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KITAJIKO

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KITAJIKO

東京藝術大学デザイン科卒業後、7年間のデザイナーとしての企業勤務を経て、2010年、雑誌オフィシャルブロガー・イラストレーターとして活動開始。ファッション・アート・旅・グルメ・映画などに関するものについて独自の審美眼・観察眼でリポート。画業はアナログからデジタルまで対応。個展やコラボレーションなどで活動中。

112 マノロ・ブラニク トカゲに靴を作った少年

数々の伝説をもつイギリス発のシューズブランド「マノロブラニク」。

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世界中の女性が恋するこの有名過ぎるブランドを手がけるデザイナーのマノロ・ブラニク氏について
幼少期の思い出から若き日の輝かしい交友関係
現在までのクリエイションを余すことなく盛り込んだ贅沢なドキュメンタリーである今作。

ここ数年、ビッグメゾンや重鎮にフォーカスしたドキュメンタリー映画が本当に豊作で
ブランドの世界観や交友関係、トップを走り続けるデザイナーや表現者の ものづくりに対するビジョンが語られ、時代の流れとともに変わらないもの・消費されるものが浮き彫りになったり。

そんな中数十年ずっとトップをひた走るモチベーションとバイタリティをマノロ・ブラニク氏には感じずにはいられなかったです。

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私が語るまでも無くマノロブラニクの靴と言ったらアンタ...泣く子も黙る印籠のようなエピソードが数え切れないほど。

個人的には大女優アンジェリカ・ヒューストンと共にVOGUEの表紙を飾ったマノロ・ブラニク氏のエピソードにもグッっときましたし。

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それはもう、交友関係だけで映画が数本撮れそうな豪華さで
映画を鑑賞しながら次々と登場するセレブリティに呆然。

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ドラマSex and the Cityでは主人公キャリーがマノロマノロって何度叫んだことか。
ひったくりに遭うエピソードを観て少々ショックだったことが鮮明に思い出されます。

ソフィアコッポラの映画『マリーアントワネット』のシューズがマノロブラニクというエピソードでも、華麗なアーカイヴの連続で眼福。

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アナウィンター氏がマノロブラニクを語る姿は、いつもとちょっと違って恋する少女のような語り口調で。
全体を通してみんなアイドルファンっぽい。
それだけでマノロブラニクの靴の素晴らしさ、引力の強さが推し量れる。

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少年時代を思い出させる庭園でのガーデニング、植物を愛でてインスピレーションを得る少年のような表情

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デパートで自身の靴や写真集にサインをしたり顧客サービスするマノロ・ブラニク氏の柔らかな姿

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それらとはまた全く別の
工房で無心で作業に勤しむマノロ・ブラニク氏の人を寄せ付けない職人の顔も印象的。

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どれもまぎれもない素顔なんだろうな、と思いながら映画を眺めておりました。

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12月23日(土・祝)新宿ピカデリー、Bunkamuraル・シネマほか全国ロードショー!
監督・脚本:マイケル・ロバーツ
出演:マノロ・ブラニク、アナ・ウィンター、リアーナ、パロマ・ピカソ、シャーロット・オリンピア、イマン、
アンジェリカ・ヒューストン、ジョン・ガリアーノ、ソフィア・コッポラ、ルパート・エヴェレット

2017年/イギリス/89分/原題:Manolo: The Boy Who Made Shoes for Lizards
配給:コムストック・グループ 
配給協力:キノフィルムズ


(C)HEELS ON FIRE LTD 2017

111 ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ

ル・コルビュジエといえば、東京・上野にある国立西洋美術館などが世界文化遺産に登録されたのも記憶に新しいのですが。

つい先月、ル・コルビュジエが都市設計と建築に携わり2016年に世界遺産登録されたフランスの都市、フィルミニのプレゼンテーションを聞いたばかりだったのもあり、 個人的には
「コルビュジエ関連が続くなあ~」
ということで
どんな人物だったかも含めいい機会だし今作『ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ』を楽しみにしておりました。

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アイリーン・グレイとの関係について全く勉強せずに行ったのですが
個人的には邦題の印象で挑んで、原題を知って不意打ちを食らった感。


邦題:ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ
原題:The Price of Desire 欲望の価格


