映画『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』の日本公開を記念したライブプレミアイベントが4月27日、東京藝術大学・奏楽堂にて行なわれ、2011年の公演以来、6年ぶりの来日を果たしたセルゲイ・ポルーニンが出席。
会場の奏楽堂にはたくさんの人!奏楽堂は実に15~6年ぶり、卒業式以来ですが こちら側は変わらない雰囲気。
本編上映後のステージでは、YouTubeで1,900万回以上も再生された独創的なパフォーマンス『Take Me To Church』を生披露し、続くトークコーナーでは、プレゼンターを務めたクリエイティブディレクター・箭内道彦氏と共にアートへの思いを熱く語った(引用)。
映画の余韻がまだあるのに、ご本人降臨しかもライブで『Take Me To Church』披露って...
ものすごい事ですよ。しかも直後にトークイベントも控えてます。
写真:ハービー・山口
トークでは会場が芸大ということもあって、アート観やアートを志す学生にメッセージといった内容でした。
ちょっと達観してるかんじの、アーティスト然とした意見を述べておられて
異端児でバッドボーイな印象からはちょっとかけ離れた受け答え。
色々あったけど到達した心境なのか、それとも・・・
ガラスのように繊細で優しい青年なのだろうなーという雰囲気は映画を通して伝わってきます。
普通の純粋で多感な年代の男の子の部分と、トップアーティストの部分がいびつにせめぎ合い、絶妙な危うさがあるんですが、彼の美しさをもってして耽美な少女漫画に出てきそうな ちょっと皮肉屋で影のある美少年のようだよ。
映画で観た彼の半生と、直後にステージに現れたご本人の表現力と躍動感には素晴らしく説得力があり
ビリビリ伝わってくるものがありました。
一朝一夕では到底到達できないその体の使い方であったり、パフォーマンスを最大限に発揮できる柔軟性や筋肉、纏うオーラまで。
文化として成熟を極めたバレエの国に生まれて
分厚い層の中で突出した存在として更に精進してるってどれだけ高み。。
幼少期からの鍛錬と恵まれた容姿も含めた輝かしい才能で芸術を体現してるんだもの、この方に言葉は要らないわーホント。
しかしこの目で動くセルゲイ・ポルーニンが観れて感無量。
意外に少年のような繊細な肢体で驚きました。
写真:ハービー・山口
みなさん興奮気味に会場を後にしてらっしゃったのが印象的でした。
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映画のほうは、バレエドキュメンタリーとしてはちと異質。
セルゲイ・ポルーニンの幼少期からの映像・画像をたっぷり使った記録としても貴重な前半。
10歳くらいまでのポルーニン氏、天使です。
才能を端々から感じ、めきめき上達する美しい息子セルゲイ。
期待し全てを捧げる家族
プレッシャーに耐えながらも懸命に努力を続け、才能を開花させるのですが。
ご存知異端児・問題児としてのセルゲイ・ポルーニンというスターダンサーについて...
彼はどうしてスキャンダラスな存在になったのか。なにがあったのか。
という流れで。
これは芸術と家族、芸術と子育て、多感な時期をどう眺めるかというか
観る方の立場や環境で感想も大きく違うでしょうし、性差もありそうだし。
一概に言えない感じです。
そんなシリアスなテーマも漂いながら
優雅に舞うポルーニン氏の映像が眩しいくらいの美しさ。
よくもまあこんなに美しいバランスで存在してるなって感心致します。
誰もが酔いしれる素晴らしい才能、がありながら苦悩する美しいセルゲイ・ポルーニン氏の全てをぜひご覧下さい。
British Broadcasting Corporation and Polunin Ltd. / 2016
◇ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣◇
監督:スティーヴン・カンター
『Take me to church』演出・撮影:デヴィッド・ラシャペル
出演:セルゲイ・ポルーニン、イーゴリ・ゼレンスキー、モニカ・メイソン他
配給:アップリンク・パルコ
(2016年/イギリス・アメリカ/85分/カラー、一部モノクロ/16:9/DCP/原題:DANCER)
2017年7月15日(土)より、Bunkamuraル・シネマ、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
■公式サイト
http://www.uplink.co.jp/dancer
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