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KITAJIKO

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KITAJIKO

東京藝術大学デザイン科卒業後、7年間のデザイナーとしての企業勤務を経て、2010年、雑誌オフィシャルブロガー・イラストレーターとして活動開始。ファッション・アート・旅・グルメ・映画などに関するものについて独自の審美眼・観察眼でリポート。画業はアナログからデジタルまで対応。個展やコラボレーションなどで活動中。

52 シャネル 15-16AW オートクチュールコレクション② 「オートクチュール3D装飾」

前回はコレクションのテーマ「カジノと3D」について触れましたが
今回は実際に実物に触れ観察したレポートです。

オートクチュールコレクションが終了すると、息つくヒマもなくいくつかの世界の都市をプレゼンテーションして巡る旅に出るオートクチュールドレス達。
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毎回、ラックに吊られたドレス達を目の当たりにするだけで、鳥肌がたつような言葉にならない感情がこみ上げます。
目の前にあるのは紛れもなく美のひとつの最高峰であるからして、しょうがない。

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今回は、いつもの着席サロン形式のプレゼンテーションではなく、自由に回遊しながら気になるルックを存分に観察できるスタイル。
会場はグラン パレのカジノさながら、今回の為の特別な設えで世界観を再現。

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↑↑↑ カーペットもシャネル仕様!

ボタンや糸などがカジノのコインや積み上げられたチップ、ダイスなどに見えてくる~
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細かいところまで堪らない~毎回唸ってしまう...

ということで☆
本題のドレスのディティールについて。

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毎度とにかく圧倒的な仕事量で息が詰まりそうな程美しい刺繍はいつもに増して迫力があり素晴らしかったです。
繊細なんだけど、美を凝縮して凝縮して凝縮される情報量が重力帯びちゃうっていうんですか、全く以って宇宙です。


今回、一番戦慄だったのがこちら。ブラックホールの塊みたいなパワーを放つこちらのドレス...
選ばれし美女だけにのみ着ることが許された伝説のドレス、とか言われても納得してしまいそうな。
普通の女は着れない近寄りがたいほどの気高いオーラw

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とにかく今まで持ったドレスの中で最重量だとおもうんですが、どうでしょう。多分13キロ前後くらいあるのでは?
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撮影の為に持っていただく手もプルプル震えておりました(本当に有難うございました!)。

着用モデルさんも今回はゆったりと会場を回っておりました^^
本当に豪華な装飾、豊かなライン、豊かな質感。モデルさんが纏うと益々生き生きとするのを見ると
やはり衣装は纏うものなんだなとつくづく。

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ヘアメイクも今回はとっても特徴的。

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どんどん見ていきましょう。

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こちらの美しいグリーンが一際鮮やかで目をひくルックは
ブラックジャックのテーブルのグリーンからインスピレーションを得た一着だそうです。

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↓↓↓ さりげなくカジノのカラーパレット☆
粋だよ・・・

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何シーズンか継続して素材を実験的に使用し表現の幅を広げている樹脂でコーティングしたレースのドレス。
こうやってちぎりっ放しの素材が独特の退廃的な美しさを演出してて面白い。
現代的で頑丈なイメージのこの素材で儚さ満点です。

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ここにも美しい現代感のある素材。シャネルのオートクチュールにはこうして伝統を継承して進化し続け
新しいものを積極的に取り入れる体制が整っているように感じました。
その姿勢はごく普通に継続しています。
そういった素材と技術の美しい違和感を心から楽しんでいるようにすら見えます。

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+++++

3DプリンタSLSを使用した3Dシャネルスーツについて前回触れましたが、
今回は装飾・刺繍での3Dについて。

左は比較的平面的なビーズによる刺繍、右の画像の中央部分の刺繍は立体的でZ軸方向に向かって装飾を増殖させるイメージ。
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シャネルの3DなZ軸刺繍については、初めてオートクチュールのプレゼンテーションを観た数シーズン前から数多くのバリエーションを発表していて、立体に対する考え方が完全に日本人と西洋の感覚では違いがあるのだな、と思ったものです。

↓↓ 日本人は特に「層と積載」は好きな傾向にありますが、こういうZ軸方向への思いの馳せ方ってなかなか出来ないような気がします。(画像はCHANEL/HC14-15AW)
こちらは何度見ても息を呑む、物凄い衝撃とともに記憶に残ったドレスなんですがシークインを折ったり、こんな風に重ねたり、平面脳の私にはとにかく衝撃的だったのです。

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話は脱線しましたが、
このような古いイメージに囚われない自由な感覚に伝統の超絶技巧がフュージョンすると
遊び心と新鮮な驚きに満ちた、珠玉の美が誕生するって了見なのです。

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まさしく3D刺繍☆

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氷柱を顕微鏡で見たみたいな幻想世界。これ纏うんですか...(ため息)



デジタルの寸分の狂いもない精巧な幾何学模様とはまた違う趣の
手仕事が織り成す味のある規則性がなんとも優雅。

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デザイナーや伝統を受け継ぐ職人さんの感情や美意識が刺繍に宿るからこそオートクチュールの刺繍はこんなにも素晴らしいのかも。

最後はとっても素敵だったマリエ。
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いつもの夢のような優雅で豪華なマリエとは一線を画す、端麗なホワイトスーツ。
おおー!ホンモノ!と思いました^^


そんなかんじで
今回も新しい発見がたくさんのオートクチュールコレクションでした。
これで半年間頑張れます。

この場をお借りして このような貴重な機会にご招待くださいました関係者の皆様に心より御礼申し上げます。



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