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KITAJIKO

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KITAJIKO

東京藝術大学デザイン科卒業後、7年間のデザイナーとしての企業勤務を経て、2010年、雑誌オフィシャルブロガー・イラストレーターとして活動開始。ファッション・アート・旅・グルメ・映画などに関するものについて独自の審美眼・観察眼でリポート。画業はアナログからデジタルまで対応。個展やコラボレーションなどで活動中。

111 ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ

ル・コルビュジエといえば、東京・上野にある国立西洋美術館などが世界文化遺産に登録されたのも記憶に新しいのですが。

つい先月、ル・コルビュジエが都市設計と建築に携わり2016年に世界遺産登録されたフランスの都市、フィルミニのプレゼンテーションを聞いたばかりだったのもあり、 個人的には
「コルビュジエ関連が続くなあ~」
ということで
どんな人物だったかも含めいい機会だし今作『ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ』を楽しみにしておりました。

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アイリーン・グレイとの関係について全く勉強せずに行ったのですが
個人的には邦題の印象で挑んで、原題を知って不意打ちを食らった感。


邦題:ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ
原題:The Price of Desire 欲望の価格


「な なにがあった!?」という解釈のギャップ。 
何故この邦題になったのか 映画を観ながら自分の印象も照らし合わせて想いを馳せるのも私好きなんですけど。

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本題の映画にについてですが

時はアートと建築の価値観が根底から揺らぐ、表現者たちがしのぎを削る戦国時代のような20年代パリ。
史上最高額で落札された椅子でも知られる気鋭のデザイナー、アイリーン・グレイ。と 近代建築の巨匠ル・コルビュジエ。

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私、ル・コルビュジエの華々しくも威厳のある建築の世界観に勝手に聡明な紳士を想像しておりましたが。
この映画では1人のムッツリというか、プライド高めで変な妄想激しめの、ちょっとめんどくさい中年なところが遠慮なく描写されているところに感動しました。

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歪みやねじれのある人物像が逆にやたらと天才っぽいというか。


コルビュジエを演じるヴァンサン・ペレーズが、これまた素晴らしい。
コルビュジエの雰囲気にかなり似せてきてて、体型もヘアスタイルも中年然として 見事に神経質でプライドの高い巨匠を演じてるんですが。


アップになるとまさかの隠し切れない整った顔のパーツが。

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このアクの強過ぎる丸メガネでも隠せないイケメンの凄みよ...。素晴らしい。

時々差し込まれるコルビュジエの呟きにもドキドキしてました。

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ヒロインなのにル・コルビュジエや恋人の建築評論家ジャン・バドヴィッチに振り回される形となった被害者のアイリーン・グレイも

知的な美というか才気ある女性独特の、自信に満ちた媚びない雰囲気とでも申しましょうか。



しかしながら
センスがよすぎて才能がある女性の陥りがちな不幸も体現しております。

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才能ある美女への羨望はなぜか複雑にこじれて愛憎になりがちです。
天才男性は自分勝手に振る舞い 周りに迷惑をかけ パートナーを泣かせるのがお決まりなのに
才能溢れる女性は何かと翻弄され苦しみがちなのは、なんでだろ。

そしてだいたい男運もないのは何でだろ...

などと思いつつ、「E.1027」にまつわる顛末を観ておりました。

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誰もが認め眩いほどの才能を発揮するアイリーンに、羨望とも嫉妬とも思えるコルビュジエの複雑な欲望が絡まって
戦争という時代の波にも飲み込まれて数奇な運命を辿る「E.1027」。


有名な家具や建築も物語の随所にちりばめられ、見応えも十分で
ややこしくも知的で時代の寵児的クリエイティブな人々が織り成す愛憎ドラマという感じでしょうか。

この冬ぜひ。

Bunkamura ル・シネマでは、会期を延長して追加公開!
『ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ』
◆12/8(金)までの上映
[11/11(土)〜11/24(金)]
連日...13:35 / 16:10 / 19:20〜(終)21:25
[11/25(土)〜12/8(金)]
連日...19:10〜(終)21:15
※12/7(木)の19:10の回は休映

特設HP ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ

(C)2014 EG Film Productions / Saga Film
(C)Julian Lennon 2014. All rights reserved

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