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KITAJIKO

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KITAJIKO

東京藝術大学デザイン科卒業後、7年間のデザイナーとしての企業勤務を経て、2010年、雑誌オフィシャルブロガー・イラストレーターとして活動開始。ファッション・アート・旅・グルメ・映画などに関するものについて独自の審美眼・観察眼でリポート。画業はアナログからデジタルまで対応。個展やコラボレーションなどで活動中。

Paris et moi #11 アールヌーボーを巡るパリ散歩(前編)

滞在中のとある日の午後。

ランチを済ませて次の待ち合わせ場所はサン・ラザール駅(Saint-Lazare)
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パリ旅ツアー(Paris Tabi Tours)ソレーヌさんと合流。アールヌーボーツアーの案内をしてくださいます。

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ソレーヌさんは、日本語が堪能なので、色々な疑問にも優しく答えてくれて、私のような初心者でもとっても安心して観光できました。

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サン・ラザール駅は、フランス国内の近郊列車の乗り入れもあるパリの主要駅の一つです。

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1837年に開通したこの駅は、パリの中で一番古い歴史を持つ駅で、日本でいうなれば東京駅みたいな感じです。

駅に併設する建物も3フロア80の店舗からなる巨大駅ビルとして多くの人が往来しております。

公共のピアノもあるんです。絵になるなー。

設立された1837年以来のパーツを残す駅構内、光が降り注ぐ駅。

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あちこちのディティールにアールヌーボーが見受けられます。

↓この赤い天井なども当時のまま。

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ガラスに施されたノルマンディ地方の絵。こちらもアールヌーボーの特徴が色濃く。

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サン・ラザール駅を後にして、我々は駅から程近いブラッスリー・モラール(Brasserie Mollard)へ。

100年続く、老舗中の老舗です。

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外観も雰囲気満点だったのですが、驚くべきはその内装。衝撃です。

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モザイク画とタイル画で溢れた、徹底的に雰囲気が統制された空間。

ここまでやっていただけると、本当にきもちいい。

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イタリアからわざわざモザイク職人を呼び寄せたという芸術的なモザイクの細工は、ブラッスリーのあらゆる箇所に。

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バリバリ当時の空気感を含んだ紛れも無い時代のテイスト...
ジャポニズムすら新しかったころのタイル画がまんま残ってるんですけど...。

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■...そもそもアールヌーボーって何だ!↓■

アールヌーボーは、19世紀に端を発する美術運動で、当時は【これぞ新しい芸術!!】とヨーロッパを中心に広がり、花や植物のラインを多く用いた有機的なラインが装飾として、絵画や建築、ファッションなどでヨーロッパ席巻したってブームがあったんです。

要は、ミュシャなどに代表される、雰囲気ですね。

そのあと、第一次世界大戦、第二次...と世界的に混沌とする情勢下で、
アールヌーボーのキレイで華やかで軽やかな世界観は時代にそぐわなくなっていくわけです。

そんなとき、ブラッスリー・モラールは壁を覆うなどして、一旦この装飾を封印してしまいます。

戦後、誰かが発見して「これは凄いものが隠されてた!」→ブラッスリー・モラール復活となる訳らしいです。

私のざっくりとしすぎたアールヌーボーとブラッスリー・モラールの話・・・大丈夫でしょうか。

そんな歴史あるブラッスリー・モラールで、お茶休憩。

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やっぱり おおきい・・・ そして美味しかった。

そしてウェイターさんはクラッシックでカッコいいおじさまだった。(絵は色んな店のウェイターさんだけど)

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聞くと無表情で黙々とスマートな動きなのは、そういうものみたい。美学ですね。
一糸乱れぬ7:3ヘア、清潔感のある佇まいは食べ物扱うのでマストです。

板前さんやシェフの白衣や、ウェイターのタキシードと白いエプロンは心が洗われますな。

コスプレではなく、ちゃんと目的を持って正しく機能している職業制服フェチなので嬉しい♪

観光客に向けて、古き良きパリを演出して見せてくれる一面ももちろんあるのでしょうけど、いいものはいい☆

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19世紀の当時は、最先端のアートだったアールヌーボー。

今はすっかりレトロとか昔のブームという位置づけなのだけれど、その華やかさは未だに世界中に根強いファンを持ち、当時の作品やデザインは強さもあり魅力的。

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時代の気分と時の流れについて少々考えてしまいました。

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長くなってしまったので、後編に続きます。

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Paris et moi #10 パリ オペラ座(パレ ガルニエ)・どうしても観たかった天井画3つ

パリを訪れた人が必ずSNSにアップしてたりして、幾度となく見聞きしてその存在の内容を知るパレ ガルニエ
映画『オペラ座の怪人』の舞台だし、バレエ漫画でも聖地として何度も何度も出てきたし。
イメージだけが先走って肉眼で観たことは無いという非常に微妙~な気持ち(私の人生こればっかり) もいよいよ卒業!

