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渡部玲

ビューティライター

Akira Watanabe 渡部玲

女性誌の編集部、編集プロダクションに勤務した後に独立。現在は、フリーランスのエディター、ライターとして活動。

容作るのは、"叶わないことを叶えようする"という情熱

確か夏の奔りの頃だったと思う。一本のマスカラの発表を見に行った。

 この仕事を生業にしていると、とても幸せなことに、新しい商品が発表される度にご紹介頂く機会を得る。これまでどれくらいのアイテムに出合ったのだろう----今回の話は、そうして出合った今秋発売の「モテマスカラ ONE リフトアップ」の生みの親である、フローフシの今村洋士さん。その説得力が凄まじいものだったことは記憶に未だ鮮明で、どうしてもその愛溢れる製品づくりの源を訊きたくなり、今回、超過密スケジュールの中、お時間を頂いた。

今村さん「19歳から働き、これまでたくさんの仕事に携わってきました。その中でも、この「モテマスカラ」に直接的に関与している仕事と言えば、病院の経営や病院の再生などになるでしょうか。小さな病院からのスタートでした」

----なぜ、医療の現場でのお仕事を選ばれたのですか?

今村さん「僕の家族は皆、医者だったため幼い頃から病院や医者、医療については誰よりも身近に感じていたという自負があります。

 ある日、病院経営の抱える問題について相談を受けたのです。なんとかしてくれないか、と。20歳の頃です。若いから経験も浅い。でも、改善するための提案や助言は、概ねうまくいきました。こういった再生のためのアドバイスを行っていたら、そのうちに幾つかの病院を自分で持つことになっていきました。その中の一つに、美容皮膚科を専門とする病院があったのです」

----そして、今村さんを化粧品業界へと導き、フローフシという名の会社を興されたのですね

今村さん「社名の『フローフシ』は不老不死から名付けました。その願いは、叶わない。例えすべてを手に入れた有力者が最終的には願い続け、あらゆる方法を以てやり尽くしたと伝え聞く言葉----究極の目的や願いである不老不死は、インパクトのある言葉であるとも感じるからです。

 また、叶わないけれども叶えようとすることこそ、進化をもたらす動機になり得ると考えているからです。その思いを僕は、化粧品に求めたいと考えました。

 そして、この商品を世に出そう、と思えるものができた時、この名前の会社を作りました。最初に作ったアイテムは、マスカラです。

 僕には起業したいとか有名になりたいとか、会社を大きくしたいなどという気持ちは全くないのです。単に成り行きだった----この商品を発表したいから、そのために会社が必要になっただけなのです」

----今村さんに会社を作らせるほどの魅力のあるマスカラ! 一般的なものとどのように違うので

しょう?

今村さん「病院の仕事を通して出合った、鉱物学者でありお医者さまでもある先生からエンドミネラル(R)の存在を教わったのですが、この天然のミネラル鉱石に衝撃を受けました、その鉱石の血流促進効果の高さに。自分自身が体感して、これは凄い! と思えたのです。

 エンドミネラル(R)の働きについては、病院の治療に使われていましたから、その中で浮腫みを取る効果があることは知っていました。それから、浮腫みを取ることがリフトアップすることも。昨今の美容医療の技術を以てすれば、リフトアップしたいという女性の望みは叶えられます。しかし、それを手術に頼らず可能にしたいと、親交のあるドクターも僕も考えていました。

 リフトアップさせるのに効果的なのは、目もとです。そのパーツに働きかける化粧品をエンドミネラル(R)で作りたいと思いました」

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エンドミネラル鉱石

----そして、「モテマスカラ」が誕生した。しかし、リフトアップさせるためのアイテムがメイクアップのものであることに驚くほどの斬新さを感じます

今村さん「フローフシは、女性を外見的に美しくするだけでなく、新しい価値に出合った時に感じるときめきやワクワクする思いを提供することで、心豊かな女性になるお手伝いをしたい、と考えています。だから、他と同じではダメで、"本当に?"というくらいの真逆の価値があるものしか発売しないのです。

 例えば、一般的な考え方としてのリフトアップは、スキンケア アイテムで何かしようとすると思います。実際、僕も始めは、クリーム状のもので鉱石を入れてみたりしました。確かに、肌はぐいーんと上がります。でも、そこに面白さを感じられなかったのです。もちろん、充分に凄いことではあります。しかし、肌に直接塗ることで肌を上げる=リフトアップさせることを僕には面白いとは思えなかった、斬新さに欠けてしまうと感じて仕方がなかったのです。そして、スキンケアではなく、メイクアップアイテムで何かを、新しいと思えるものを作りたいと考えました。