「な なにがあった!?」という解釈のギャップ。 
何故この邦題になったのか 映画を観ながら自分の印象も照らし合わせて想いを馳せるのも私好きなんですけど。

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本題の映画にについてですが

時はアートと建築の価値観が根底から揺らぐ、表現者たちがしのぎを削る戦国時代のような20年代パリ。
史上最高額で落札された椅子でも知られる気鋭のデザイナー、アイリーン・グレイ。と 近代建築の巨匠ル・コルビュジエ。

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私、ル・コルビュジエの華々しくも威厳のある建築の世界観に勝手に聡明な紳士を想像しておりましたが。
この映画では1人のムッツリというか、プライド高めで変な妄想激しめの、ちょっとめんどくさい中年なところが遠慮なく描写されているところに感動しました。

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歪みやねじれのある人物像が逆にやたらと天才っぽいというか。


コルビュジエを演じるヴァンサン・ペレーズが、これまた素晴らしい。
コルビュジエの雰囲気にかなり似せてきてて、体型もヘアスタイルも中年然として 見事に神経質でプライドの高い巨匠を演じてるんですが。


アップになるとまさかの隠し切れない整った顔のパーツが。

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このアクの強過ぎる丸メガネでも隠せないイケメンの凄みよ...。素晴らしい。

時々差し込まれるコルビュジエの呟きにもドキドキしてました。

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ヒロインなのにル・コルビュジエや恋人の建築評論家ジャン・バドヴィッチに振り回される形となった被害者のアイリーン・グレイも

知的な美というか才気ある女性独特の、自信に満ちた媚びない雰囲気とでも申しましょうか。



しかしながら
センスがよすぎて才能がある女性の陥りがちな不幸も体現しております。

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才能ある美女への羨望はなぜか複雑にこじれて愛憎になりがちです。
天才男性は自分勝手に振る舞い 周りに迷惑をかけ パートナーを泣かせるのがお決まりなのに
才能溢れる女性は何かと翻弄され苦しみがちなのは、なんでだろ。

そしてだいたい男運もないのは何でだろ...

などと思いつつ、「E.1027」にまつわる顛末を観ておりました。

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誰もが認め眩いほどの才能を発揮するアイリーンに、羨望とも嫉妬とも思えるコルビュジエの複雑な欲望が絡まって
戦争という時代の波にも飲み込まれて数奇な運命を辿る「E.1027」。


有名な家具や建築も物語の随所にちりばめられ、見応えも十分で
ややこしくも知的で時代の寵児的クリエイティブな人々が織り成す愛憎ドラマという感じでしょうか。

この冬ぜひ。

Bunkamura ル・シネマでは、会期を延長して追加公開!
『ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ』
◆12/8(金)までの上映
[11/11(土)〜11/24(金)]
連日...13:35 / 16:10 / 19:20〜(終)21:25
[11/25(土)〜12/8(金)]
連日...19:10〜(終)21:15
※12/7(木)の19:10の回は休映

特設HP ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ

(C)2014 EG Film Productions / Saga Film
(C)Julian Lennon 2014. All rights reserved

110 サンテティエンヌとフィルミニ~ル・コル​ビュジエ建築とデザインシティ

フランス南東部に位置する都市で、デザインコンシャスな街として昨今人気上昇中のサンテティエンヌSaint Etienne
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その近郊にあってル・コルビュジエが都市設計と建築に携わり2016年に世界遺産登録されたフィルミニFirminyより
現地観光局スタッフによる「建築とデザインの旅」のプレゼンテーション、及び昼食会にお招き頂き、伺ってきました。


サンテティエンヌはリヨンにほど近い注目の地方都市。
古くより製造産業などでも繁栄の歴史を持つ、フランスの歩みとともにある地域。
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当日はル・コルビュジェへのオマージュとして、弟子筋3人による共同設計の国際文化会館にて。

シックなモダン建築と、正統派日本庭園がなんとも優美な違和感を醸して、とてもステキ。

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プレゼンテーションにはフランスから三名。
出席者:
1/ Mr. Stéphane Devrieux(サン・テティエンヌ観光局局長)
2/ Ms. Géraldine Dabrigeon(ル・コルビュジェ建築サイト管理局長)
3/ Ms. Julie Pobel (ヴェイス社マーケティング、イノベーションディレクター)


・サンテティエンヌとフィルミニのPRやデザインシティとしての役割と特性などについて
・ル・コル​ビュジエ建築と大規模な地方都市デザインについて
・チョコレートブランドヴェイスについて

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サンテティエンヌは、工業の重要な地域だったため、交通網も充実し、歩道やサイクリング道が整備されており、100年近い歴史を持つトラムウェイが主要な通りを網羅。

