上質でクリエイティビティあふれるファッション・雑貨・ライフスタイルの合同展示会「プラグイン」(主催:繊研新聞社)が3月15日(水)から3日間、東京・渋谷 渋谷ヒカリエにて行われました。
上質なウェアとファッショングッズ、ライフスタイルブランドなど147社が出展。エントランス付近では<stopover tokyo(ストップオーバー・トウキョウ)>がフードエリアをコーディネート。
「カフェがコーディネートするブース」という切り口で、高感度なインポートフードブランドを集積。フードカルチャーがファッションを感じさせる時代にマッチした空間演出で盛り上げました。そんな最新トピックを発信する会場から日本製革製品を中心にピックアップしてご紹介します。
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旅をコンセプトにしたハイカジュアルバッグブランド<TRAVER(トレヴァー)>がデビュー。
豊岡をはじめ、すべての工程を国内で行うことにより、高い品質を実現。「旅の出会いは人生に新しい価値をもたらして より上質で豊かな人生へと導いていく」、「日本の職人たちによって丁寧につくられたバッグに
尽きることのない美しさと堅牢さを追求する」という理念が込められています。
今季注目の小さめボディバッグもいち早く発表。外ポケットのファスナーが描くカーブが特徴的。シンプルななかにも、ほどよい個性があり、バランスがいいですね。
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実力派クリエイターが手がける<NAOTO SATOH(ナオトサトウ)>ではブランドアイコンとなっているネオプレンレザーのバリエーションを拡充。
ウエットスーツなどに用いられるネオプレンとレザーをドッキング。
裏地と縫い代のない縫製技術を応用し、軽量感、立体感が生かされたバッグをリリースしています。
新作としてはサークルフォルム、蕾が開くようなフラワーモチーフのタイプ、メタリックレザーが登場。スポーティなシンプルシックなテイストに華やぎと煌めきが加わることでパーティや旅行など、活用シーンが広がりました。
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「足にやさしい」「身体にやさしい」「心にやさしい」をコンセプトに展開する<DOUBLETREE(ダブルツリー)>。<暮らし系女子>をターゲットに新マーケットを開拓し話題の雑誌「リンネル」に掲載され、
同誌ECサイトでも人気を集めています。
脚をきれいに見せる深めのカッティング、 履く足に馴染むソフトな上質レザー、 疲れを軽減してくれる低反発インソール 、クッションの効いた最高品質のアウトソールなどにより、美しく快適な履き心地のフットウエアを提案しています。
シューズのほかにも、財布などの革小物もラインナップ。フクロウの型押しがかわいい。フクロウは<不苦労>という文字が当てられることもあり、ラッキーなモチーフとしても人気。縁起ものとしての要素が強い財布にはぴったりですね。
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イースト東京・北千住を拠点とする靴メーカー パイオニアのオリジナルブランド<Pionero(ピオネロ)>は確かな技術とアート感覚のクリエイティビティが織りなすシューズを発表。
ハンドペイントによるオリジナルレザー、ナチュラルテイストのコレクションに人気が集まっています。レディスに加え、メンズも出品。ムラ感が味わい深いですね。
日本橋三越本店のポップアップイベントではペイントシューズを限定販売。ユーザー自身がカラーペインティングにトライするカスタムメイドが好評でした。(写真:<Pionero factory>フェイスブックページより)
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靴の街、神戸・長田を拠点とするメーカーによるファクトリーブランドとして2015AWより始動した<flower's by siete(フラワーズ バイ シエテ)>。辛口テイストを好む大人の女性に向け、リアルシューズを展開しています。
木型の開発からパターン、デザイン、素材・パーツのセレクト・・・それらを集結させ、ファクトリーの丁寧なものづくりを表現。すべてのプロセスをスタッフでつくる、つくり手発信型のブランドです。
ポインテッドトゥのフラットシューズをはじめ、脱シンプル時代に相応しいデザインコンシャスなシューズを提示。ビビッドなカラーやメタリックレザーなど色合いにもパンチがあり、ユーザーが選びやすく、着こなしに取り入れやすいコレクションでした。
