田晃成社長。兵庫県たつの市のタンナーをはじめ、ネットワークを構築。2020年は「持続可能性(サスティナビリティー)」をテーマに掲げ、「Confort Elegance」、「Sustainability japan」を基調に展示発表しました。
スタッフ 大熊寛太さんは、若い世代の視点、ファッションが好きなビジネスパーソンならではの発想で企画を推進。周囲を巻き込み、自らも楽しみながら、ジャパンレザーのヴィジョンを語ってくれました。新たなプロジェクトも準備しているそう。
通気性・放熱性も高く、表面の摩擦にも耐性があるので、スマートフォン関連アイテムにぴったりですね。昨年末の「ジャパンクリエーション」「東京レザーフェア」でも公開されていますが、じっくりと見て触れることができる貴重なチャンスとなりました。
ファッションにイノベーションを感じることができない、「ワクワクする」価値を見出すことができないユーザーに、ジャパンレザーの魅力をどうお伝えしていくか?
浅草周辺を駆け足でまわり、個展にお邪魔しお話しを伺うなか、ジャパンレザーの未来を照らす、各社のさまざまなチャレンジングに、胸が熱くなりました。
元記事・アーカイブ記事はこちらからご覧ください。
http://www.jlia.or.jp/enjoy/blog/