Blog

渡部玲

ビューティライター

Akira Watanabe 渡部玲

女性誌の編集部、編集プロダクションに勤務した後に独立。現在は、フリーランスのエディター、ライターとして活動。

永富千晴さんの美への探究心----興味を刺激するものとは何か?

永富千晴さんと出会ったのは1990年代の終わりの京橋だった。「初めまして」と挨拶をした時のインパクトの強さは、今でも鮮明な記憶として私の中にあり続ける。何もかも衝撃的だったからだ。「こんなにたくさんの荷物を持つ女性が居るだろうか」と思い、「いつ眠っているのだろう?」など想像してしまう人であった千晴さん。まるで恋人であるかのように同じ部屋でほぼほぼ一緒に過ごした日々を今、改めて懐かしく感じながら、今回は美容ジャーナリストの永富千晴さんの美への探究心に迫りたいーーずっと焦がれて続ける存在である、"ビューティ"の師匠に話を訊く。

----いつものように、今日も千晴さんと呼ばせてください。千晴さんにお会いしたのは、1990年の終わりの東京は京橋にあったビルの6階で、あの頃からものすごーく化粧品が好き! という印象でした。当時も「なぜお好きなのですか?」と訊いたことがあったと思いますが、改めてお聞きしたいです。何がきっかけで興味を持たれたのですか?

千晴さん「小学生だった頃からテニスクラブに所属していたのですが、高校2年の頃に、辞めてしまったのです。それまでの毎日はとにかくすごい運動量だったのに、パッタりとなくなるのです、当然太ってしまいますね(笑) それで、一念発起してダイエットしたのです。特に、下半身を集中的に! クラランスのボディオイル「アンティ オー」で一所懸命マッサージしました。でも、女の子ですから、すらりとした足だけでなくおっぱいだって欲しい(笑) 当時の私が夢中になっていたブランドの一つがクラランスで、細胞に働きかけてくれるという「レ ビュスト フェルムテ」でケアしていましたね。

----高校生がクラランスでケアする! ということに美意識の高さを感じます。俗っぽいことを言えば、その......高価なものですから

千晴さん「アルバイトしていたのですが、その対価のほとんどを美容に使っていました。先ほど挙げたクラランスのほか、「シュウ ウエムラ」と「ケサラン パサラン」は高校生だった頃の私の憧れのブランドでした。これらのブランドの魅力や化粧品への興味を持たせてくれたのは、雑誌でした。「ELLE Japon」と「オリーブ」が大好きで、この2誌が私の情報源だったのです」

----今のようにSNSなどのない時代と言うのもあると思いますが、私も千晴さんと全く同じで、とりわけこの二誌は、毎号発売されるのを楽しみにしていました。お手本はリセエンヌ(lycéenne)! でも意外だったのは、学校の美しい方々からの情報ではなく、愛読されていた雑誌から美容に関する情報を得られていたことです

千晴さん「美容に関する情報はもちろん、ファッションについても影響を受けました。白いハイソックスにプリーツスカート。靴はリーガルやワラビー。アディダスにスタンスミスはもはや制服のようでしたから。

 私の通った学校は、綺麗な人がとても多かったこともあり、"このままじゃダメだ!"との気持ちがありました。

 小、中学時代の私はいわゆるテニス少女で、ボールを追いかける毎日でした。それが高校に入って一変したのです、環境も意識も。単純に"女の子になりたい!"という気持ちもあったと思います(笑)

 高校生ならきっと誰もが持ち得る感情なのだろうけれど、恋をしたいし、彼が欲しいと思いますよね? お年頃ですから。私もそうだったのです。でも、今は恋愛できるステージにいないこと、そしてそんな自身をもっと女の子っぽくしたい! "私も綺麗になりたい! と考えていました。

----あの......残念ながら私は高校生だった千晴さんを知りませんが、今とほぼ変わらない上背であるなら169㎝であろうし、想像するだけでもスラリとした長身の美人だったろうと思うのです

千晴さん「いやぁ......ひたすら努力の日々でした。どうやったら綺麗に痩せられるだろう? と考え、美容情報を集めました。コントレックスや縄跳び、ラップを巻いて眠ったり(笑) 効果的だと思える限りの、ありとあらゆることを試しました」

----やはり人は環境によって育まれるところが大きいと感じます。その美しく痩せるための方法は、どんな考えで選んだのでしょう? 実際に千晴さんがなさったものだけでなく、他にも選択肢はあったと思います

千晴さん「当時の私は、ただ驚いてばかりでしたから、とにかく"このままじゃダメだ!"と考えては、手当たり次第何でもトライしました。周りにいる人たちとあまりに違いすぎたから。

 そのためにトライした痩せるためのたくさんの方法は、感覚的に選んでいたと思いますし、それは今でも変わっていないところでもあると考えています。しかし、その感覚的なものにも変化はあるように思える今は"厳選"する目を持つことができるようになっているように思えます。昔は、ただ"無謀"だった、と振り返ると思え、これが若さなのかも、とも考えています。それでもやはり、この感覚的で直感的でもあることは今も変わっていないと思えますし、"この人、すごい!"などと素直に思えるところは、これでいいのかなぁと思えるのです。

----少なくとも出会ってからも千晴さんはまさにそうだ、と思えます。それから好奇心も!