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レザー関連ではないのですが、とても興味深く、ご紹介したいのが
<three for free(スリーフォーフリー)>。天然素材のコスメとともにバッグ、トラベルケース、ポーチ、ケース、ミラー、チャームなどのスモールアイテムを展開しています。
テーマは、トラベル、ワーク、アウトドア・・・「3つのキャリー(持ち運び)」。多様なシーンで、コスメと持ち運ぶことができるアイテムを開発。
「3(three)」をキーに、三角形をモチーフにした統一感のあるデザインがスタイリッシュ。コスメとバッグ、ファッション雑貨の一体的な提案がいまの時代をとらえていて、キャッチ―ですね。ポップアップイベントなど、次々とオファーがあるそうです。
近年、ライフスタイル系ショップだけでなく、百貨店でも、商品カテゴリーの垣根を超えた売り場、フロアが増えてきました。バッグ、革小物とコスメは、流通チャネル、売り場も異なっていましたが、化粧品に用いられる成分、コラーゲン、石鹸に用いる精製油脂の製造などは皮革業界にも関連した事業でもあります。こうした取り組みにより、食肉の副産物としての皮革をユーザーのかたがたにより深く知っていただくきっかけになりそう。今後の推移に注目したいですね。
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バッグ、革製品以外でも、気になるブースがありました。
タイムレスな魅力がいっぱいのコスチュームジュエリーブランド<14(キャトルズ)>。いつの日も自分らしくいたい現代的な感覚を持つ女性のためのブライダルからオケージョン、そして日常まで活用できる、華のあるデザインに目を奪われます。ブランド名は、ベートーヴェンのピアノソナタ14番から。別名「月光」のように重厚で繊細ですね。
エシカルなアクセサリーライン<A i o i(アイオイ)>がローンチ。備蓄米の古々米と麻幹(オガラ)を混合しつくられた世界初のバイオマス・プラスチック樹脂(=INASO樹脂)を使用。INASO樹脂ビーズを核に、無鉛のパールエッセンスを日本で加工したイミテーションパールです。
鉛(リード)は人体に有害といわれます。それを省いた商品はリードフリーと呼ばれ、アレルギーを引き起こしにくいのもメリット。賞味期限切れの政府備蓄米、古々米が大量にあるそうで、これらを原料としたINASO樹脂を有効活用することで循環形社会の形成につながりますね。
イアリングも豊富にラインナップ。ピアスよりも自由につけられる、と人気が復活しているそうですよ。大ぶりのデザインにトライしやすいのもうれしいですね。
海外での花冠ブームに続き、かすみ草をテーマフラワーにした<かすみ草ウェディング>が人気だそう。かすみ草には「永遠の愛」「純潔」「感謝」などの花言葉が。特別な日を彩る存在としてぴったりですね。そんな花をかたどったジュエリーは、細やかな手仕事で仕上げられて、ぬくもりにあふれています。
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<アーバンリサーチ>の人気ショップ<かぐれ>が展示会初出展。桜の枝をコーディネート。ブランドイメージそのままにやさしさと生命力、力強さが漂い、ブースにひと際インパクトがありました。来場者が印象に残ったブランドを選出する「プラグイン・グランプリ」で3位を獲得したそうです。
インナーやコスメなど、「ホリスティック」の考えから生まれた<かぐれ>のオリジナルを出品。「一見、シンプルですが、毎日使い続けることができる本物のよさを実感していただけますよ」と、ディレクター 坂田智子さん。このたび、卸ビジネスをスタート。国内外の評価が高く、海外からのオファーも多数届いているそう。
「小売から卸へ。アパレル業界では新たな動きなので、驚いていた同業者のかたもいらっしゃいましたが、たくさんのバイヤーのかたがたとご縁をいただけました。予想以上の反響で、アパレル業界に新しい風を吹かせることができそうです」(坂田さん)。さらなる飛躍を遂げそうですね。
ライフスタイル、コーディネートに馴染みながら、そのひとの個性を引き出し、華やぎを添えるジャパンブランド。付加価値とその存在感に高感度ユーザーの共感が寄せられ、日本製への信頼がさらに広がっていきますように。
■ 参考URL ■
「プラグイン」http://www.senken-ex.com/plugin/index.html
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元記事を読む
一般社団法人 日本皮革産業連合会ホームページ
公式ブログ「欧米ブランドに負けていないぞ」
http://www.jlia.or.jp/enjoy/blog/