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鈴木清之

オンラインライター

Kiyoyuki Suzuki 鈴木清之

文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務を経て、日本国内のバッグブランド、皮革産業を中心にブログ執筆、ソーシャルメディアのコンテンツ運用を担当。イースト東京エリア・徒蔵(カチクラ/御徒町~蔵前~浅草橋 台東区南部)で行われる、ものづくりイベント「モノマチ」ソフトブレーン、デコクロ(デコレーション ユニクロ)部 発起人、書籍「東京おつかいもの手帖」や「フィガロジャポン」“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”としても活動。

皮革産地(東京、姫路)の最新傾向とは? 2018年秋冬シーズンのレザートレンドを探る #2

前回に続き、「2018年秋冬シーズンのレザートレンドを探る」レポートをお届けします。

富田興業株式会社ショールームに東京製革産地協議会の特設コーナーが登場。国内で自給自足できる唯一の素材、ピッグスキンをフィーチャーしています。精緻な製革技術、高度な表面加工技術はメイドイン東京ならでは。欧米の一流ブランドにも採用されるなど、日本の革の素材力に磨きをかけて。

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そんな東京レザー、ピッグスキンの最新コレクションのインデックスは・・・。


「シンプル:革のベーシックが際立つ」

*世界が認める精緻なクオリティーがベース
*本格的なタンニン鞣しによる革の表情
*ハイブリッド鞣し(タンニン×クロム)によるしなやかな風合い
*シュリンク技術になる革の表情の強調

「精緻な加工技術:多彩な風合いのバリエーション」

*エンボスによる立体的なサーフェイス
*艶加工・塩縮・フィルム加工
*プリント/手染め仕上げ

「新しい装飾性:色×プリント×光沢」

*高度な表面加工技術
*高度な色/プリント/光沢の表現力
*革感を生かす装飾性の探求

「トレンド力:色/光沢/タッチ」

*グローバルなレザートレンドをとらえた高感度な皮革
*伝統を再構築するトレンドカラーとサーフェイス
*布やニットにも馴染むしなやかな風合い

さらに3つのテーマが提示され、傾向とともに各社の素材を展示しました。

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テーマ:1「COMPASS/NEW BASIC」

ピッグスキンらしさの強調、基本素材の発展系を中心としたカテゴリーです。
「使い込んだ光沢」「風化した銀の輝き」などヴィンテージ加工が進化していますね。色彩感を高めたブラウンからオレンジまでのカラーパレットに加え、透け感もポイントに。この春、PVCがトレンドとして話題となっていますが、その流れからスケルトン感覚にも注目。透け感をまとったエナメル、クロコダイル調レザーもセレクトされました。

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テーマ:2「FAIRY TALE/EFFECTS」

3D効果、モダンな凹凸をカテゴライズ。「塩縮で〇〇」「デイリーなプリーツ」・・・と、グラフィカルな感覚がユニーク。メスカットによる独特の風合いもクリエイターの感性と発想を刺激します。可塑性の高さが反映され、各事業者の高度な加工技術があるからこそ実現。景気浮揚に伴う大人世代の消費復活に対応できそうです。

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テーマ:3「COLORS/VISUALIZATION」

視覚効果で革の新しい表情を引き出した意欲作が続々。ゴージャスな深い多色相、ニュートラル&ブラックと、幅広いレンジでそろいました。色柄、モチーフも多彩で「カラフルツイード」「輝く石」をはじめ「幾何学柄と蛇」も。パイソン柄は財布、小物で底堅いニーズがありますね。ファッションだけでない、風水をはじめとしたエモーショナルな消費動向の定着を感じさせます。

本日1月31日(水)から東京・有明 東京ビッグサイトでスタートする「第85回東京インターナショナル ギフトショー」では東京製革産地協議会がブース出展しています。

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素材だけでなく製品でもプレゼンテーション。タンナーやファクトリーのオリジナルブランド、クリエイターとのコラボレーションをお披露目。お出かけの予定があるかたは、チェックしてみてください。

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続いて、吉比産業へ。

天然皮革のもつ「人への優しさ」、本革ならではの「肌触りの心地よさ」など皮革素材を通して生活文化の向上に尽力しています。 東京、大阪、神戸といった皮革製品の産地特有の個性を生かしつつ、各種ファッションや機能性に優れた皮革素材を研究開発し、素材を提案する老舗企業です。

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ウィンドーディスプレイでは製品を展示し、わかりやすく提案。丁寧な応対も好評です。若いビジネスパーソンほか、幅広い世代の関係者が訪れていました。

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海外だけでなく国内のものづくりにも注力。メイドイン東京のピッグスキンはこちらにも。

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昨秋から人気継続のチェック柄プリント。メタリックカラーも加わり、さらに洗練された印象に。

国内有数の産地、兵庫・姫路からも秀逸な皮革素材が届いていました。明るいブラウンからキャメル、グレージュまで、ベージュを中心としたカラーが充実。

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この春、べージュがトレンドとして浮上。ウェアだけでなく、シューズ、バッグ、小物まで幅広いアイテムに提案されています。

吉比社長にお話しを伺うと姫路の革と革のものづくりをユーザーとつなぐ、新たな取り組みの準備が進められているそう。タンナー、ファクトリーが切磋琢磨し、つくり上げたレザーをアピールすべく多様な可能性を検討。皮革業界をビジネス面で支えてきた企業が客観的な視点と、蓄積してきた目利き力を生かし、しっかりとサポート。ジャパンレザーをさらに活性化する一助となりそう。

訪日観光客が増加する近年、関西エリアに人気が集中しています。インバウンド消費も盛り上がるなか、日本らしさが生かされたレザー製品開発やレザーファッションの地産地消にも期待したいですね。


■ 参考URL ■

「東京インターナショナルギフトショー」 www.giftshow.co.jp/tigs/life3invitation/

吉比産業 http://www.kibi-1882.co.jp/

このエントリは、一般社団法人 日本皮革産業連合会ホームページ公式ブログ「欧米ブランドに負けていないぞ」とのシェアコンテンツです。
元記事を読む http://www.jlia.or.jp/enjoy/blog/

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