千晴さん「常に"面白そう......!"と思えるものを探しています。原動力が何かと問われたら、これだろうと思えるくらいに。そして、それはずっと変わらず私の中にあり続ける感覚なのです。

 振り返ると私は、この頃からずっと変わらず、常に引き立て役だったと思います。そう気付いたのはつい最近なのですが、これもまた、私の原動力の一つだろうと思えます」

----千晴さんがブランドアドバイザーを務めておられるツールブランド「KOBAKO」にはメイクすることを楽しませてくれそうに思えます。それはきっと、"面白い"の先にあるのだろうにあるようにも感じます

千晴さん「ビューティツールブランド「KOBAKO」は、ブランド アドバイザーや商品アドバイザーとして、企画の立ち上げからずっと関わってきました。様々な試練などもあったりましたが、初代のプロデューサーのコンセプト「大切な化粧道具は小箱に収めていたい、という女心」を大切にしながら、再来年で10年になります。

 ビューティツールをブランド化させることは、これまでにない考え方だっただけにチーム作りやプロダクトについてはもちろんのこと、店舗に用いる什器やカタログに至るまで、とても慎重に動いてきました。

 そして「貝印」の中でもチームとして確立されつつある今、ブランド認知力をもっと上げると同時に、女の子のキレイに道具は強い味方になるのよ、ってことを、もっと商品でもプロモーションでも見せていけるお手伝いができるといいな、って思っています。そのためにも、どんどんブラッシュアップ&ステップアップし続けないといけない、と自身を奮い立たせています」

----千晴さんの大学時代の、読者モデルがきっかけとなった経験についてのお話を思い出しました

千晴さん「大学時代に、読者モデルの機会がありました。この貴重な経験でちゃんと正しく伝える人になりたいと思ったことがありました。ライターや編集者という仕事に憧れ、目指したのにはその経験も大きく影響しています。私は、表の人ではなく裏方の人だ! と考えるきっかけにもなりました。今、注力していることの一つである「KOBAKO」の仕事は、裏方ですね!

 私の考える"美容ジャーナリスト"とは、日本の女の子の「キレイになりたい!」や、「汚いオバさんにはならないようにしよう」などの乙女心のような想いに応えるにはどうしたらいいのかをビューティの視点から考えることだと思っています。そのためのメディアでありイベント、広告、キーワードなどから提案もしています。2003年より主宰する「club C.」もその一つ。美容好きの女性たちを私なりに応援したいと思い、メンバーシップ コミュニティを作りました。

KOBAKO新ブラシ.jpg

2015年の秋に発表されたファンデーションブラシは、これまでにない斬新な発想で肌の悩みにアプローチ。「ポータブルブラシ」(4種)、「ベースメイクブラシ」(6種)、「アイメイクブラシ」(7種)の17種をラインナップした全てKOBAKO(貝印)

「KOBAKO」つい先頃発売されたファンデーションブラシもとても好評の「KOBAKO」。「「メイクの完成度を上げるためには、きちんとしたビューティツールやブラシを選ぶことが必要不可欠です。特に、ナチュラルで透明感のある肌づくり、には、ベースメイクにもブラシが大活躍するので是非、ファンデーションブラシからトライしてみてください。KOBAKOのファンデーションブラシは、乾燥肌用と皮脂浮きが気になる人用に分かれているのも特徴。スピーティにベースが仕上げられるし、化粧持ちもぐんとよくなりますよ!」と千晴さん。更に、「秋には、アイラッシュカーラーの限定品も出るのよ」と教えてくれた。

 千晴さんの考える「美」に触れるたびに感じるのは、女の子のピュアな想いだ。もしかするとスペシャルなコスメをも凌駕するのは恋心かも知れない、とすら思わさせる。そして、そのことに気付くたび、はっとするのだ。

IMG_0717.jpg

永富千晴●Chiharu NAGATOMI

美容ジャーナリスト。ファッション誌「マリ・クレール」(中央公論社)のビューティエディターを経て、ビューティコンサルティング事務所「Jビューロー」を設立。2003年には美容ジャーナリスト初の美容コミュニティ「club C.」の主宰に。現在は、女性誌やWEB媒体などでの連載、プランニングのほか、イベント、ラジオなど多方面で活動中。instagramにて、ビューティ最新情報をup中。ご興味あればfollowしてね、よろしくお願いします! @tokyo_beauty_news プライベートなインスタも → @chiharunagatomi

貝印 / KOBAKO

TEL : 0120-016418

http://www.kobako.com/

1/1 1

MAGAZINE

『装苑』2021年5月号、3月27日発売!

calendar

-event -promotion -exhibition

Page Top