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鈴木清之

オンラインライター

Kiyoyuki Suzuki 鈴木清之

文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務を経て、日本国内のバッグブランド、皮革産業を中心にブログ執筆、ソーシャルメディアのコンテンツ運用を担当。イースト東京エリア・徒蔵(カチクラ/御徒町~蔵前~浅草橋 台東区南部)で行われる、ものづくりイベント「モノマチ」ソフトブレーン、デコクロ(デコレーション ユニクロ)部 発起人、書籍「東京おつかいもの手帖」や「フィガロジャポン」“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”としても活動。

東京スカイツリー周辺でつくられる<東京レザー>#9/多彩なバリエーション充実 鮮度の高い企画を提案<ティー・エム・ワイズ>

昨秋、刊行された、東京都/東京製革業産地振興協議会「TOKYO LEATHER PIGSKIN 2017 東京産の皮革ピッグスキン」の一部、参加企業・事業者さんの取材を「B.A.G.Number」編集長 川崎智枝さんとともに担当いたしました。これまで、展示会などで拝見することは多かったのですが、オフィス、ファクトリーを伺うのははじめてのタンナーさんもあり、貴重な機会でした。ものづくりの現場にご許可いただき、拝見。真摯な姿勢で取り組むつくり手の皆さんの緊張感と集中力がみなぎっていて、とても感激しました。そのテキストを再構成し、当ブログでご紹介します。

なお、「第96回東京レザーフェア」(2017年5月25日~26日開催)の会場内、東京都/東京製革業産地振興協議会ブースで各社の自信作が出品されますので、こちらもお見逃しなく。

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若手社員を革のプロに育てる

ご兄弟の名前の頭文字を並べた社名が印象的な<ティー・エム・ワイズ>。実家の革メーカーを独立し11年前に始動。渡邊社長をはじめ「新しいことにチャレンジしよう」というポジティブさが感じられます。

ピッグスキンに加え、風合いや色出しにこだわったシープのシルキー素材が充実し、カラーは全部で100色をラインナップ。フィルム・箔貼り、塗装、オイル入れ、ワックス、パール加工などの仕上げ加工が得意だそう。「最近の傾向では二次、三次加工だけでなく、さらに型押しし、洗いを施すなど、更に加工を重ねているのが特徴です」と渡邊社長。

年二回、イタリアで行われる見本市「リネアペッレ」には必ず社員を派遣。レザートレンドをいち早くキャッチ。海外情報をタイムリーに取り入れ、新たなチャレンジに生かしています。若い世代が生き生きと活動し、女性スタッフならではの感性を反映。鮮度の高い企画を打ち出すのがティー・エム・ワイズらしさ。

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機能性とカラフルさを目指して

いま力を入れているのが、他社で手掛けていない新しい切り口の素材開発。例えば"抗菌の革"や"日光に当たると色が変化する革"など、機能性、華やかさを追求しています。
「10回チャレンジしても、成功はよくて2回程度。それでもこんな薬品を入れたらこうなったという変化がおもしろい。毎日が楽しくてしょうがないです。ユニークな企画を問屋へ持っていき、よろこんでもらえることがなによりの励みです。メイドインジャパンの革を製品化して海外へ輸出するのが夢です」と笑う渡邊社長は、スタッフ全員での着実な成長を目指しています。
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≪MEMO≫

◆原皮はパキスタンやインドから"クラスト"状のものを年間契約でリーズナブルに仕入れられるのが強み
◆カラーの発色が特にキレイ。他ではあまり見られないビビッド、ブライト系なども充実
◆社長の義理の息子さんが2年前に入社。異業種からの転職だが「自分で色を作れる」ことに今はハマっているとか
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有限会社ティー・エム・ワイズ

東京都墨田区東墨田3-14-3
TEL: 03-5630-8189
FAX: 03-3612-5111
東京都/東京製革業産地振興協議会「TOKYO LEATHER PIGSKIN 2017 東京産の皮革ピッグスキン」を再構成
東京都/東京製革業産地振興協議会「TOKYO LEATHER PIGSKIN 2017 東京産の皮革ピッグスキン」
平成28年度 東京レザーファッションフェア2016(ピギーズ・スペシャル)に係る都内皮革鞣製業の広報・宣伝事業
企画:株式会社ソーシャルデザイン研究所
撮影:康 澤民
取材担当:川崎智枝(「B.A.G.Number」)


