いよいよウィーン三大美術館編です。
芸術の都ウィーンにおきましても更なる美の殿堂に[ウィーン三大美術館]というのがございまして
【美術史美術館】
【ヴェルヴェデーレ宮殿】
【レオポルド美術館】
の3美術館コンプが、今回の旅でシーレとクリムト追っかけ希望の私の目指す所でした。
ウィーン初日は、1人で行動したので、まずホテルから徒歩圏内で行けそうな
【レオポルド美術館】に行ってみました。
レオポルド美術館への経路はこんなかんじ。
地図を見ると途中に物凄く行きたかったセセッシオンがある!!!!!!
もちろん寄ってみました。
セセッシオン(分離派会館)は1897年、
グスタフ・クリムトは他の芸術家たちとともに保守的な美術家協会を脱退、
セセッシオン(分離派)の名前で新たな芸術家団体を結成。1898年には、同名の建物完成。
『19世紀末ウィーン』や『分離派』って、なに!?という部分もありますよね↓
怪しげですが、かいつまんで言うと・・・
世紀末ウィーンというのは、芸術の戦国時代のような芸術に於ける激動と混沌を極めた時期の文化事象の総称みたいなものなのですが、国や民族、政治や学問が複雑に絡み合って一触即発の凄い時代だったわけです。
宗教美術や宮廷美術の 長い長い歴史からなる厳格で保守的な芸術が主流の世界で、『あたらしい芸術を!』と打ち上げる事が当時どれだけリスキーだったかという。
私のように平和に好きなものをゆるゆると描いている現代からは考えられないような事ですが
新しい芸術を打ち出そうものなら、時にハブられ、ディスられ、追われ、命狙われ。。
芸術って、表現って一体なんだろな!
と思いながらもこのとき頑張ってくれた芸術家のお陰で今日があるのも事実。
という、ひとことでは到底説明し尽くせない激動の時期だったわけでございます。
美術史的にも必ずテストに出る箇所です。
それだけに傑作も多いし後に与えた影響も計り知れません。
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セセッシオンは写真で見たとおりの優美な建造物でした。
先日レビューを書かせていただいた『エゴン・シーレ 死と乙女』でも、シーレがセセッシオンで個展を開催するシーンがありました。
入り口のこのレリーフも、お目当ての1つ。
すっごくカッコイイ。
みてよこの立体感。ウットリ
上の階には1000㎡の展示フロアがあり、毎年ほぼ20の展覧会が開催され、最先端の現代美術を紹介しています。
地下ホールの常設展示、グスタフ・クリムトの「ベートーヴェン・フリース」。
どうしても見ておきたかった作品のひとつ。
「ベートーヴェン・フリース」はグスタフ・クリムトがベートーヴェンの交響曲第九番を絵画に落とし込んだ名作で、
偉大な音楽をどう解釈して描く??
という、軽い気持ちでは到底挑めない領域に挑んでるし、出来上がった作品も神懸ってることから
この目で見てみたかったので、感無量。
美術史美術館の大階段の絵や、『哲学』、『医学』、『法学』の3部からなるウィーン大学大講堂の天井画もそうなんですが
グスタフ・クリムトの二次表現による解釈というのに興味をそそられて仕方ない。
グスタフ・クリムト↓
「ベートーヴェン・フリース」でしばし放心して、お次はレオポルド美術館へ。
ウィーンのミュージアム・クォーター(MQ)
旧帝国厩舎の名残りの馬のレリーフ。カッコイイなあ!
レオポルド美術館へ!
端正な美しい建築~
レオポルド美術館は、世界最大のエゴン・シーレ・コレクションに加え、グスタフ・クリムトの名作も。
有名な『死と生』 。
消失したとされる、ウィーン大学大講堂の天井画の復元資料も展示され、少しだけ感じる事ができました。
クリムトを知ったのは19歳の頃、周りの子達のクリムトブームだったんですが、
20年ちかく経とうとしてる今、やっと自らの意思で興味を持ってオーストリアでクリムトの絵を眺めてるんですけど
こういうのって気になった時が鑑賞し時だな・・・
そして
美術館の、至るところからシーレの気配。
映画にも使用された有名なあの絵から、意外なあんな絵や彫刻まで。
たしかに世界一だわ。
スキャンダラスでエロティックなイメージの強いシーレですが
しみじみ描いてる風景画も息を飲む見応えで素晴らしく。
まさしく天才なんだな、と思いました。すごっっ。
映画に登場した作品を目の前にして、想いを馳せたり
日本のような激混みもなく、広々空間で本物のクリムトとシーレを好きなだけ見れて。
本当に贅沢です。
そんな中、シーレを鑑賞しつつ美術館デートを楽しむカップルをスケッチ。
レオポルド美術館の雰囲気に合ってる~
ええ雰囲気ながら二人とも図録をちゃんと買っててほっこり。
ヨーロッパの旅行でカップルを観察スケッチするのがすっかり楽しくなってしまいました。
■オーストリアの観光情報はこちらから。http://www.austria.info/jp
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