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KITAJIKO

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KITAJIKO

東京藝術大学デザイン科卒業後、7年間のデザイナーとしての企業勤務を経て、2010年、雑誌オフィシャルブロガー・イラストレーターとして活動開始。ファッション・アート・旅・グルメ・映画などに関するものについて独自の審美眼・観察眼でリポート。画業はアナログからデジタルまで対応。個展やコラボレーションなどで活動中。

106 ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣 ジャパンプレミア

映画『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』の日本公開を記念したライブプレミアイベントが4月27日、東京藝術大学・奏楽堂にて行なわれ、2011年の公演以来、6年ぶりの来日を果たしたセルゲイ・ポルーニンが出席。

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会場の奏楽堂にはたくさんの人!奏楽堂は実に15~6年ぶり、卒業式以来ですが こちら側は変わらない雰囲気。

本編上映後のステージでは、YouTubeで1,900万回以上も再生された独創的なパフォーマンス『Take Me To Church』を生披露し、続くトークコーナーでは、プレゼンターを務めたクリエイティブディレクター・箭内道彦氏と共にアートへの思いを熱く語った(引用)。

映画の余韻がまだあるのに、ご本人降臨しかもライブで『Take Me To Church』披露って...

ものすごい事ですよ。しかも直後にトークイベントも控えてます。
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写真:ハービー・山口

トークでは会場が芸大ということもあって、アート観やアートを志す学生にメッセージといった内容でした。

ちょっと達観してるかんじの、アーティスト然とした意見を述べておられて
異端児でバッドボーイな印象からはちょっとかけ離れた受け答え。
色々あったけど到達した心境なのか、それとも・・・

ガラスのように繊細で優しい青年なのだろうなーという雰囲気は映画を通して伝わってきます。

普通の純粋で多感な年代の男の子の部分と、トップアーティストの部分がいびつにせめぎ合い、絶妙な危うさがあるんですが、彼の美しさをもってして耽美な少女漫画に出てきそうな ちょっと皮肉屋で影のある美少年のようだよ。

映画で観た彼の半生と、直後にステージに現れたご本人の表現力と躍動感には素晴らしく説得力があり

ビリビリ伝わってくるものがありました。

一朝一夕では到底到達できないその体の使い方であったり、パフォーマンスを最大限に発揮できる柔軟性や筋肉、纏うオーラまで。

文化として成熟を極めたバレエの国に生まれて
分厚い層の中で突出した存在として更に精進してるってどれだけ高み。。

幼少期からの鍛錬と恵まれた容姿も含めた輝かしい才能で芸術を体現してるんだもの、この方に言葉は要らないわーホント。

しかしこの目で動くセルゲイ・ポルーニンが観れて感無量。
意外に少年のような繊細な肢体で驚きました。

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写真:ハービー・山口

みなさん興奮気味に会場を後にしてらっしゃったのが印象的でした。

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映画のほうは、バレエドキュメンタリーとしてはちと異質。

セルゲイ・ポルーニンの幼少期からの映像・画像をたっぷり使った記録としても貴重な前半。

10歳くらいまでのポルーニン氏、天使です。

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才能を端々から感じ、めきめき上達する美しい息子セルゲイ。

期待し全てを捧げる家族

プレッシャーに耐えながらも懸命に努力を続け、才能を開花させるのですが。


ご存知異端児・問題児としてのセルゲイ・ポルーニンというスターダンサーについて...

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彼はどうしてスキャンダラスな存在になったのか。なにがあったのか。


という流れで。

これは芸術と家族、芸術と子育て、多感な時期をどう眺めるかというか

観る方の立場や環境で感想も大きく違うでしょうし、性差もありそうだし。

一概に言えない感じです。


そんなシリアスなテーマも漂いながら

優雅に舞うポルーニン氏の映像が眩しいくらいの美しさ。

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よくもまあこんなに美しいバランスで存在してるなって感心致します。

誰もが酔いしれる素晴らしい才能、がありながら苦悩する美しいセルゲイ・ポルーニン氏の全てをぜひご覧下さい。

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British Broadcasting Corporation and Polunin Ltd. / 2016

◇ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣◇

監督:スティーヴン・カンター
『Take me to church』演出・撮影:デヴィッド・ラシャペル
出演:セルゲイ・ポルーニン、イーゴリ・ゼレンスキー、モニカ・メイソン他
配給:アップリンク・パルコ
(2016年/イギリス・アメリカ/85分/カラー、一部モノクロ/16:9/DCP/原題:DANCER)
2017年7月15日(土)より、Bunkamuraル・シネマ、新宿武蔵野館ほか全国順次公開