というわけで今回はオペラ座(パレ ガルニエ)です!


いざパリを観光していると、何度となく通りがかったり、目にしたりするこの外観。
黄金に輝く彫刻がひときわ煌いてパリの建物のなかでも特にゴージャス。異彩を放っておりました。

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劇場としての機能的には市内の最新の設備を要するバスティーユ座など優れたホールが多数存在するので
こちらはやはり歴史的価値、総ゴシック様式の建築・装飾、館内の天井画など芸術的素晴らしさを満喫できるスポットなんだな~。

と、まあブログなのでうんちくも挟みますが、こちらも
「能書きはいらん」系の驚愕装飾の連続攻撃なので、もう「浴びちゃって」という域。

まずは受付してセキュリティ通過して館内へ。

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大階段のウラが既に凄い...

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大階段。

オシャレして観劇に夜のパレ ガルニエを訪れたら観劇気分も最高潮でしょうね~。とにかく豪奢。

↓ガイドさんの館内解説もあります。

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で、いよいよホールへ。

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あ~あ 感無量。

かなり観たくて仕方なかったこちら、
マルク・シャガール画【夢の花束】。 シャガール先生凄い!!因みにシャンデリアは8㌧

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皆様ご存知のシャガールは、20世紀を代表する画家。
現代でも最も個性的で独創的な天井画と言えるのではないかしら。
宗教建築の天井画とまた違って、バレエやオペラ・音楽などの芸術の為の劇場天井画として、これほどに相応しい絵はないんじゃないかと思います。請け負ったシャガールはもちろん素晴らしいけど、賞賛したいのは発注した側かも 笑  英断。

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この大きな天井画には、チャイコフスキーの【白鳥の湖】、モーツアルトの【魔笛】などなど様々な名作が描かれていて、オペラグラスを持参しなかったことを大後悔しました。
というか、パリ観光に双眼鏡はあったほうが良い(好きな方は)!

客席の装飾も。

装飾も、彫刻の掘り込み具合やなど、日本人の自分とはDNAレベルで立体に対する感覚に違いがあるとしか思えない。
文化の違いを目の当たりにするときに、自分の頭が情報を処理しきれず混乱するのが面白い。

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ホールを後にして、展示してあったラクロワがデザインしたジュワイヨーの衣装を見学。

ホールと照明映えしそうな華やかな衣装♪

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そしてグランホワイエ。

圧巻ってこんなときに使うのかも。とりあえず数百数千の美術作品の集合体のような凄い部屋。
重力発生してるんじゃないか。
シャンデリアもいくつあるの...

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カメラも、一枚に収まりきらないので、パノラマです。

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そしてそして。
パレ ガルニエに行ったら絶対に観たかった天井画!のこりふたつ!

グランホワイエから続くドーム状の部屋(ロトンダ)が東西にあり、
西側が月のロトンダ、東側が太陽のロトンダと呼ばれているのですが・・・

これも自分の目で観たかった! 本物は思ったより小ぶりな部屋だったのですが、やっぱり最高でした。

凄く好きな感じなんですよね。天井を東西の天(空)に見立てて、いい塩梅にロマンもあるし、デザインもカッコイイ。

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なんか描き方にも親しみがもてるんですよね。 珍しく平面的で。

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あーーーーー満足!!! 来れてよかった!!!

クレランによる天井画もあるらしいのですが、それは次回のお楽しみで...。

パレ ガルニエは「東京に行ったら歌舞伎座」、以上のメジャースポットですが、

敢えて目的を天井のみに絞ってみたりして、オペラグラスを片手に建造物と美術が見事に調和した空間をしばし堪能して、建物の時代背景に想いを馳せるのも、楽しいのでオススメです^^!

