日本最大のパーソナルギフトと生活雑貨の国際見本市「東京インターナショナル・ギフト・ショー秋2016」のレポート後編は、前回の姫路に続き、海外で高く評価される国内の産地のものづくり、革製品からご紹介します。
<クロダ>
手袋産地として知られる、東かがわ市。手袋の生産量が日本一の町であり、生産量全体の90%を占め、市の主要な産業となっています。
その地を拠点とする<クロダ>はレザーファッション手袋の分野において国内シェアの約20%を占める有力メーカー。
国際バッグ・雑貨見本市「MIPEL」にて、ミペルイッシマ国際部門となるパノラマ部門の大賞を2015年に受賞するなど海外でも高く評価されています。
こちらはその受賞作品。同社 棚次社長、企画室 田中さんをパチリ☆
「Aラインのドレスから着想したデザインです。上質なラムレザーを使用し、同系色をパイピングで引き締め、スポーティなテイストをエレガントに昇華させました。リボンをあえてラフなニュアンスにすることで決まりすぎず、大人の着こなしにも似合うと思います」と田中さん。
急速に普及するスマートフォンに対応し、手袋をしたままでも操作できる製品も開発されています。滑らかで、手に馴染むレザーは、ニットなどの素材よりも引っかけてしまうことが少ないのも特長。ネイルを楽しむかたにも安心です。
「このところ、手もとのおしゃれに注目する高感度ユーザーが増えています。
ファッション全体では、まだまだシンプル&ベーシックなテイストが人気ですが、上質でデザイン性の高い手袋をプラスすることで、トータルコーディネートが洗練されると思います」(田中さん)
地球温暖化や冬季の高温の影響でシーズンレス感覚のウェアが人気を集めるなか、季節感を体感・体現できる革手袋の存在感がさらに高まっていきそうですね。
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<レザリア>
国内自給率100%といわれるピッグスキン(豚革)。イースト東京・墨田区で、そのほとんどがつくれており国内生産量の90%のシェアを獲得。 著名なラグジュアリーブランドにも採用されています。
そんな豚革に、ウォッシャブル加工を施すことで機能性、付加価値性をアップ。洗える、育つ革バッグとして提案する<レザリア>は地場産業の産品をテーマとしたテレビ番組で紹介され、問合せが殺到。大ブレークを果たしました。
今季は、バッグに加え、エプロンを発表。しょうゆ、ソース、焼肉のたれ...と
さまざまな汚れで洗濯実験を重ね、完成度を高めています。キャンプやバーベキューがブームの昨今、洗えるという機能にマッチした製品づくりがバイヤーに好評です。
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<高屋>
財布をバリエーション豊富に展示した老舗メーカー<高屋>。ファッション雑貨の産地、イースト東京・台東区を拠点としています。
なかでも、目をひくのが、ネコモチーフのシリーズ。
ポップなデザインの個性派です。ゴールドの箔押しは高級感の演出だけでなく、風水の縁起カラーでもあり、セレクトポイントに。
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<REVEL>
レザーブランド<REVEL>はストリートカルチャーやハンドクラフトから影響を受けたデザイナーが2006年より革小物の製作を開始。独学で生産技術を身につけ、デザインから型紙作成、生産まで担当。湘南の工房で一点ずつていねいにつくり上げています。
日本国内鞣しを中心に経年変化を楽しめる高品質な皮革を使用。メインで使用している皮革はオリジナルのカラー。兵庫県たつの市のタンナーが染め上げているそう。
パッケージデザインが凝っていて、ギフトにぴったり。雑貨のようにディスプレイしたい佇まいがいいですね。
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<Couco>
良質な素材に染色加工を施したコレクションを手がける<Couco(コウコー)>。
染料には墨を使用し、刷毛に墨をつけ染色。素材に直接描いた刷毛目がそのまま模様となり、絵を描くようにつくられます。
ウェアを中心に展開していますが、新作として、墨染めのレザーバッグをリリース。アーティスティックな柄が素敵です。
武州藍染の綿と栃木レザーの牛革を組み合わせたトートバッグも。いずれも日本の伝統と技術を生かして、モダナイズ。大人世代の女性から支持を集めています。
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<メイドインジャパン>が流行キーワード化してしまうなか、地域に根ざしたものづくり、次世代のつくり手たちの取り組みも増えているようです。単なるブームとして消費されることなく、継承・継続し、デザイン性、機能性、付加価値性の高い提案も続々登場しています。今後の動向も期待したいですね。
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■ 参考URL ■
「東京インターナショナル・ギフト・ショー秋2016」