 スキンケアとメイクアップは、真逆にあるものと考えています。そして、あるものに真逆の力を持たせた時、お客さまにとってそれが商品としての魅力は非常に大きなものになり得るとも思うのです。例えば、滲まないのにお湯で落ちるものとか、薄付きなのにカバーできるなど、対極の機能が一つになった時、人は感動するのだろうし、好きなのだろうと考えています」

----そんなユニークな発想によって生まれた「モテマスカラ」は、多くの方々の知るところとなったアイテムですが、そちらにも新作の「モテマスカラ ONE リフトアップ」と同じリフトアップ機能を備えているのでしょうか

今村さん「リフトアップの働きはあります。ただし、リフトアップさせるものと考えれば、血流をかなり改善させなければその効果は得られません。とは言え、このレギュラーでも、使用してくださった10%〜15%弱の方々が"すっきりする"とか"目の周りが楽になる"などの感想を持ってくださっています。しかし我が社では、店で買い求めて、使用してくださった場合に、その6割以上のお客さまに効果の実感が得られなければ、商品の機能性として良しとすることはできません。それはお客様を裏切ることになるからです。

 それで今回の新作=「モテマスカラONE リフトアップ」には、従来の「モテマスカラ」300%のエンドミネラル(R)を配合することで、更なるリフトアップを追求したのです」

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あの名品「モテマスカラ」に新たなリフトアップ機能を搭載した新作が登場。気になるダマや繊維落ちはもちろん、お湯で簡単にオフすることにも配慮しながら、これぞ黒と思える漆黒色でコーティングする。その繊細で優美にまつ毛を描くのは、リフトアップ機能を与えたブラシ。その働きを下まつ毛の美しさが裏付ける。モテマスカラONE リフトアップ 5g ¥2700 フローフシ

----今後については、どのようにお考えですか

今村さん「もともと化粧品を専門にやって行きたい、という考えは露程もありません。ただ、アイデアの一つに化粧品があっただけなのです。しかし、これまでメイクアイテムとしての涙袋やアイライナーなどの商品を作ってきたからでしょう、目もとのメイクアップブランドのように捉えられがちですが、決してそうではありません。化粧品に限らず、新しい価値のあるものと思えるものを作っていきたい、と思っています」

----その"新しさ"とはどのようにお考えでしょう

今村さん「僕が勝手に思っている定義ですが、これまでに見たことのないものだから新しいこと。潜在的にはあると便利だと思いながらも人が期待すらしていないもの。そして、今までなかった価値を備えているものであると考えています。

 但し、本当の新しさとは0を1にすること。でも、僕にそれができる機会を得られることは僅かではあるけれど、出合いがあれば商品として世に出したいと考えています。

 例えば、未だ知られていない成分を使うことや、エンドミネラル(R)のように他は持っていないものを使うなどして新しい何かを作る、これは0を1にすることです。それとは別に、熊野筆の例がそうなのですが、これまで高級品とされてきたこの筆をプチプラのコスメで商品化することを実現しました。考え方の根底は、「モテマスカラ」にも同じなのです----そして、新しい製品を生み出すに至るのです」

----化粧品を作る上で、最も大切にされていることは何ですか

今村さん「僕は、"人の好きなもの"を見つけ、捉えるのが仕事だと考えています。何を好み、欲し、嬉しいと思うのか----だから、人間が求めているコトやモノを見ているんだろうと思うのです。女性が"こんなものがあったらいいな"というのを形にして提供したいと考えています」

ひとりで何役もこなし、時代に目を向ける今村さんの睡眠時間はわずか3時間ほどという。そんな毎日の中で最も重んじていることは人を、自社の製品を愛することなのだろうと感じ得たインタビューだった。モテマスカラが生まれ、多くの女性の心を魅了し得たのは、時代が求めた商品力だけではない。そのユニークな発想とバイタリティー、それから人に感動を与えたいと思う情熱なのだろう。そんな情熱をほとんど感じることのない極めて穏やかな語り口が印象的だった。静謐という言葉を想起させるくらいに。

 そして今年、今村さんの率いるフローフシは5周年を迎える。

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目指したのは、8mmまつ毛! 独自の美容成分"エンドミネラル(R)"を配合したまつ毛美容液が、育毛サイクルに沿って効果的にアプローチ。強さと太さ、ボリューム、長さ。その3方面に働き、から多くの女性が切望する美しい横顔と迫力を生む。フローフシ THE まつげ美容液 5g ¥1200(2015年10月1日発売予定) フローフシ

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フローフシ

商品企画開発

今村洋士●Hiroshi Imamura

香川県出身。高校卒業後、携わった病院経営で、エンドミネラル(R)の開発者であるドクターに出会い、マスカラの開発に着手。中学時代の同級生である桑島社長とともに2010年8月、フローフシを設立。商品企画開発を担当。

フローフシ 03-3584-2624

http://flowfushi.com/

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