■公式サイト
http://www.uplink.co.jp/dancer

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103 フランスの若き女性映画監督が描く知的な大人の女の人生、『未来よ こんにちは』

3月25日より公開中の映画、『未来よ こんにちは』。

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36歳という若さでその才能を如何なく発揮した作品で不動の地位を確固たるものにしているフランス人女性監督ミア・ハンセン=ラブの新作である本作は2016年のベルリン映画祭で銀熊(監督)賞を受賞。

絶賛された作品に惹かれて、興味深く鑑賞。

フランスが誇る女優イザベル・ユペール主演ということで、ミア・ハンセン=ラブ氏もイザベル・ユペールを思い描きながら脚本を書いたというエピソードにも特別な気合のようなものがかんじられる胸が熱くなる組み合わせ。

50代の哲学教師であるナタリー(イザベル・ユペール)。

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自分を慕ってくれるイケメン教え子にちょっと悪い気はしなかったり

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討論に青春を燃やす若者と、哲学を教える50代のナタリーのコントラストも面白かったです。


まあまあ忙しいけどそこそこ充実していたナタリーの日常に突然差し込む案件。


結婚25年目にして夫に好きな女性(若い)ができました、と 告白されたり、
著書も売れ線じゃないからという理由で契約は終了。
過去の栄光に囚われ不安定で認知症が日々進行する母に翻弄されたり

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...などなど  なんだか結構ありそうなリアルな境遇に笑えない設定で。

本作を描いてるのが自分とほぼ同世代(36歳)のミア・ハンセン=ラブ監督というところも感慨深いです。


未来に対する漠然とした不安や、女の人生観、孤独に対する考え方などに、同世代の目線を感じるし、さらにその先のビジョンも感じます。

女も数十年やってると 色々あるんです
それでも、それらを受け入れて迎えるしかないわけです。
現実を拒否することはできません。
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猫アレルギーだけど亡き母の飼っていた猫を引き取り一緒に暮らす...
ナタリーは色々な現実を受け入れていきます。
心中複雑だけど淡々と。


フランスの映画って(そんなに沢山観ている訳けではないけれど)不思議です。

自分の意見を求められているような、考えて自分の答えをもたないと、という気分になるというか。
自分の記憶や経験と照らし合わせたり、推し量ることが必要というか。
想像力は要りますね。

上手く断言できないのですが、そういう感じです。フランス映画。


VRのようなバーチャル体験や、ハイテクな絶叫マシンのような圧倒的な体験をできるのがハリウッド映画だとしたら


迷宮探索やインティージョーンズ的自分の足で冒険するのがフランス映画(とことん突っ込むのも 途中棄権もご自由にどうぞ、みたいな)...?


のような気もしないこともなくもないかもしれない。
それこそ個人差の世界だろうけど。

ということで、ちょっと若いだけでもなくなってきた30代以降のすべての女性に観て欲しい1本です。1人で観るか親しい女友達、姉妹などで観るのがオススメかも。
オンナの道について考えちゃいます。

『未来よこんにちは』公式HP


©2016 CG Cinéma · Arte France Cinéma · DetailFilm · Rhône-Alpes Cinéma


そしてステキな情報も☆

来る4/15(土)公開の『メットガラ ドレスをまとった美術館』の公開を記念して
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4/8(土)から1週間<ファッション・イン・ニューヨーク>特集を実施し、

『ティファニーで朝食を』『キャロル』『ビル・カニンガム&ニューヨーク』
3作品を上映するという内容です。

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私も観にいきたい。。

~<ファッション・イン・ニューヨーク>~

[企画名] 『メットガラ ドレスをまとった美術館』公開記念特集上映<ファッション・イン・ニューヨーク>

[上映期間]2017年4月8日(土)~4月14日(金) 計3作品を日替わりで上映

[上映作品] 『ティファニーで朝食を』、『キャロル』、『ビル・カニンガム&ニューヨーク』

料金:¥1,200均一 *『メットガラ ドレスをまとった美術館』特別鑑賞券提示で¥1,000 

*大学・専門学生・小中高生は¥1,000

会場:Bunkamura ル・シネマ http://www.bunkamura.co.jp/cinema/

(東京都渋谷区道玄坂2-24- 1 Bunkamura 6F TEL:03-3477- 9264)