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Paris et moi #9 ロダン美術館とサンシュルピス教会

ランチ後、腹ごなしに徒歩でロダン美術館へ。

晩年のロダンが暮らした住居兼アトリエの「ビロン館」が美術館となり、ロダンの作品、ロダンが収集した美術品、および弟子・カミーユ・クローデルの作品を多数展示。

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ロダン先生。

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邸宅ということもあり、スペースに対して凄いボリュームの展示。彫刻ファンには特にたまらないのでは。

これだけの彫刻に次ぐ彫刻の展示ってなかなか無いので、圧巻です。

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最高峰の美術を、こんな間近で自由に鑑賞できて、写真におさめることが出来る
日本では一部撮影を許可するようになってはきたものの、諸事情あるのでしょうが、まず考えられない自由な鑑賞スタイルに感慨深く廻らせていただきました。

空間をまるごと堪能させていただけるっていいなー!
にわかですが美術を志して20年、こんなパリの当たり前が尽く衝撃的なのであります。

コレクションのゴッホの真筆も普通に至近距離で展示。 この惜しげも無さすっごいな...

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ロダン美術館は庭園もすばらしく、徹底的に美しく整備された植物とロダンのブロンズ作品が超優美に配置されています。

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庭園だけでも1€で入れます!!! 
時間があったら座ってボーっと庭眺めるとかしたいようないい庭です。
1€でこの庭だなんてかえって申し訳ないくらいの場所ですよ...

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上野の国立西洋美術館にもオリジナルと呼ばれる世界に6体ある【地獄の門】
ロダンの作品は12点まで鋳造できるとフランス政府により決められているそうで(有名すぎる故決まりは無視で世界中で複製されまくっていますが、名作の運命とも...。)、
上野にあるものもいわゆる本物「オリジナル」となります。

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私は【地獄の門】が好きすぎてマグネットを買ったりしてましたが...蛇足。

"オリジナル"を鋳造するにも、その原型が必要なわけですが「地獄の門」の石膏原型はオルセー美術館にあるそうです。
またパリに行く機会があったら、心ゆくまで美術館も観たいな~。

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借景はエッフェルという意味深な構図。

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かの有名なバルザック先生も。 借景がアンヴァリッドっていう。

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パリの美術館や建造物は、一箇所でも頭が処理しきれない豪華内容なので
一日で数件ハシゴというのは無茶かもしれない・・・と過ぎりました。
アートを堪能したい人の鑑賞計画は余裕をもってが得策かも♪


ロダン美術館を後にして、兼ねてより訪れてみたかったサンシュルピス教会まで徒歩で。

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地図的にはこのような。徒歩圏内に見所が一杯です。
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サンシュルピス教会っていったらダヴィンチコードのあそこでしょ!
ということで、過密スケジュールにどうにか差し込んでいただき感謝です。

でもね、私教会初めてはいるんです。趣味は神社仏閣巡りですが、密かに初教会で、緊張しておりました。

リュクサンブール公園の噴水もなんか もの凄いテンションの彫刻だし・・・

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おおきい・・・ 口ポカーン

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一歩足を踏み込んだら、なんと言葉にしてよいか分からない空間でした。

これが荘厳ってことなのかしら。

高い高い天井、どうしてこんな高い天井の建物を人間が建てられるんだ。
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望遠鏡とかで見ないと確認できないような遠くの細部にまで抜かりなく施された装飾。
立体的で超細密な装飾の集合体の集合体の集合体。

信仰や権力権威を造形に落とし込むというのはこういうことなんだ~とおもうと気が遠くなる。
重機やコンクリートもない時代に、なんちゅープロジェクトやってるの、昔の人・・・

などと思いながら、
ヨーロッパにいつか行ったら
彫刻や絵は空間を構成する要素のひとつでありメインではないっていうすごい建造物が観たい
と思っていたので大変興奮しておりました。

色々なテーマが集約されて調和して当時の設計のひと、天才すぎる。

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この旅ですっかり味をしめたiphoneパノラマ芸で。
パリはパノラマ撮影しなければいけない景色が多い。

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↓映画のオベリスクも発見!
おお・・・

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知恵熱がでるんじゃないかと思うような空間に触れ、変なテンションで教会を後にし


程近くにあるサン・ジェルマン・デ・プレ教会にも足を運びました。
こちらでは教会内でミサが行われていて、撮影はしませんでしたが見事なステンドグラスに酔いしれてきました。

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この明るさで夕方6時過ぎでした~ 8時くらいまで明るいの本当だったんだ...と地味に感動致しました。

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