ブックレット「TOKYO LEATHER PIGSKIN 2017 東京産の皮革ピッグスキン」は、「第96回東京レザーフェア」(2017年5月25日~26日開催)の会場内、東京都/東京製革業産地振興協議会ブースで設置・配布予定。

東京スカイツリー周辺でつくられる<東京レザー>#8/職人の指先と高い技術力で生まれるエコレザー、オルガノ<福島化学工業>

昨秋、刊行された、東京都/東京製革業産地振興協議会「TOKYO LEATHER PIGSKIN 2017 東京産の皮革ピッグスキン」の一部、参加企業・事業者さんの取材を「B.A.G.Number」編集長 川崎智枝さんとともに担当いたしました。これまで、展示会などで拝見することは多かったのですが、オフィス、ファクトリーを伺うのははじめてのタンナーさんもあり、貴重な機会でした。ものづくりの現場にご許可いただき、拝見。真摯な姿勢で取り組むつくり手の皆さんの緊張感と集中力がみなぎっていて、とても感激しました。そのテキストを再構成し、当ブログでご紹介します。

なお、「第96回東京レザーフェア」(2017年5月25日~26日開催)の会場内、東京都/東京製革業産地振興協議会ブースで各社の自信作が出品されますので、こちらもお見逃しなく。

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アナログな革づくりに徹底してこだわる

原皮の仕入れからなめし、染色、仕上げまでを一貫して行うことが他社にない何よりの強み。特に豚原皮は中国への輸出が増大し、国内での安定供給が難しいものの、多様な卸先やと畜場とのネットワークを確保して仕入れています。
16年間この工場で働く工場長の三好務さんによると、「革づくりはアナログそのものですね。会長からは、『指先が基本なので何でも触って確認するように』と徹底的に教わりました。作業時はできるだけ手袋を使わず、指先の感覚を研ぎ澄ませるようにしています」
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水分と油分が残る原皮はずっしり重量がありますが、一枚一枚確かめながらドラムに投入。「こちらは大人サイズ、これは小さめ」と大きさによってなめし具合が変わるので、きちんと選別するそう。「タイコに入った皮になったつもりでやれ」と以前会長に言われたと笑う三好さん。プロフェッショナルな仕事ぶりが素材の仕上がりにも表れています。

3年がかりで完成した<オルガノホワイト>

エコレザー<オルガノホワイト>が同社の主力です。インクジェットレザーが拡大するなかで、この白の発色がプリントの下地として人気が高まっています。なめす際に使用するオイルの微調整により、プリント時の色ムラやにじみが少ないのが特長。革には有害な薬剤を使っておらず環境にもやさしく、ピッグでもソフトな質感が特徴の新時代レザーです。
「このレザーの開発には約3年かかりました。最初はクリーム色でしたが、徐々にピュアホワイトが完成しました。実は傷や肌荒れが無い原皮を選り分けるので、1,500枚のうち150枚程度しか取れない一級品の素材なんです。こちらにデータを送って頂ければ、インクジェットプリントまで行うことができます」と福嶋社長。現在はノンクロム、ノンホルマリンの<オルガノⅡ>も完成。幅広いジャンルで注目されています。
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≪MEMO≫

◆ジャパンクリエーション テキスタイルコンテストでは3年連続入賞した実力派
◆某人気バッグブランドは福島化学工業のピッグスキンを採用
◆和紙に革くずを混ぜて素材にしたいというクリエイターの相談もあるそう
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福島化学工業株式会社

東京都墨田区東墨田3-9-17
TEL:03-3616-0010
FAX:03-3616-0013
http://www.fukushima-kagaku.co.jp
東京都/東京製革業産地振興協議会「TOKYO LEATHER PIGSKIN 2017 東京産の皮革ピッグスキン」を再構成
東京都/東京製革業産地振興協議会「TOKYO LEATHER PIGSKIN 2017 東京産の皮革ピッグスキン」
平成28年度 東京レザーファッションフェア2016(ピギーズ・スペシャル)に係る都内皮革鞣製業の広報・宣伝事業
企画:株式会社ソーシャルデザイン研究所
撮影:康 澤民
取材担当:川崎智枝(「B.A.G.Number」)

ブックレット「TOKYO LEATHER PIGSKIN 2017 東京産の皮革ピッグスキン」は、「第96回東京レザーフェア」(2017年5月25日~26日開催)の会場内、東京都/東京製革業産地振興協議会ブースで設置・配布予定。

