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鈴木清之

オンラインライター

Kiyoyuki Suzuki 鈴木清之

文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務を経て、日本国内のバッグブランド、皮革産業を中心にブログ執筆、ソーシャルメディアのコンテンツ運用を担当。イースト東京エリア・徒蔵(カチクラ/御徒町~蔵前~浅草橋 台東区南部)で行われる、ものづくりイベント「モノマチ」ソフトブレーン、デコクロ(デコレーション ユニクロ)部 発起人、書籍「東京おつかいもの手帖」や「フィガロジャポン」“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”としても活動。

ジャパンレザーの新潮流を探る「ルームス 32」レポート(2)

合同展示会「rooms(ルームス)32」レポート第二弾は、新しいアプローチで表現するジャパンレザーをピックアップしました。

<革の可能性をカタチに>する<革*jacoi(カワスタリスクヤコビ)>。革のもつステータスは保ちつつ、異素材との組み合わせや、異なる角度からの切り口で、<いいもの>だけに終わらない皮革プロダクトの新しい一面をユーザーに発信しています。「東京デザイナーズウィーク2013」Try! Market AWARDグランプリを受賞し、話題に。

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今回はアイコン的なシリーズ<革切子>をフィ―チャー。切り子から発想し、レザーに落とし込んだアイディア、構築的な立体感もいいですよね。老舗メーカーやクリエイターとのコラボレーションが実現し、百貨店の販売イベントも続々行われるなど、活動も順調です。

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出展していたイエローブースは来場者が行き過ぎるスピードが速いので、インパクト勝負。点数を絞り込んだり、世界観をきちんとアピールする必要があります。プロに発注したフラワーコーディネートもパンチがありますね。そんなセオリーを抑えたブースづくりをしていたせいか、立ち止まってじっくり見ているかたが多かったようですよ。

デニム中心のレディスブランド<インディマーク>がリリースした国内生産のパンプスがヒット中。「繊研plus」(2月1日更新分)で取り上げられました。

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2015年春夏シーズンに発売し、6000足売り上げたそう。カラーバリエーションが豊富。小ロットで受注できる点も受けています。

<デニムに合う>というコンセプトが明快。特にコーディネートに映えるグリーンが人気です。こちらのアッパーにはピッグスエードを使用。足入れのよさ、履きやすさも評判です。


オフィス164のオリジナルブランド<Sessy Noma(セシー ノーマ)>はエキゾチックレザーをカジュアルに表現。こちらのナップザック、トートバッグは2WAYで使用可能。

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例えば、トートバッグのハンドルを内側に収納し、本体を二つ折りにして抱えて持つことでクラッチバッグ風に。しかも企業努力により比較的買いやすい価格を実現。新富裕層、インバウンド向けにぴったりですね。


人気エリア<メードインドット/ルームス地場産>には、<台東ファッションザッカ>がブース出展。

国内有数といわれるファッションザッカの一大産地、東京都台東区を中心に広がるものづくりをアピールしました。

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今回はポップなパネル展示が登場。自治体の担当者をガイドとしてキャラクター化し、くわしく解説。DMとデザインが連動しているので、わかりやすく、混雑時、応対しにくい場合も、来場者にしっかりと伝わります。

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全参加ブランドをインデックス的に展示したコーナーも時間のない来場者によろこばれました。

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前回ご紹介した自転車愛あふれるレザーグッズブランド<Decibell BY SATOH SHOTEN(デシベル バイ サトウショウテン)>とともに、老舗メーカー 猪瀬が手がける<Flathority(フラソリティ)>にバイヤーの視線が集中。

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「長年、ジャパンクオリティを影で支え続けてきたそれら生産ノウハウと技術力を全て注ぎ込み、どこにも真似の出来ない製品を生み出したい」との想いから立ち上げたオリジナルブランドです。

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現在、定番リュックがロングヒット中。立体裁断によるフィット、軽量さが人気。キーワードとなっている<スポーティ>が大人世代に広がって、上質なレザーのリュックが選ばれているようです。

「いいものを大切に使って長く愛着したい」というニーズを反映し、革製品のお手入れへの関心が高まっています。

老舗ケアメーカー コロンブスでは、自社のスペシャリスト、ケアリストによるシューズ&レザーアイテムケアのデモンストレーションを行いました。見事な手さばきに見とれてしまいますね。ビフォーアフターの違いにも感激!

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日々のひと手間ひと手間が大切なんですね。つくり手のかたがたへの感謝の気持ちも芽生えてきます。

学校教育で習得することが少ないため、若い世代には馴染みがなく、ファッション業界関係者、プレス関係者からの注目度も高かったようです。

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同社では、女性向け新ライン<ルミエール>を発売。動物の皮膚でもあるレザーをスキンケアのような感覚でシューケアを楽しめるようにと、コスメのようなデザインのパッケージに。玄関まわりなどに違和感がなく置くことができそう。ホワイトデーや新社会人へのギフトとしてもおすすめです。

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「rooms 32」は3日間で約1万9800人(前年比10%増)もの来場を記録。今季のコンセプト<ガラパゴス>は<日本のふつうを世界標準に>とのメッセージが。

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エントランスで<ガラパゴスケータイ>をデコレーションするなど、他では見られないroomsらしいアプローチでクールジャパンを表現。日本ならではの ものづくりが多数発表されました。


「今は<口に入れるもの>にみんなの気持ちが動いていると感じて、食に力を入れました。口に入れるものは感動がある。服でもなんでもそうですが、ものはひとに感動を与えないといけません。

(中略)

ルームスは展示会というより媒体であり、社交場だと思う。異業種のかたも多く訪れ、ここに来るとなにかしなくちゃと感じるみたいです。ファッション分野の勢いはやや減っていますが、根本のフィルターにファッションがあることは変わりません」と、ルームスエグゼクティブプロデューサー 佐藤美加さん。(「繊研新聞」2月24日11面より)

ファッションよりもフードにファッション性を感じるいま、その先へと時代をリードする「ルームス」。とてもワクワクしました。

フードカルチャーが盛り上がるなか、レザーの可能性を感じています。レザーは<ファッションとフードの架け橋>となる素材です。


食肉の副産物である皮革。特にピッグスキンは日本の食文化の影響が色濃いですよね。皮ごと食する国もありますが、日本では一部地域を除き、皮を外して調理することが多いので、豚革は国内で自給できる唯一の素材ともいわれます。

2020年に開催される東京オリンピックを控え、<東京らしい おみやげ>としてのピッグスキン製品開発も進行中。そんな<生命のバトンをつなぐ ものづくり>、<ファッションとフードのハイブリッド>を表現した、新たなプレゼンテーションへの期待がふくらみました。

■ 参考URL ■

「rooms」

http://www.roomsroom.com/


元記事を読む

一般社団法人 日本皮革産業連合会ホームページ
公式ブログ「欧米ブランドに負けていないぞ」

http://www.jlia.or.jp/enjoy/blog/

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