シャネル メティエダール コレクション、このコレクションはイタリア映画に出演するフランスの女優たちからインスピレーションを得たもの。会場にはイマジネーションと創造力が交差する伝説的な場所、ローマのチネチッタが選ばれました。
ランウェイはいつも以上にドラマティックにそして精巧に作りこまれ、今にも物語が始まりそう。
ルックブックは新聞仕様。
普通に毎度の妥協ゼロ。
シャネルと女優達の構図は現在でも尚熱い関係性だし、かつて1958年11月、ELLE 誌が「映画界の誰もがシャネルを着たがっている」と書くほどに、シャネルの顧客の多くは女優たちであったことからも「パリ イン ローマ」への期待感は高まります。
メティエダールコレクションということで、メティエダールとは↓
メティエダール (Métiers d'Art)
フランス語のメティエダールは、伝統的な技巧と研ぎ澄まされた職人の技術により、唯一無二の特別なクリエイションへと昇華させる芸術を指す言葉です。比類なきものを創り出す、極めてアーティスティックな匠の技です。
メゾンダール (Maisons d'Art)
シャネルは2002年以来、卓越した技術を有するアトリエを傘下におさめてきました。現在までに、羽根細工とカメリアのルマリエ(1880年)、グローブのコース(1892年)、靴のマサロ(1894年)、ニットウェアのバリー(1903年)、刺繍のルサージュ(1924年)、コスチュームジュエリーとボタンのデリュ(1929年)、帽子のメゾン ミッシェル(1936年)、刺繍のモンテックス(1939年)、プリーツ加工のロニオン(1945年)、金細工のゴッサンス(1950年)などのメゾンダールをその傘下に置いています。 (かっこ内は創業年)
ということで、展示会へ潜入。 詳細を観察してみました。
まず、目に飛び込んでくるアートピースなバッグ。今回はシネマ的フィルムカメラ然としております。
コレクターはもとよりシャネルラバー垂涎の逸品でございます。
ということで、会場内。象徴的なルックを纏った業界屈指の美人マネキン達に吸い寄せられます。
メディア配信では分からない、繊細なレースの質感やアクセサリーの構造など、じかに触れて確認できるのが嬉しい。
こちらは日本でも目にする機会が多そうな一着。 実際に目にすると白い部分も繊細なレースで、細部に色々と宿り美しいです。
「パリ イン ローマ」のコレクションでは黒の質感の幅がすごい。あらゆる黒の表現が見て取れます。
カラーパレットは、晩秋のローマとのこと。
深まる秋の紅葉の盛りを過ぎた枯葉であったり、夜の直前のような深い色合いも。
秋色を纏うメンズモデルのルックも印象的でした。
まだ初夏だが晩秋に想いを馳せる。女優と晩秋、イタリア映画のフランス女優・・・
こちらのバッグは、長ーーーく愛用できそうで、ステキでしたし。↓
ローマがテーマだと、コイン風のレリーフ使いであったり、革のあしらいであったりが、シャネルバッグに面白い効果をもたらしていました。
こちらの袖口などの縁の装飾は、映画フィルムを表現しているそう。 末端への遊び心というか神経の行き届き具合も毎度素晴らしい。
バリエーションもあります。
毎コレクション、実験的にアート作品のように発表している、現代的な素材を使ったルックも。
塩化ビニール系の糸?を生地に織り込んで、なんともいえない風合いに。
--------
こちらも樹脂の加工技が光る、未来的な素材をふんだんに盛り込んだ一着。
パスタのような樹脂には、模様が印刷してあり、陰影を複雑に。
プリントが施されてる個性的なシークインとビーズとともにツイードに装飾され。
このルック、一体何次加工までやっちゃってるんだろ...と工業デザイナ的には戦慄が走るような凝り様で。
しかしながら何処までも優雅で、ニットは美しく。ビジューは贅沢に。
フランス女優とイタリア女優のいいところを融合したヘアメイクにアクセサリーが雰囲気満点。
大振りなアクセサリーもパールの白い輝きもモノクロ映画とかに映えそう。
イタリア美術においても度々モチーフとなる蛇の彫刻が印象的なヒールのシューズ
コスチュームパールがあしらわれたパンプスにサンダル
うっとり!
ということで、コレクションは6月下旬に店頭にお目見えのようです。 ぜひ実際にご覧下さい!
-----------
KITAJIKO SNS