東京スカイツリー周辺でつくられる<東京レザー>#7/革らしさ・新しさを表現し、インテリアほか異ジャンルを開拓<長坂染革>

昨秋、刊行された、東京都/東京製革業産地振興協議会「TOKYO LEATHER PIGSKIN 2017 東京産の皮革ピッグスキン」の一部、参加企業・事業者さんの取材を「B.A.G.Number」編集長 川崎智枝さんとともに担当いたしました。これまで、展示会などで拝見することは多かったのですが、オフィス、ファクトリーを伺うのははじめてのタンナーさんもあり、貴重な機会でした。ものづくりの現場にご許可いただき、拝見。真摯な姿勢で取り組むつくり手の皆さんの緊張感と集中力がみなぎっていて、とても感激しました。そのテキストを再構成し、当ブログでご紹介します。

なお、「第96回東京レザーフェア」(2017年5月25日~26日開催)の会場内、東京都/東京製革業産地振興協議会ブースで各社の自信作が出品されますので、こちらもお見逃しなく。

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イメージを覆す、重厚感漂う豚革 

革らしさとは何か? 
革に携わるつくり手たちが生涯追い求め、問い続ける大命題です。答えはひとつではなく、だからこそ、各々が自分らしく試行錯誤を重ね続けます。長坂染革ではタンニンなめしのヌメ革で染色、オイル、ワックス...と多様な技法でアプロ-チ。革本来の味わいを生かすこと、感触を重視した繊細なハンドワークが身上です。
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革好きユーザーの好みを熟知し、メンズバッグ用の素材に定評がある同社。墨田区を拠点とする財布ブランドとの取り組みでは、豚革の表現をまたひとつ切り拓きました。革との相性の問題でワックス仕上げは難しいといわれていますが、「ソフトで軽やか」という豚革のイメージを一新。重厚感と艶やかさを兼備した仕上りを二年かけて実現したそうです。

革と向き合う姿勢に信頼が寄せられる

自由闊達なモノづくりは瑞々しい感性がベース。作業場はアトリエと呼びたい雰囲気です。三代目社長 長坂守康さんをはじめ、若い職人たちのポジティブな意識が息づいています。自社の皮革素材がディスプレイされる階段はまるでショールームのよう。革と向き合う姿勢に信頼が寄せられます。墨田エリアからは離れているものの、工場見学ツアーなどの企画で依頼が続々。
長坂さんは建築関連の仕事から転身。祖父から続く家業を継いだそう。「革づくりも建築同様、好きな"モノづくり"です。今後も機会があればさまざまな用途の革にチャレンジしていきたい。このところ、インテリア関連の依頼もあります」。最近著名なカフェの内装も手がけたそう。「難しい注文に知恵を絞り、コストも考えて具現化し、お客さまのリクエストにお応えできたときは嬉しいです。そしてその仕事を見てくださった方から『長坂さんなら出来るかも!?』とまた別のオファーをいただく、良い循環が生まれていけばいいなと思います。壁面収納を革で覆うという案件もありました」。真摯に革と対峙し、ひた向きにその可能性を探り続けています。
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≪MEMO≫

◆牛革、ゴートなどのタンニンなめし革も対応。
◆美術大学を卒業した若いスタッフが在籍し、感度が高い革づくりが秀逸。
◆イベント用に皮革小物の販売(不定期)も。
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長坂染革株式会社

東京都葛飾区堀切1-34-8
TEL:03-3691-1161
FAX:03-3691-1512
東京都/東京製革業産地振興協議会「TOKYO LEATHER PIGSKIN 2017 東京産の皮革ピッグスキン」を再構成
東京都/東京製革業産地振興協議会「TOKYO LEATHER PIGSKIN 2017 東京産の皮革ピッグスキン」
平成28年度 東京レザーファッションフェア2016(ピギーズ・スペシャル)に係る都内皮革鞣製業の広報・宣伝事業
企画:株式会社ソーシャルデザイン研究所
撮影:康 澤民
取材担当:鈴木清之(「B.A.G.Number」)
ブックレット「TOKYO LEATHER PIGSKIN 2017 東京産の皮革ピッグスキン」は、「第96回東京レザーフェア」(2017年5月25日~26日開催)の会場内、東京都/東京製革業産地振興協議会ブースで設置・配布予定。
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