もちろんフランス各都市からのアクセスも便利で、リヨンなどの大都市に隣接しながら自然も豊かでアクティビティも豊富。旅をするのに非常にバランスのよい地域だという事がお話からも伝わってきました。

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世界的に知られるサッカーチーム les Verts レ・ヴェール(緑たち。地元チームの愛称)は子どもも大人も今尚夢中にさせ続けています。

Musée des Verts AS サン・テティエンヌ博物館にはチームとサッカーの歴史が展示されています。

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街中に設置されたファインアートのオブジェや洗練された建築も見応え十分。

サン・テティエンヌ・メトロポール近現代美術館や、芸術産業博物館など、見ておくべき美術館や博物館がたくさん。

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サンテティエンヌの街散策については建築家でジャーナリストの 篠崎隆氏が語るサン・テティエンヌの印象についてスライドを拝見しながら。

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実際にサンテティエンヌに赴き、体験した篠崎氏独自の目線で語るサンテティエンヌのお話。
少し本格的でマニアックなポイントも、分かりやすく説明してくださいました。
終始大変興味深く聞いてしまいました。

ジャック・ボナヴァルによって1998 年に創設されたサン・テティエンヌ国際デザイン・ビエンナーレは、
デザインをテーマにした国際的イベントとしては最も大規模なもののひとつとなりました。
次回開催は2019年。展示のほか、講演や実演シンポジウムなどアート一色の一ヶ月となります。

年間を通して、アート・デザイン関連の様々なイベントが行われるなんて魅力的。

続いてル・コルビュジエが都市設計と建築に携わり2016年に世界遺産登録されたフィルミニについても詳しく伺いました。
ル・コルビュジエといえば、日本でも同氏による国立西洋美術館が世界遺産となり大きなニュースとして取り上げられ
瞬く間にル・コルビュジエという名は日本中に浸透、只今美術館ツアーは大盛況という。

↓ル・コルビュジエ氏

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料を拝見させて頂くと、広大な土地と共存するル・コルビュジエ建築の迫力に息を呑みます。

印象的なフォルムに色使い、いちどは観るべき建築がこんなにたくさん!

建築家ル・コルビュジエによるヨーロッパ最大の複合建築の一部。3分野の人間的行動(文化的生活と余暇、スポーツ、信仰)が融合し共存している生活空間。フィルミニにあるル・コルビュジエ作品は文化会館、ユニテ・ダビタシオン、競技場、サン-ピエール教会の4つであるが、これらはヨーロッパにあるル・コルビュジエ作品の中でも最大規模のもの。主なル・コルビュジエ作品の中でも最重要な建築群として知られる。フィルミニのル・コルビュジエ建築群はいずれも自由に見学可能、年間通じてガイド付見学も実施。(引用)

Read more at: http://jp.france.fr/ja/discover/31196



↓競技場 ・サン=ピエール教会

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↓文化会館

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↓ユニテ・タビダシオン 集合住宅ですが、住むことも可能だそう!

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続きまして

WEISSヴェイス)社もプレゼンテーション

ヴェイスはサンテティエンヌに本拠を置き、現代に生き続ける文化遺産として業界を牽引する130年の歴史を誇る老舗チョコレートブランドで、スタイリッシュな店舗設計とパッケージデザインで世界中に根強いファンを持ち日本ではヒルトン新宿のブティックや有名ホテルでもおなじみです。

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サンテティエンヌではアトリエ・工場見学も可能で日本人スタッフによる解説が聞けます(要問合)。

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実際にショコラ製造の工程を見学したり、自分の好みのショコラを作れるそうで、工場アトリエ見学・体験ものマニアの私としては是非行きたい内容。
もちろんブティックや食事も楽しめるレストランも併設。じっくり老舗チョコレートブランドの世界観を堪能できそうです。

昼食会は、着席の昼食会。
フランスからの皆さんを囲んで質問したり和やかな時間を過ごしました。

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コースの最後のデザートにヴェイスのショコラを使用した特別な一品を用意していただきました。
贅沢にも実演しながら秋の味覚を閉じ込めたビジュアルだけでも満たされるものがある~!

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ということで、文化芸術から自然、産業、美食まで、すべてが叶うサンテティエンヌとフィルミニへの旅、五感が歓びそうな次のフランス旅のプランにいかがでしょうか♪

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『装苑』2018年1月号、11月28日発売

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