東京スカイツリー周辺でつくられる<東京レザー>のレポート、2回めは、ウォッシャブルレザーを用いたバッグがヒット中のタンナーをご紹介します。
革づくりから製品まで一貫して生産
ナチュラルな仕上げから特殊加工まで幅広くカバーし、感度が高いレザーを手がけるティグレ。製品づくりをもうひとつの柱として育成し、今では革素材から製品まで一貫して生産できることが強みとなっています。
「leatheria(レザリア)」は2010年から始動したバッグを中心としたオリジナルブランド。「leather」にイタリア語で製革業をあらわす「conceria」を組み合わせた造語からは、タンナーとしての矜持が感じられます。
素材はオリジナルの植物タンニン鞣し革を用いて、バッグに縫製した後に、タンナーだからこそできる「製品染め」を施して。製品全体をドラムで染めるので、ステッチや裏地にまで染料が入り込み、ファスナーや金具は使い込んだような味わいが。さらに熟練の皮革職人により、オイルで磨き、手もみをしてしなやかさを加えます。
「洗える」革を「育てる」革に
最近ウォッシャブルレザーのシリーズが加わりました。特殊な加工を施したピッグスエードを使用。市販の中性洗剤で洗濯することで、土や泥汚れ、コーヒー、しょう油などの食品のシミも落ちやすいそう。「洗える」という利点に加え、洗うほどに味わいが増し、使うほど馴染んでいくことで自分だけのバッグに育っていくのも楽しいですね。
このウォッシャブルレザーシリーズは、「洗える革という発想とチャレンジ精神。ピッグスキンの軽さと風合いを活かし、デザイン性も高い」と、墨田区の「すみだモダン ブランド」に認証されました。さらに2016年秋には新製品として革エプロンを発表。ホームパーティやバーベキューといったシーンにもぴったり!
(写真:「第82回東京インターナショナル・ギフト・ショー」にて)
タンナー&工房に併設したショールームのオープンを視野に
「豚革の新たな価値を生み出すため、革の質感や味わいを生かし、さまざまな方法にトライしています。革素材から製品まで手がけることで相乗効果も生まれ、製品OEMや別注、素材開発などのご要望も増えました」と代表取締役 加藤文夫さん。塩縮(革を縮ませ柄を立体的に浮き上がらせる)やペーパーライクな質感を表現したシワ加工ほか、さまざまな加工技術は、創業約70年の長い歴史のなかで蓄積されたノウハウと素材への愛情があればこそ。
今後、タンナーとしての機能を有する工房に併設されたショールームはアトリエショップとしてのオープンを目指しています。どうぞ、お楽しみに。
≪MEMO≫
◆製品部門ではバッグだけでなく、財布も販売し、好評。
◆テレビ番組、ナチュラルファッション誌などで紹介され、女性ファンが多い。
◆オンライン工場見学ができる動画を自社サイトで公開。
有限会社ティグレ
東京都墨田区立花4-8-17 鈴梅ビル1階
TEL: 03-3617-2997
FAX: 03-3617-2998
http://www.tigre-leather.com/
東京都/東京製革業産地振興協議会「TOKYO LEATHER PIGSKIN 2017 東京産の皮革ピッグスキン」を再構成
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東京都/東京製革業産地振興協議会「TOKYO LEATHER PIGSKIN 2017 東京産の皮革ピッグスキン」
平成28年度 東京レザーファッションフェア2016(ピギーズ・スペシャル)に係る都内皮革鞣製業の広報・宣伝事業
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企画:株式会社ソーシャルデザイン研究所
撮影:康 澤民
取材担当:鈴木清之 (「B.A.G.Number」)
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ブックレット「TOKYO LEATHER PIGSKIN 2017 東京産の皮革ピッグスキン」は、「第83回東京インターナショナル・ギフト・ショー LIFE×DESIGN」(2月1日~3日開催)の会場内、「アクティブ&クラフトフェア」東京都/東京製革業産地振興協議会ブース(東1 F-17)で設置・配布。