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鈴木清之

オンラインライター

Kiyoyuki Suzuki 鈴木清之

文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務を経て、日本国内のバッグブランド、皮革産業を中心にブログ執筆、ソーシャルメディアのコンテンツ運用を担当。イースト東京エリア・徒蔵(カチクラ/御徒町~蔵前~浅草橋 台東区南部)で行われる、ものづくりイベント「モノマチ」ソフトブレーン、デコクロ(デコレーション ユニクロ)部 発起人、書籍「東京おつかいもの手帖」や「フィガロジャポン」“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”としても活動。

ものづくりと街をアップデートするつくり手たち「ててて見本市2017」レポート

合同展示会、商談会「ててて見本市2017」が2月8日(水)から3日間、東京・青山 スパイラルホールで行われました。

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古今の素材や技術と向き合いながら、創意工夫を加え、今の時代にしかるべきかたちで中量生産される手工業品。そんな手工業品を軸足にして、これからのつくり手、伝え手、使い手の在り方を一緒に考え、三つの手をつなぐ、<ててて協働組合>が主催するイベントです。

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地域や素材や技術など背景を大切にし、つくり続けるための仕組みづくりを目指す、100組のつくり手が全国各地から出展。個性あふれるプロダクトがそろいました。そのなかから、革製品をピックアップしてご紹介します。

イースト東京・松が谷を拠点とする<SHOJIFUJITA(ショウジフジタ)>。道具街として知られる合羽橋にほど近い、このエリアに若いつくり手たちの工房やアトリエ&ショップが増え、街がにぎやかになっています。

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昨年、大手文具メーカー<コクヨ>とコラボレーションが実現。「スマートワークスタイル」をコンセプトにビジネスアイテムを展開する<trystrams>から、革素材のケースシリーズ<SHOJIFUJITA>が好評です。

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六角形のフォルムが特徴的。イエローなどの新色も増えました。(<SHOJIFUJITA>オフィシャルサイトより)

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バッグ、小物の新作も登場。ポーチにはサイズバリエーションもあり、ライフスタイルに合わせたマルチユースに対応。色合い、素材感も絶妙ですね。

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商談も活発に行われていました。

<ANCHOR BRIDGE(アンカーブリッジ)>は「Meaning of making by hand "手でつくることの意義"」をコンセプトに展開。つくり手の視点から道具(アイテム)の特性を考え、厳選した革を使用しハンドメイドで製作。

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革製品の持つ奥深い魅力を追求し、緻密で躍動的なデザインを提案。ヴィンテージのような味わいのあるレザーとシンプルななかにも個性が光ります。

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Tストラップシューズにひきつけられました。熱狂的なファンが多い定番。ガーリーでありながら、ちょっぴり無骨な佇まい。履き込みの深さ、トゥとのバランスが絶妙ですね。ギークな着こなしにぴったり。スニーカーに飽きた女子の足もとをアップデートしてくれそう。

東京・浅草から兵庫・神戸 灘高架下へと移転。近年、灘高架下はクリエイターのアトリエ&ショップが次々とオープン。イベントが開催されるなど、活気にあふれています。少し足をのばせば、靴のファクトリーが集積する、長田、国内有数の皮革産地、姫路が。
そんな好立地で、新たなものづくりが盛り上がっています。


「深く 深く 誰の心にもある大切な想いや考えを井戸水を汲み上げるように丁寧に グラフィック プロダクト インテリア 建築まで一貫した視点で澄んだデザイン」が息づくレザープロダクトブランド<ke shi ki>。

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そのひとつ、<Round bottom bag>は使っているときもちろん、それ以外の置かれているときの景色にも留意しつくれらているそうです。安定感があり、しっかりと自立し、内側も見やすい仕様。円筒形と丸底、マグネットの留め具や持ち手のステッチも丸く仕上げ、統一感があり、スタイリングにも馴染むのがうれしい。

インキュベーション施設<台東デザイナーズビレッジ>卒業生としてもおなじみの<.URUKUST(ウルクスト)>が、新作としてシンプルなケースを発表。書類ケース、ノートPC、タブレットを入れたり、クラッチバッグとしても活用できそう。

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注目したいのは素材。イースト東京・すみだエリアのタンナーでつくられたピッグスキンを使用しています。製品向けの選別ではじかれてしまったものをフィーチャー。通常、キズなどは避けられますが、表面感をあえて特長として生かして。

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これまでは製品に用いられることなく、産業廃棄物となってしまったものもあるそうですが、こうした試みにより、生命の証が無駄になることなく、また、大切に扱っている革のものづくりについて、ユーザーに再認識していただける きっかけになりますね。



航空機部品などの金属加工を行う町工場によるプロダクトブランド<NEIGHBOR & CRAFTSMAN(ネイバー&クラフトマン)>でも、素材を生かし切る製品をお披露目。

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<omamori pouche(オマモリポーチェ)>は、お守りをモチーフにした小さな革袋。餞別や手紙、小さな思い出の品を入れたり、リングやアクセサリーを入れて、ギフトにしてもいいですね。革の端材でつくられているため、色・質感はひとつひとつ異なるそう。
エシカルであり、一点もの感覚でもあるという特性もいいですね。


創業40余年を経て数え切れないほどの受託加工を通じて、加工技術を蓄積。「図面通りのものづくりだけでは、ものづくり本来の目的を忘れてしまう」「人のためのものづくりを忘れないように」との想いを込め、立ち上げたそうです。人生をともに過ごす心地よい隣人のような存在を目指し、さり気ない心地よさを大切にデザインしています。

ユーザーに寄り添う発想が支持を集めるつくり手たち。その真摯な取り組みが国内のものづくりを活性化。革という素材と対峙し、切り拓く、ジャパンレザーの新たな可能性に、今後も注目したいですね。

■ 参考URL ■


ててて協働組合 http://tetete.jp/


元記事を読む

一般社団法人 日本皮革産業連合会ホームページ
公式ブログ「欧米ブランドに負けていないぞ」
http://www.jlia.or.jp/enjoy/blog/

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