3月25日より公開中の映画、『未来よ こんにちは』。
36歳という若さでその才能を如何なく発揮した作品で不動の地位を確固たるものにしているフランス人女性監督ミア・ハンセン=ラブの新作である本作は2016年のベルリン映画祭で銀熊(監督)賞を受賞。
絶賛された作品に惹かれて、興味深く鑑賞。
フランスが誇る女優イザベル・ユペール主演ということで、ミア・ハンセン=ラブ氏もイザベル・ユペールを思い描きながら脚本を書いたというエピソードにも特別な気合のようなものがかんじられる胸が熱くなる組み合わせ。
50代の哲学教師であるナタリー(イザベル・ユペール)。
自分を慕ってくれるイケメン教え子にちょっと悪い気はしなかったり
討論に青春を燃やす若者と、哲学を教える50代のナタリーのコントラストも面白かったです。
まあまあ忙しいけどそこそこ充実していたナタリーの日常に突然差し込む案件。
結婚25年目にして夫に好きな女性(若い)ができました、と 告白されたり、
著書も売れ線じゃないからという理由で契約は終了。
過去の栄光に囚われ不安定で認知症が日々進行する母に翻弄されたり
...などなど なんだか結構ありそうなリアルな境遇に笑えない設定で。
本作を描いてるのが自分とほぼ同世代(36歳)のミア・ハンセン=ラブ監督というところも感慨深いです。
未来に対する漠然とした不安や、女の人生観、孤独に対する考え方などに、同世代の目線を感じるし、さらにその先のビジョンも感じます。
女も数十年やってると 色々あるんです
それでも、それらを受け入れて迎えるしかないわけです。
現実を拒否することはできません。
猫アレルギーだけど亡き母の飼っていた猫を引き取り一緒に暮らす...
ナタリーは色々な現実を受け入れていきます。
心中複雑だけど淡々と。
フランスの映画って(そんなに沢山観ている訳けではないけれど)不思議です。
自分の意見を求められているような、考えて自分の答えをもたないと、という気分になるというか。
自分の記憶や経験と照らし合わせたり、推し量ることが必要というか。
想像力は要りますね。
上手く断言できないのですが、そういう感じです。フランス映画。
VRのようなバーチャル体験や、ハイテクな絶叫マシンのような圧倒的な体験をできるのがハリウッド映画だとしたら
迷宮探索やインティージョーンズ的自分の足で冒険するのがフランス映画(とことん突っ込むのも 途中棄権もご自由にどうぞ、みたいな)...?
のような気もしないこともなくもないかもしれない。
それこそ個人差の世界だろうけど。
ということで、ちょっと若いだけでもなくなってきた30代以降のすべての女性に観て欲しい1本です。1人で観るか親しい女友達、姉妹などで観るのがオススメかも。
オンナの道について考えちゃいます。
『未来よこんにちは』公式HP
©2016 CG Cinéma · Arte France Cinéma · DetailFilm · Rhône-Alpes Cinéma
そしてステキな情報も☆

4/8(土)から1週間<ファッション・イン・ニューヨーク>特集を実施し、
『ティファニーで朝食を』『キャロル』『ビル・カニンガム&ニューヨーク』
3作品を上映するという内容です。
~<ファッション・イン・ニューヨーク>~
[企画名] 『メットガラ ドレスをまとった美術館』公開記念特集上映<ファッション・イン・ニューヨーク>
[上映期間]2017年4月8日(土)~4月14日(金) 計3作品を日替わりで上映
[上映作品] 『ティファニーで朝食を』、『キャロル』、『ビル・カニンガム&ニューヨーク』
料金:¥1,200均一 *『メットガラ ドレスをまとった美術館』特別鑑賞券提示で¥1,000
*大学・専門学生・小中高生は¥1,000
会場:Bunkamura ル・シネマ http://www.bunkamura.co.jp/cinema/
(東京都渋谷区道玄坂2-24- 1 Bunkamura 6F TEL:03-3477- 9264)
協力:東宝東和、ファントム・フィルム、スターサンズ
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