協力:東宝東和、ファントム・フィルム、スターサンズ


ファッション・イン・ニューヨーク 紹介ページ

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93 映画『グレート・ミュージアム ハプスブルク家からの招待状』

『グレート・ミュージアム ハプスブルク家からの招待状』

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©Navigator Film 2014


オーストリアに行く事になってから、偶然にもオーストリア芸術関連の映画や美術展公開時期と重なり、レビューを書かせていただいたり取材させて貰える不思議なご縁に若干鳥肌が立つ思い。
オーストリアには生きているうちに観なければならない美がたくさんあるようです。

645年間君臨したハプスブルク家の歴代皇帝たちによる膨大な数の美術品を所蔵するウィーン美術史美術館。なかでもブリューゲル・コレクションは世界最多を誇る。創立120年の節目に敢行された改装工事に2年以上にわたり密着したカメラが捉えたのは、誰も見たことがない"美の裏側"だった。

"芸術の都"ウィーン
が誇る偉大なる美術館ウィーン美術史美術館に課せられた120年目の大いなるミッションとは?(引用)

泣く子も黙るウィーンの美術史美術館。
ハプスブルグ家の遺産と呼ばれるコレクションをはじめ
宝という宝、資料という資料が収蔵・保存・展示される、偉大なる美術館。 
大空間に荘厳な装飾が印象的な美術館内もオーストリアの歴史を感じるための重要な演出。
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©Navigator Film 2014

とんでもない量の貴重な作品の数々を未来に繋ぐため、沢山のプロが日々関わっている様子を映画では観る事ができます。
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©Navigator Film 2014

このような膨大なコレクションを「持っている」だけでもそれはそれは重圧が尋常じゃないことなのに「いい状態に修復」して「それを維持して保存し続ける」わけですよ。
テキスト打ってるだけでもぺったんこに押しつぶされそうな話です。
で、もちろん維持するには莫大なお金が必要なんですけど、その現実というのはこれまた相当にシビア。
維持するのは美術品だけじゃないわけです。
建造物、展示空間の維持、展示展覧会の企画、その他諸々。

「芸術にお金の話なんて野暮よ」なんていうのはそれこそ野暮というか...
これだけの規模の芸術の保護と維持を国家レベル世界レベルでどう考えるか。

これは

現実とロマンの調和のため、美術館の運営をシビアに考えるお金のチームと、理想を追求する芸術チーム
せめぎ合いしのぎを削る壮絶なる現場なのでございます。
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©Navigator Film 2014
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©Navigator Film 2014
見た目優雅ですが、生命線の確保ですもん全員プロで本気だし
ヒリつくような緊張感が全編通して張り詰めて、仕事人最高。
愛があるから頑張れるお仕事だと思います。

ミーティングの様子も度々あって、リアルだわ...
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©Navigator Film 2014
このような明快な登場人物一覧も。わかりやすい。
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©Navigator Film 2014
この図を観てから映画を観てもたのしいかも。
壮大すぎる改装工事、バックヤードの仕事、普段決してみる事の出来ない世界を垣間見れる、資料としても貴重な本作。
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©Navigator Film 2014
息を呑むような美術品も次々登場し、豪華です。
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そして映画公開にあわせてとっても豪華なイベントも。

ヒューマントラストシネマ有楽町にてトークイベントを開催!
日時:12月6日(火)18:40の回上映後
場所:ヒューマントラストシネマ有楽町
ゲスト:高橋明也(三菱一号館美術館長)×藤原えりみ(美術ジャーナリスト)
12/3(土)0:00よりオンライン予約、劇場窓口でも同日オープン時より予約が可能になります!
↓↓下記リンクよりどうぞ
http://www.ttcg.jp/human_yurakucho/
私もトークイベントを聴きに行きます★
普通にすっごく楽しみ・・・・・・・。


ということで、冬のはじまりは芸術のバックヤードに想いを馳せてみるのも素敵かも♪

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『グレート・ミュージアム ハプスブルク家からの招待状』

第64回ベルリン国際映画祭カルガリ賞受賞
オーストリアDiagonale 編集&撮影賞受賞
監督/脚本 ヨハネス・ホルツハウセン
11月26日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー!
公式HP
http://www.thegreatmuseum.jp/

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『装苑』2017年12月号、10月28日発売

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