先日もお知らせしましたが、革と皮革関連資材のトレードショー「第95回東京レザーフェア2017-18 A/W Collection」が東京・浅草 都立産業貿易センター台東館で12月8日(木)~9日(金)に開催されました。
そのスペシャルコンテンツとして"次世代を代表する日本のデザイナー"として評価が高い<ミキオサカベ>の坂部三樹郎さんと、出展企業とのコラボレーションプロジェクトが実現。前回の「東京レザーフェア」で行われた公開コンペティションで<株式会社ニッピ・フジタ>、<墨田革漉工業株式会社>、<株式会社コロンブス>の3社が選出。10月22日に披露された<ミキオサカベ> 2017年春夏コレクションに続き、オリジナルレザーファッションショーとしてお披露目されました。
このプロジェクトが進行するなかで、タンナーやファクトリーを見学したという坂部さん。食肉の副産物として生命のバトンをつなぐようにして利活用される皮革。その製造現場を知ることで湧きあがった生命への感謝や畏怖のような想い、真摯な姿勢が作品から伝わります。
コレクションのコンセプトは「ホラー」。クール且つポップに表現しています。死を迎えた後に蘇り、生き生きと踊る、マイケル・ジャクソンの「スリラー」ミュージックビデオに登場するゾンビたちの躍動感を表現したかのような、ユニークなクリエイションですね。
金箔加工を施したレザーにプリーツ加工を施したシャツ、ワンピースほか、多様なデザインを展開。
ルーズさを強調したボトムの腰履き、ミニスカートとハイヒールの組み合わせ、装着部から剣先までの長さを通常よりも極端に伸ばし、ひざ下まで垂らしたベルトなど、スタイリングのバランス感が楽しい。
コレクションの一部には和牛のレザーを使用。「和牛は柔らかくて着やすいし、海外の革よりも和牛の方が安い。(食用の)和牛は世界的にも有名だし革もブランドとして価値があるのではないか」と坂部さん(「Fashionsnap.com」12月8日更新分より)。既成概念を打ち砕く発想とアプローチがとても新鮮でした。
東都製靴工業協同組合が出展するブース<ニッポンバリュー>ではデコレーター細貝 泉さんとコラボレーション。
細貝さんが手がけるリメイクフラワー<パコス>による、アート的なインスタレーションが素敵でした。
<パコス>は結婚式で使用されたり、役目を終えた花を回収してアップサイクル。生命を吹き込み、蘇らせています。<ニッポンバリュー>出展メーカーが生産過程において生じてしまう端革やパーツを大胆にコーディネート。
これまでにないアプローチにより、ジャパンレザーの新たな風が吹き込み、皮革業界の活性化のきっかけになりそうです。レポートは次回に続きます。
■ 参考URL ■
東京レザーフェア
http://tlf.jp
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一般社団法人 日本皮革産業連合会ホームページ
公式ブログ「欧米ブランドに負けていないぞ」
http://www.jlia.or.jp/enjoy/blog/