リニューアルした装苑ONLINEですがブログもリニューアル。
記念すべき改装第一回はシャネル 2015春夏オートクチュールコレクションのプレゼンテーションのレポートです。
こちら、私にとって半期に一回の聖地巡礼にして、美の充填であり魂の浄化の儀でございます。
パリのグラン パレで行われるショーでは、毎回ため息のでるような素晴らしい舞台演出で空間全体を駆使したシャネルの世界を展開。
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コレクションを発表する数十分の為にに、信じられないようなアイデアや技術を盛り込む空間作りそのものが
シャネルのものづくり精神とリンクするようです。
緑の植物に庭師が水遣りをして、次々に紙の花が咲きだす夢のような演出(0:50ころから)に胸トキメキます。
相変わらすの舞台美術に至るまで妥協なしの構え。嗚呼一体全体どういうギミックになってるの...。
ということでプレゼンテーションのレポートです。
グラン パレの会場から、オートクチュールドレスを空輸し、銀座シャネルビルに空間を再現。
これらの紙のオブジェもパリで使用されたものそのままだそうです。
シャネルの象徴ツイードによるバリエーション。
春夏の気分を盛り上げる、鮮やかで爽やかなカラーのルックが紹介されます。
Lesage (ルサージュ)による60種ものリボンや糸が織り成す贅を極めた見事なツイード。
映像や画像では認識しづらいですが、入り組む素材に揺れるフリンジが複雑に共存し調和してます。
継承され続ける伝統的な素材であるツイードですが、オートクチュールならではの実験や挑戦を遊び心を織り交ぜ続けて新しい表情を探求していく姿勢には、毎回敬服せずにはいられません。
シャネルのプレゼンテーションを観るまで 長いこと私はオートクチュールコレクションというのは
贅と美さを追求し、伝統を継承するもの(なのかな~??) という、漠然とした認識しかありませんでしたが
プレゼンテーションで、間近でオートクチュールの仕事を見る度に
「こんなにも新しい素材への挑戦や技術開発の新陳代謝が活発なのか」、という驚きの連続。
もちろん挑戦を支えるアトリエの長い歴史とともに受け継がれる揺ぎ無い確かな技術あってこそのその先への挑戦なのですが。
なんとも優美な実験室。
今回も一点一点詳しい解説とともに、目の前でドレスを着用したモデルがルックを紹介。
こちらの豊かな奥行きが素敵な軽やかなスリットの施されたスカートで、制作時間は実に380時間。
こちらのグローブは120時間。
↓歩くたびにシャラっと素敵な音がする総シークインのドレス。
甘い綿菓子のようなスイートな見た目ですが恐らく総重量10キロオーバーの圧倒的超絶装飾。
きっと身につけると不思議な力で重さを感じないんだろうな・・・というほどの美しさ。
動く度にシークインに柔らかい光が反射して鱗のよう。 夢心地です。
↓こちらはオスカーを獲得したジュリアン・ムーアの授賞式ドレスの元となったデザイン。
伝説のようなエピソードが次から次へと...
「かわいい・・・」 と勝手に口から思ってることが漏れます。
因みにこちらのカワイイケープ。前日のフィッティングで カール ラガーフェルド氏の一声で急遽製作という話。
お針子さん達に一気に戦慄が走ったであろうエピソード。
後編でも述べますが、今回何と言ってもニットの帽子が印象的かつ効果的。
次々に登場する珠玉のドレス達に瞬くのも惜しい。(本当に)
もう膝から崩れそうなくらい美しいこちらの刺繍のフルレングスのドレス。
身を乗り出して至近距離で血眼で連写してる私ですが後悔しない・・・っ!
後姿の見事な様も、シャネルならでは。リネンという素材もなんだか新鮮。
↓リボンがストライプ状にあしらわれたブラックドレス。スエードルックとともに、ブラックドレスも毎シーズン新たな表現を引っさげて発表されます。
腰のポケットの刺繍、65時間。
↓こちらが今回個人的に見てみたかったルック。
配信される画像では、一体ぜんたい何がどうやって構成されているのだろうか...
と想像もつかないほど凄い装飾のドレスが毎回あるのですが、実物はやっぱり想像を絶してました。
どうやらボレロで立体刺繍という位置づけの装飾との解説。
一般的日本人の感覚の私にとって西洋の立体的感覚から繰り出されるZ軸刺繍はカルチャーショック。
そして憧れる。
↓こちらは折り紙からインスピレーションを得て数シーズンバリエーションを発表し続けている表現。
素材を加えたり、加工したり少しずつ変化し進化する表現を見続け可能性の提案をることができるのもこの上ない幸せ。
移ろいの激しいハイファッションの世界で、ただ消費せずさらに深く追求し継続する姿勢にも感動です。
↓華やかな刺繍と見事なプリーツの対比が美しかったルック。
Chanel の傘下に加入したプリーツ工房ロニオンのプリーツスカートに釘付け。
折る・重なる・層になるもの大好きな日本人にはたまらないのでは。
↓トップスにはビーズで構成される直線ラインと色とりどりのオーガンザ、シークイン...
クラクラ致します。
↓こちらは一見ツイードに刺繍が・・・と思いますが
裏返して貰うとツイードと思った箇所はレースに刺繍。【ツイード風の刺繍】なのです...!!
そこまでするのか...飽くなき探究心とたゆまぬアトリエの努力に感動。
・・・と
そんな感じで見るもの全てに一喜一憂、何シーズン見ても新鮮な驚きと感動に満たされるプレゼンテーションとなりました。
後編(ディティール編)につづきます。