Blog

KITAJIKO

アーティスト

KITAJIKO

東京藝術大学デザイン科卒業後、7年間のデザイナーとしての企業勤務を経て、2010年、雑誌オフィシャルブロガー・イラストレーターとして活動開始。ファッション・アート・旅・グルメ・映画などに関するものについて独自の審美眼・観察眼でリポート。画業はアナログからデジタルまで対応。個展やコラボレーションなどで活動中。

101 ミュシャの傑作『スラヴ叙事詩』が東京に

去年発表された『スラヴ叙事詩』20枚集結&展覧会開催の発表。
大きなニュースで業界騒然だったのは記憶に新しい。
ホントかな?いやいや来ないでしょ・・・などと、ちょっと動向が気になってしまった展覧会は後にも先にもこちらだけだったような。

mucha2017_17.jpg

いよいよこの日がきちゃった・・・ということで、かなり張り切って観に来ました。

あわわわ・・・・・・

mucha2017_05.jpg


やっぱりスラヴ叙事詩が観れるなんてにわかに信じ難く、自分の目で確認しないとっ!!

などと思っていましたが、目にした瞬間感謝です。

mucha2017_01.jpg

この『スラヴ叙事詩』を観たいがためにチェコ行きの機会を探り続けていた私は、ひとつの時代を創った偉大な芸術家としてアルフォンス・ミュシャから多大なる影響を受けております。

日本でのミュシャといえば、上品でロマンティックなドレスを纏った表情豊かで優美な美女
美しく咲く花々など有機的な装飾がまさにヨーロッパ的でアールヌーボーそのもの!

その天才的なデザイン構成力と豊かな画力に、絵を描くのが好きな子だった私は当然真似や模写しちゃいましたよね...。


というわけで、ミュシャの作品は その明快な優美さから日本でも大変人気で、知名度も抜群

下図がムハ様(チェコ読みではムハ。ミュシャはフランス語読みなんですって)
mucha2017_21.jpg
ミュシャ自身は、27歳でパリへ行き絵を学び、

34歳の時に、女優サラ・ベルナール主演の舞台「ジスモンダ」のポスターを手がけ、

アールヌーボーの申し子的時代の寵児としてパリで空前の大成功をおさめ

その後50歳で故郷のチェコにUターンして

16年の歳月を賭けて 国の為、民族の為に20点の連作『スラブ叙事詩』を完成させます。



『スラヴ叙事詩』は、最大縦6メートル、横8メートルという圧倒的スケールでスラブ民族の受難と栄光の歴史をキャンバス地に油彩とテンペラで表現。

mucha2017_03.jpg

mucha2017_06.jpg

mucha2017_08.jpg

相当な志がないとこんなチャレンジ到底達成できない!
ミュシャのモチベーション、この大作に賭ける想い、国への想いなどが大変なものということがビシビシ伝わってきます。
16年モチベーションを高めに保つってだけでも超人だと思います。
精神が肉体を超えてる芸術家だってことは 間違いない。

展覧会の設営も、とんでもない規模。SNSでの配信にドキドキしながら開催日までのカウントダウン。
(写真はミュシャ展twitterからお借りしています。)
mucha2017_01-02.jpg

mucha2017_01-03.jpg

mucha2017_01-04.jpg

mucha2017_01-01.jpg

バックステージレポート、好き過ぎてたまりません。

展覧会自体は、その作品の大きさにただただ圧倒されっぱなしです。
天使や神様のような色々超越した存在は、大きく描かれ益々偉大に、益々神然として、宗教画として最高に効果的だなあ~などと思いつつ。100余年前の作品とは全く思えない構図!新鮮でカッコイイとさえおもってしまう。
そして間違いなく現代のゲームやコミック映画など、ファンタジー関係のアートワークの原点というか礎というか。

眩しいくらいの幻想的な美しい色彩もさることながら、

特徴的なのは登場する人物の眼力かとおもいます。

目力つよすぎて、漫画っぽいと思う方も多くいらっしゃるかも。

この絵の「団結は力!」って言ってる、輪っかを持った手前の男性の
mucha2017_09.jpg

左下に居るかわいい子供の流し目!

mucha2017_09-02.jpg

ズーム。

嘲笑してるのか、期待の眼差しなのか

mucha2017_10.jpg

本当のところどうなの!?ねえ!

・・・などと、大作の中の無数の登場人物の意味や関係性だったり、

生き生きと意味深な表情に思いを馳せてたら
三回くらい観にいっても足りないかもしれないです。

----------------------

ミュシャといえば、淡いトーンでキラキラ美女と花が優美で少女漫画のような華やいだ世界~☆


という印象をお持ちの方も多いと思いますが、今回の『スラヴ叙事詩』では、夜の世界や影の描写など
光の階調と同じくらい、影の色幅の豊かさ、表現の深さも素晴らしかったです。



こちらの↓『原故郷のスラヴ民族』は、ホンモノの星降る夜空のようでしたし

手前のスラヴ民族のアダムとイヴの浮き上がりも本当に幻想的。

いきなりカミナリに打たれるような衝撃。

mucha2017_19.jpg

目力!!!! 夢に出そう。

mucha2017_20.jpg

緊張感や息遣いが伝わってきそうな表情に思わず目を奪われ

↓このくさりかたびら?の質感にも目を奪われ。気になってきて解説資料をさがす。。

mucha2017_18.jpg

昔はテレビなどの視覚メディアは無いものの
やはり読み書きが出来ない庶民にも、民族の歴史や宗教の逸話を伝えシェアする必要があり


一枚の絵に壮大なエピソードを込める為に 様々な要素を描き込み時に記号化し
「ああ、これはあの場面だな」と万人が理解し易い様に、かつ威厳は損なわず。

絵画はそんな視覚伝達の重要な使命を持ったメディアだったので。

ミュシャの本作における気合いは想像を絶するものだったことと想像できます。

----------------------------

展覧会は四部構成。

mucha2017_12.jpg

mucha2017_13.jpg
アールヌーボーの仕事や、下絵など資料としても貴重な展示が多数。
100点からなるかつてない規模の展覧会でした。

mucha2017_15.jpg

mucha2017_14.jpg

図録も。内容充実、かなり安いです。
mucha2017_16.jpg


間違いなく、ことし一番の混雑必至の展覧会ででありましょう。
早めの鑑賞をお勧めいたします!


会期:2017年3月8日(水)~6月5日(月)
休館日:毎週火曜日
開館時間:午前10時~午後6時
会場:国立新美術館企画展示室2E
主催:国立新美術館、プラ八市、プラ八市立美術館、NHK,NHKプロモーション、朝日新聞社
後援:外務省、チェコ共和国大使館、チェコセンター
協賛:日本写真印刷
特別協力:伊藤忠商事株式会社、堺市
協力:ルフトハンザ カーゴ AG
監修:ヴラスタ・チハーコヴァー(美術評論家)、本橋弥生(国立新美術館主任研究員)

『ミュシャ展』公式サイト:http://www.mucha2017.jp/

-----------
KITAJIKO SNS

website / facebook / twitter / instagram

MAGAZINE

『装苑』2017年10月号、8月28日発売

calendar

-event -promotion -exhibition

Page Top